ヌーラボで人事を担当しているAngelaです。人事、いわゆる管理部門の所属です。
管理部門の業務というと、こんな特徴が挙げられるのではないでしょうか?
- 社内から多数の依頼がある
- 同様の種類の依頼が何度もある
- 自分一人で完了にできないタスクが多い
そこで、Backlogを運営するヌーラボの人事労務課が多用しているのが、Google フォームで申請された内容をBacklogへタスクとして自動登録させるためのレシピです。
※このブログは、2022年6月10日現在において、Googleが提供するアプリケーションの仕様に則って執筆しています。
目次
Google フォームだけで業務管理をするのは大変
Google フォームの問題点は、ズバリ「回答の共有範囲が限定されていること」ではないでしょうか。
回答の通知が、フォームの作成者にしかメールで飛ばせないので、ブラックボックス化する。またスプレッドシートを共有しても、更新に気づけない等々、ちょっと痒いところに手が届きません。また、10行程度なら良いのですが、100〜1,000行と増えるに連れて、行ズレや見間違いを起こしやすくなり、ミスを招きます。
これが、Google フォーム 1申請・Backlog 1タスクになれば、ぐっと楽になるのではないでしょうか?みなさんの業務にも当てはまるものがあったら、ぜひこの設定をお試しください。
Google フォームとBacklogを連携する
今回は、Google フォームの回答結果の内容をメールで転送し、「Backlogのメールでタスク登録」を経由してBacklogのタスク登録を行います。
1.インテグレーションの設定から課題登録用のメールアドレスを発行する
ここまでのステップで、Google フォームの回答結果を飛ばす先のメールアドレスの発行は完了です。
2.Google フォームの設定をする
スクリプトエディタを開きます。
エディタが開いたら、下記のスクリプトをコピー&ペーストしてエディタに貼り付けてください。
function submitForm(e){ var itemResponses = e.response.getItemResponses(); var message = ''; for (var i = 0; i < itemResponses.length; i++) { var itemResponse = itemResponses[i]; var question = itemResponse.getItem().getTitle(); var answer = itemResponse.getResponse(); message += (i + 1).toString() + '. ' + question + ': ' + answer + '\n'; } var address = 'ここにBacklogへの課題登録用のメールアドレスを貼り付けてください。'; var title = 'ここに入れた内容がBacklogのタスクのタイトルになります。'; var content = '以下の内容でフォームが送信されました。\n\n' + message; GmailApp.sendEmail(address, title, content); }
貼り付けが完了したら、トリガーの設定に移ります。
トリガーは「フォーム送信時」に「今すぐ通知を受け取る」設定にすることで、フォーム送信直後にBacklogにタスクを飛ばすことができます。
ここで保存をクリックすると、アカウント認証のリクエストが来ます。承認しましょう。
許可までが完了すれば、自動登録のセットは完了です。一度テストをしてみましょう。
注:アクセス許可の画面までいけない方へ
Google Chromeの場合、デフォルトの設定が「ポップアップをブロックする」になっているケースがあります。ブロックしている場合は、下記のようなアラートが出ます。
その場合は、許可をしてから進めましょう。
課題の登録イメージ
こんな感じで登録されます!
ヌーラボが活用している場面
具体的にヌーラボの人事労務課が活用している場面の一部をご紹介します。
- 書籍の購入申請(月1冊 書籍の購入費用を会社が負担する制度)
- 慶弔見舞金の申請
- 各種書類の発行依頼(ex. 在籍証明)
- 自転車・自動車通勤の申請
- オンライン学習のコンテンツやカンファレンスへの出席に対する手当の申請
- テレワーク作業環境状況報告(テレワークしている自宅の環境が業務に適しているかの独自チェックと報告)
ほんの一部ですが、このような申請は、全てBacklogに起票され、人事労務課内で内容が共有できるようになっています。
また、最近の法改正に伴って、こんな場面でも活用しています。
- (男性従業員向け)育児休業の取得希望の確認
社会保険の手続きで利用しているBacklogプロジェクトに通知されるように設定すれば、ばっちり記録も残るので一石二鳥です。
この作業で解決できない課題
1点だけ課題なのは、申請者のメールアドレスをGoogle フォームで自動で収集できていても、その情報をGoogle フォームの回答結果のメールには反映できないことです。そのため、Backlogに申請内容が自動登録されても「申請者はだれなの?!」となってしまうケースがあります。
本当なら課題のタイトルに出したいのですが、この作業だけではできません。
そのためヌーラボの申請フォームには、
- 従業員番号
- 氏名
の欄も作成し、ご自身で入力してもらっています。
誰かぜひ、解決策を教えてください…!