アクセシビリティカンファレンス福岡2023での登壇ふりかえり&チームの変化

※このブログは ヌーラボブログリレー2023 for Tech Advent Calendar の11日目の記事です。

こんにちは!ウェブサイト課の松永です。

2023年11月11日にLINEヤフーコミュニケーションズ株式会社で開催されたアクセシビリティカンファレンス福岡2023にて、スポンサーセッション枠で登壇しました。そのふりかえりと、カンファレンス後のチームの変化について書いていきたいと思います。

発表した内容は、YouTubeで公開されています。

カンファレンスについて

アクセシビリティカンファレンス福岡2023は「ここにいる。」というテーマで開催されました。要約にはなりますが「福岡でアクセシビリティに取り組む仲間がいることを実感し、安心して活動に取り組める。それをこのイベントで証明する」といった意図が込められています。詳しくはアクセシビリティカンファレンス福岡2023のWebサイトをご確認ください。

各セッションでの発表は、今すぐ始められるような取り組みの内容もあれば、発展的な課題への取り組みの内容もありました。そのため、これから始める人もたくさんすでに取り組んでいる人も学びがあるようなバランス感、Webアクセシビリティだけに限らない多角的な視点があったと思います。

私にとっては多くの発見がありましたし、改めて重要性を再認識するものもたくさんありました。そして懇親会でお話しさせていただいた皆さんはもれなく優しく、ちょっと元気になるカンファレンスでもありました。ノベルティもたくさんで、物理的に得るものもたくさんありました。当日の雰囲気について、詳しくはTogetterにまとめられた当日の様子をご覧ください。

なお、カンファレンスの前夜祭はヌーラボ福岡オフィスで開催され、「こんな私がアクセシビリティ? 〜入り口に立ってモノの見方が広がった話〜」というタイトルでサービス開発部の藤田がLTで登壇し、パネルディスカッションでは同じウェブサイト課の岡藤が登壇しました。前夜祭の雰囲気について、詳しくはTogetterにまとめられた前夜祭の様子をご覧ください。

当日の発表についてのふりかえり

私の今回の発表内容は「ウェブサイト課のアクセシビリティ関連の取り組み」でした。

ウェブサイト課は2022年の10月に立ち上がって、まだそこまで大きな取り組みもできていないなかで、何を話そうかなと思っていました。他のセッションの方々はアクセシビリティに詳しい方々ばかりでしたし、自分に何が語れるのかなとも思いました。

その不安は、カンファレンスの行動規範が提示されていたことによって解決されたと思います。「アクセシビリティに取り組めていない人を否定する行為」を禁止し、「すべての人が安心して参加できるイベントにする」と明示してくださったおかげで、現状を飾らずありのまま話すことができました。

アクセシビリティになかなか取り組むことができていない組織はたくさんあると思います。課が立ち上がってからの1年間の話が、これからアクセシビリティ関連の取り組みを進めていこうとしている方々にとって、参考になれば嬉しいです。

また、大きな取り組みはできていないものの、小さな取り組みをかき集めれば実は色々とやっていて、それが今回の発表内容にぎゅっと詰まっていたと思います。そして、その小さな取り組みのひとつひとつは、紐解いていけばたくさん話すことがありました。どんな取り組みも何らかの意図を持って行動していて、試行錯誤が凝縮されている場合がほとんどではないかと思います。

そもそも、小さな取り組みというのも思い込みかもしれません。今回の発表で、自分の発言にはさまざまなリアクションが寄せられました。自分にとってささいなことと思っていたことが、他の方にとっての有用な情報になっているのかもしれない、ということは今回で再認識できました。ウェブサイト課のミッション・ステートメントにも「ささいなことでも、勇気を持って発信し続けます」という言葉がありますので、これを意識して続けていきたいと思います。

結果的に今回の発表内容のほとんどは組織作りに関連する話になりました。アクセシビリティ改善に取り組むことに関して、安心して取り組めるような土台を作ってこれたと思いますが、これでうまくいくかどうかはこれからの私たちの行動次第です。チームで試行錯誤しながら、アクセシビリティ改善をうまく進めていきたいと思います。

登壇者が両手の手のひらをみせてポーズをとっている。演台の上にはマイクが置かれ、バックパネルにはカンファレンスとスポンサーのロゴが載っている。発表前のようす。あまり余裕はなさそうだ

カンファレンスに参加してからの変化

カンファレンス開催日の時点で、Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.1をチームで読み合わせすることが決まっていましたが、WCAGを読むのに苦戦しているという意見をカンファレンスで聞いてから、急遽freeeアクセシビリティー・ガイドラインを読み合わせことにすることに変更しました。

ゆくゆくはWCAGを理解する必要があるとしても、最初に読むものとしてはハードルが高いと思うので、まずは最初の一歩としてfreeeアクセシビリティー・ガイドラインを読むように変更してよかったと思います。おかげさまで理解が進み、読み合わせのためのGoogle Docsにはたくさん感想や相談事が書き込まれています。対応すべきだけど忘れていたこと、ウェブサイト課だけではなかなか解決できないようなことなど、様々な課題をみつけることができています。読み合わせ会の頻度は週に1,2回ほど開催されていて、チームでアクセシビリティの話ができる機会が増えました。これはとてもとても大きな変化だと思います。

気持ちの面でも変化はあり、カンファレンスで背中を押してもらって活動を前に進めることができているような感じがします。カンファレンスに参加したメンバーも同じような気持ちのようで、どんどんアクセシビリティ改善タスクを進めてもらっていて助かっています。

ウェブサイト課のタスクはアクセシビリティに関するものだけではないので、自分がそれに携わることができないタイミングもあります。そんな時も、チームの誰かがアクセシビリティ改善のタスクを進めてくれていることを嬉しく思います。フロントエンドエンジニア・マークアップエンジニアだけが読み合わせに参加しているのではないというところも、必要性を感じてくれていてありがたく思います。最近は、アクセシビリティ改善はひとりでやるものではなくて、みんなでやるものだということを強く実感しています。

おわりに

とにかく、アクセシビリティカンファレンス福岡2023に参加できてよかったです。前夜祭から2日間、多くの学びがありました。UDトーク、手話通訳、行動規範があることなどの細やかな配慮は、今後イベントを企画することがあれば念頭に置きたいと思っています。

改めまして運営・スタッフ・スポンサー・手話通訳・ボランティア・関係者のみなさま、素敵な機会をいただきありがとうございました!

より良いチームワークを生み出す

チームの創造力を高めるコラボレーションツール

製品をみる