スリランカと日本をつなぐ。オフショア開発プロジェクトで活躍するBacklogとCacoo

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株式会社SLiC Backlog導入事例

日本とスリランカに拠点を置き、ソフトウェアの設計・開発をはじめコンピューターネットワークのSI事業や輸入販売事業を展開する株式会社SLiC。同社では、スリランカでのオフショア開発プロジェクトにBacklogを活用しています。プロジェクトマネージャーを務める松田遼子氏に、異なる文化の中でご活用いただくBacklogとCacooの効果についてお話しをうかがいました。

導入目的

・日本とスリランカのオフショア開発のプロジェクト管理を効率化する

課題

・利用中のプロジェクト管理ツールの操作性が難しく、効果的に活用できずにいた
・日本とスリランカの文化や感覚の違いから、業務指示や修正依頼に工数がかかっていた

効果

・情報が伝わりやすくなり、仕様を指示する工数や、手戻りを大幅に削減
・メンバーが入れ替わる度に発生する、引き継ぎやレクチャーが楽になった

業界 システム開発
職種 システム開発/コンサルティング
利用しているヌーラボサービス Backlog, Cacoo, 
Backlogユーザー数 約30名

スリランカと日本。二国をつなぐBacklogとCacoo

―― 御社の事業内容と、松田さんのご担当業務を教えてください。

株式会社SLiCはシステムソリューション事業とオフショア開発、システム運用・保守サービスなどを提供しております。スリランカに子会社を置き、要件定義や設計フェーズは日本側のメンバーが担当し、開発や試験作業などはスリランカのメンバーが担当する体制を取っています。
私は日本で営業兼プロジェクトマネージャー(以下PM)を担当しており、主にスリランカ側のPMとやり取りをすることが多いです。

株式会社SLiC 松田氏株式会社SLiC シニアマネージャー
松田 遼子 氏

―― 日本とスリランカ、双方でBacklogとCacooをご利用いただいているのですね。

日本側に5名、スリランカ側に22名。クライアントをゲストユーザーとしてお招きすることもありますが、基本的には国内外のメンバー約30名でBacklogを活用しています。Cacooは10名ほどですね。

―― どのような場面でご利用になっているか教えてください。

スリランカでのオフショア開発において、日々のプロジェクト管理とコミュニケーションにBacklogを活用しています。日本語と英語のコミュニケーションは、Backlog上で翻訳者が双方の言語に訳して記載していますので、課題やWikiなどは2つの言語で記載しています。Cacooではシステム構成図や事業のフローチャート、プロジェクトの組織図などを作成することが多いです。

SLiC社のBacklogの課題画面。日本語と英語の二言語表記されている課題やWikiなどは翻訳者を介し、日本語と英語の2言語で表記している

直感的な操作性、わかりやすさがBacklog選定の決め手に。Cacooを組み合わせ、さらに効率アップ

―― Backlog導入以前は何をお使いでしたか。

他社のプロジェクト管理ツールを使っていたのですが、英語版を利用していたため、日本とスリランカ間で使うには使い勝手の悪さがありました。どうしようかと思っているときに、社内から「Backlogがいいのではないか?」という声が上がり、それが導入のきっかけになりました。

―― 実際にご利用になっていかがでしたか。

利用者からの推薦の声どおり、Backlogの操作性は非常に優れていると感じました。それまで利用していたツールは、プロジェクト管理初心者や、ITに慣れていない人には少しハードルが高いかなと感じていたのです。

Backlogは初心者でも直感的に理解できますし、誰にでも使いやすいように、画面のデザインやレイアウトが工夫されている。ボタンの名称一つとっても、わかりやすく作られていると思いました。カスタマイズ性も高く、自由度の高さにも魅力を感じました。

―― 直感的な操作性と、カスタマイズしやすい自由度を気に入っていただけたのですね。

自由度が高い分、「どう使って行くのか」が導入後の課題になりました。ほかの企業がBacklogをどう使っているのかにも興味が湧き、JBUG(Japan Backlog User Group)に参加するようになったのです。

―― JBUGに参加してみて、印象的だった活用方法を教えてください。

Cacooの図がBacklogの課題やWikiに張り付けられると知って「それは便利だ」と試してみるようになりました。その結果、情報は伝わりやすくなり余計な手間も省かれて、本当に便利だと思いました。以来、Cacooも手放せなくなっています。

異なる言語、文化、商習慣の中で進める業務の課題とBacklog活用の効果

―― スリランカと日本。海を挟んでのプロジェクトで一番大きな課題を教えてください。

日本とスリランカでは文化や言語だけでなく、感覚や常識の違いもあります。たとえば、日本人が思う「完成」と、スリランカ人の「完成」のイメージは違います。お互い自分たちの常識だけで考えていると、すれ違いが起きてしまうのです。

―― そういった感覚の差はオフショア開発の中では往々にしてありそうですね。

ドキュメントの形式一つでもかなり違いますね。フォントはどれにするのか。右寄せか左寄せか。色や図の配置など細かな点でも国や個人によって感覚は異なります。しかし、日本の感覚に合わせてもらうために、作業前に毎回確認したり指示したりするのも、修正を依頼するのも手間がかかってしまいます。Backlogの課題を起票する際も、どんな情報で、どのような手順で進め、何をチェックして、どうなったら完了、といった定義やゴールを明確にしておかなければ、粒度にかなりのバラつきが生じてしまいます。

その点、Backlogの課題にあるテンプレートを活用すれば、こちらの要求している情報の粒度や形式が、視覚的に一瞬で伝えられます。指示する工数は大きく削減できていると感じますね。

―― 言葉や習慣が異なっていても、してほしいことが一目瞭然になったのですね。

まさに「百聞は一見にしかず」です。細々とした依頼や修正をしなくても体裁をすぐ理解してもらえます。しかも高いクオリティが維持できる。オフショア開発でのお互いのストレスが、ずいぶん緩和されました。

―― コミュニケーション面の効果はありましたか。

これまで情報の抜け漏れに悩まされていましたが、Backlog導入後は、格段にそれが減りました。「プロジェクトのやり取りは、通訳者を通じて必ずBacklogに起票する」ということだけを徹底したところ、チャットや現場での会話が共有されずに起こるトラブルが、ほぼなくなったのです。そのおかげで、引き継ぎもシンプルになりました。

海外エンジニアのメンバーは頻繁に入れ替わります。その都度、手順やルールをレクチャーしてきましたが、今はそれも最小限です。Backlogを検索すれば、過去の経緯も進行状況もすぐわかる。タスクを渡すのも、Backlogなら「こちらを複製して課題を作ってください」と伝えるだけで、すぐにキャッチアップできます。本当に楽になりました。

SLiC社のBacklog画面。課題の詳細なテンプレートを登録している課題の起票方法を細かに指示したテンプレート。二言語で記載し、日本とスリランカの双方が同じ粒度で、情報の漏れなく課題起票できる

自社の流儀に合わせてカスタマイズできる

―― より便利にご活用いただくため、工夫していることはありますか。

課題の「状態」を業務の工程に合わせてカスタマイズしています。レビューのフェーズを「社内」と「クライアント」に分けたり、開発機能ごとにカテゴリを作ったりもしています

―― 背景色やアイコン設定も便利にお使いいただいているとか。

私たちは常時、複数のプロジェクトを並行して進めています。ですから相手先を間違えるミスは必ず避けたいところです。Backlogでは背景色やアイコン設定を変えることができます。背景色を変えることで、一目でどのプロジェクトかわかるようになり、ミス防止に役立っています。

プロジェクトによってマークダウン記法とBacklog記法を分けることも意識しています。マークダウン記法はエンジニアやIT関係の方には好まれますが、ITに馴染みがない方にはBacklog記法がわかりやすいようです。初心者にも扱いやすいし、高いITリテラシーを持っている方の要望にも、しっかり寄り添ってくれるところが、Backlogの強みだと感じます。

SLiC社のBacklog画面。状態をカスタマイズしている「状態」のカスタマイズ機能を活用。カスタマイズ部分は英語と日本語で名称をつけ、どちらの言語設定でも読めるよう工夫している

Backlogは「欠かせない相棒」

――Backlogのご活用について、今後の展望はありますか。

オフショア開発中の私たちにとって、Backlogはとても相性がいいと思っていますので、引き続きすべてのプロジェクトでフル活用して行きたいですね。 Backlogは私たちにとって欠かせない相棒です!
日々の活用が積み重なり、プロジェクトや資料が数多く蓄積されてきていますので、今後の検索機能やセキュリティ設定など、Backlogのアップデートにも期待しています。

―― 海外と日本を結び、ビジネスの潤滑油となっているBacklogについて、本日は貴重なお話しをいただきました。ありがとうございました!

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