ヌーラボでコミュニティマネージャーや広報を務めております、Meggyと申します。2018年8月10日(金)、福岡女子大学の”リーダーシップ特別演習”にてゲスト講師を務めさせていただきました。
公立大学法人 福岡女子大学は、大正12年(1923年)に全国で初の公立の女子専門学校として設立されました。2023年に創立100周年を迎える同校は、創立当初より建学の精神「次代の女性リーダーを育成」を掲げ、今日では国際化、多様化する社会で幅広く活躍できる女性リーダーの育成に取り組んでいます。 光栄にも、そんな福岡女子大学で行われている授業”リーダーシップ特別演習”の講義”リーダーズ・インテグレーション”にお招きいただきました。
福岡女子大学 非常勤講師の平山先生よりゲスト講師のお話をいただいたときには、「私で大丈夫かな…」と不安を抱きましたが、「手の届かないリーダーというよりも身近な存在の方がかえってリアルで良い、あなた目線での話を期待している」と言っていただけたので、お受けすることにしました。
お話ししたこと
授業は三部構成で、授業のデザインとファシリテーションは平山先生が担当してくださいました。
- プレゼンテーション
- 気づいたことや聞いてみたいことをご参加者のみなさんが付箋に書き出す
- それらへコメント、疑問に対して回答する
というわけで、僭越ながら私から「強くやわらかく生きよう」なるタイトルのプレゼンテーションを行いました。なんだそれ?という感じのタイトルですが、私のこれまでの経験から得られた「変化に強いキャリアを築こう」「許容幅を広げよう」という2点の内容をお話しました。
「変化に強いキャリアを築こう」について
終身雇用や年功序列型評価制度など、戦後の高度経済成長が可能にしていたシステムが終わりを迎えつつあることや、高齢化による「待機高齢者」問題(待機児童の10倍!)、個人の幸せの多様化など、「はたらく」を取り巻く環境は大きな変化を続けていて、もはや予測ができません。他にも景気や災害、そして「自分以外の誰かの選択」など、コントロールがしづらい(備えづらい)ことが、どうしても起こります。
そんななか、たとえば引っ越しが余儀なくされた場合に、所属企業に「これまでリモートは許可していなかったけど、スキルがあるあなたにはリモートでも働いてほしい」と言ってもらえるだけのスキルや、解決できる経済力があると、不測の事態への対応としての選択肢を増やすことができます。そういった「打ち手を増やす」という意味での自己成長(=強さ)と、「それでも、不測の事態は起こるし、どうにでもなる!」という柔軟性(=やわらかさ)のハイブリッドが最強だ、というような話をしました。
これは、キャリアコンサルタントを務めていた頃などに、のべ1,000人以上の「はたらく」を見て思ったことです。
「許容幅を広げよう」について
近年、ロバート・グリーンリーフ博士が提唱したリーダーシップ哲学「サーバント型リーダーシップ」が注目されています。日本でも一般的だった支配型リーダーと異なり、共感や傾聴など10の要素を持った「支援型」「奉仕型」と言われる次世代のリーダーシップの考え方です。
私は、この土台には「許容」が不可欠だと考えました。「こうあるべき」ではなく、「私とは違うけれど、まぁそれもいいんじゃないか」という姿勢がベースにあって初めて、対話や相互の気づきなどが可能になります。自分の考えや価値観をしっかり持ち(=強さ)、それを大事に生きる一方で、そこから外れた考え方を否定せず「そういう考え方もあるんだね」という風に違いを受け止める(=やわらかさ)という姿勢が大事だなと思います。
自分に対しても、他人に対しても、「許容幅を広げる」ことで生きることがぐっと楽になります。ヌーラボの代表 橋本もブログで同じことを話しています。
また、ヌーラボの行動指針「NUice Ways」には、「ちがうことは、すばらしい」「ひとりより、みんなで」というものがあります。ヌーラボは幸運にも、自分と異なるバックグラウンドや価値観に触れる機会が多いのですが、相互に尊重し影響を与え合いながら、チームのコラボレーションを強固にしていっています。
プレゼンテーション資料はこちらにアップロードしましたので、興味がある方は見ていただければと思います。
たくさんの感想や質問をいただきました
プレゼンテーションをお聞きいただいた受講生のみなさまから、感想や質問をたくさん挙げていただきました。感想の中には「私も東京で働きたいと思っているので勇気をもらえた」「切り札をたくさん持っておきたいと思った」といった嬉しい声もありました。また、ご自身の状況を重ね、共感すると言ってくださった方もいらっしゃいました。
「聞いてみたいこと」では、転職時の心構えや、「多様性とわがままの違いをどう考えるべきか」「どうしても許容できない人との関わり方は」などについて尋ねられ、私の考えをお答えしました。
また、「プレゼンテーションが苦手で、何をアピールすればいいか分からない」というご質問には、「自己開示の際には、なるべく自分の弱いところ、苦手なことを伝えると良い。いろんな人が助けてくれるし、心を開いてくれる」というお話しもしました。また、自分に対して「上手に話さないといけない」と高いハードルを課さずに、できるところまで努力をした上で、「完璧じゃないけどまぁよく頑張ったな」と自分を許容してあげると楽になるのでは、とここでも「許容範囲を広げよう」の話をしました。
ハッとするようなご質問や、回答を自分の中から探す過程で、多くの気づきがありました。受講してくださったみなさまにも、なんらかの気づきがあったならとても嬉しく思います。
改めて、福岡女子大学の平山先生、受講生のみなさま、ありがとうございました!