2018年4月27日にヌーラボ神保町オフィスで「Geeks Who Drink みんな苦労している!? エンジニア自身が語る、採用の”イマココ”」を開催しました。エウレカ、スタディスト、ヌーラボ3社のエンジニア採用の担当者が登壇し、施策や採用プロセスなどを赤裸々に語りました。
当日の模様は「イベントレポート枠」で参加した@mana_catさんが自身のブログでまとめてくださいました。本記事はmana_catさんの許可をいただいてブログを編集・転載したものとなります。
登壇者と同じく、エンジニアリングと採用を兼務しているmana_catさんならではの視点でまとまられた、示唆に富んだレポートをさっそくご覧ください!
1.ヌーラボ 馬場保幸さん
トップバッターはヌーラボの馬場さん。馬場さんはテックリードの凄腕エンジニアでありながらも、国内(福岡、東京、京都)の採用に携わっているとのこと!
採用のやりかた移り変わり
ヌーラボさんの採用は、ここ2年でやり方を大きく変えてきたそうです。 2004年から2016年頃までは、創業メンバーの一人が人事を担当し、プロダクト開発と並行して採用活動を行っていたそう。 当時は良い人が居れば採用するスタンスを取っていて、 目標やスキルは特に決めていたわけでは無く、「良い人」が居れば採用していたそうです。
2016年ぐらいから、バックオフィスのメンバーが入社し、「会社らしくなってきた」とのこと。人事担当であるAngelaさんも、2016年に入社したようです。
採用目標の明確化と社内の協力が成功に繋がった
そして2017年。プロダクトごとの採用目標を明確にし、採用を戦略的に行ってきたとのこと。
目標達成に繋がった要因としては、まず書類選考時に社内のエンジニアにも協力してもらうことで、一人の応募者に対して、多くの時間を掛けるようになったとのこと。
具体的には書類選考はお題を出して、それについてコードを書いてもらい、Backlogにコードをアップロードして、社内のエンジニアがレビュー。コードのレベルはもちろん必要ですが、コミュニケーションができるかを確認しているそうです。この書類選考が入社後にチームで問題無く働けるかを見極める大切なポイントになるとのこと。
応募者にとって「良い会社」であること
面接はヌーラボという会社を人事から説明し、会社のことをもっと知ってもらい、応募者にとって【良い会社】なのか判断してもらう。会社のことを包み隠さず話すことにより、お互いが不幸になるような採用が無いように配慮しているとのことです。
選考内容の改善は常に行う
面接中に質問する内容リストの作成や、面接内容の改善を継続した結果、社内のエンジニアが関わる選考もスムーズに進めるようになったとのこと。このように、丁寧な選考で内定承諾率は91パーセントになったそうです。馬場さんはこれまでの事を振り返って「応募者一人一人に時間を掛けていてよかった」と話していました。
選考の詳細についてはWantedlyにあるAngelaさんのブログで紹介されています。人事に関わる方、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
エンジニアによるエンジニア採用現場の実際:スタディスト 北野勝久さん
次は、マニュアル作成・共有プラットフォームの「Teachme Biz」でお馴染みのスタディストさんの発表。
どうすれば良いか分からないから自分が試しに転職活動してみた
北野さんは、自分自身が”普通”の転職活動をしたことないので、だったら「試しに転職活動をやってみた」と大胆な行動を取ったそう。もちろん、「今現在、転職する意志はない」と先に断りを入れて転職活動してみたそうですが、どこの会社も丁寧に対応して下さったとのこと。それは、今は採用に繋がらなくても、今後顧客になったり、将来的に転職する事になる可能性があるから、長期にわたって関係構築をし、今後のご縁を大事にしていることが分かりますね。
「魅力的な会社とは何か?」と常に考える
北野さんがそこで分かったのは、エンジニア採用はどこの会社も本気で、スーパーエンジニアがいきなり出てくる会社もあるようでした。まさに、エンジニアはモテ期の「売り手市場」です。普通の採用活動をしていても、売れっ子のエンジニアには響かないのだろうと思いました。この話には、さすがにグサグサ刺さりました・・・。
選考方法は「仲間として、一緒に問題解決できるか」を重視
候補者の事を知るために、自社のシステム構成図を書きながら、実際の悩みを伝えて解決策について議論をするそうです。「仲間としてコミュニケーションを取って問題解決できるか?」を見極めるそうです。「コミュニケーションが取れるか」は、ヌーラボさんと同じですね。
プロダクトを開発・提供する会社は、チームプレイが鍵となってきますので、「技術力+チームで問題解決するためのコミュニケーション」の能力も大事だと感じました。
会社紹介スライド作成のススメ
会社紹介、チーム紹介の資料を作っておくと、応募者から見たら会社がどんな所なのか理解されやすく、ミスマッチを防ぐことにも繋がるそうです。 例えば、「こんなミッションを持って仕事をしている」など、確認できるので面接時も双方話しやすくなるとのことでした。
そうなんです、会社がどう魅力的か。そこで働いているエンジニアがどんなに凄いのか。そして、提供しているサービス・プロダクトがどのように素晴らしいかアピールすること。売れっ子のエンジニアに振り向いてもらうには、自社の素晴らしさを情熱を持って語れることが大事ですね!
一番の魅力は、中で働く人が楽しいから、その楽しさが伝わって転職志望者が見付かることですね。積極的な採用も大事ですが、今そこで働いている人が仕事に満足していることで、転職者希望者が増える素晴らしい循環が生まれることが理想ですね。
トライアンドエラーで採用に対して真摯に向き合っている北野さんの活動をまとめたスライドはこちらをご覧下さい。
エウレカのエンジニア採用はAgile Recruitingだ!:エウレカ 梶原成親さん
最後の発表は、恋愛マッチングサービスPairs(ペアーズ)を運営する、エウレカのCTO 梶原さん。
まず梶原さんは、「Pairsは家族ができて子どもができる、とても社会性の高いサービス」と説明をされました。私は利用することはないですが、少子化が社会問題となっている現代では、Pairsのようなサービスは重要な役割を担っていると思います。
エンジニアが採用に関わるための仕組み作り
エウレカでは、「一緒に仕事ができて楽しい、フィーリングや感性も重要」と考え、採用はみんなで考える文化を構築しているとのこと。
具体的には、スカウトの文面はエンジニア自身が主体的に送付するそうです。その方がスカウトを受け取った相手にも刺さり、返信率も高くなるだろうと容易に想像できます。
また、カンバンを使って選考ステータスやタスクを可視化。リアルタイムな情報共有を行うことにより、エンジニアも採用に関われるよう工夫をしているとのことです。
採用したい人を明確化
JD(ジョブ・ディスクリプション)の作成、チームのありたい方向性を定義するなどして、採りたい人物像を明確化できるようにしているとのこと。
面談・面接をペアワークにし、誰かが懸念を示したら採用しないように配慮しているそうです。チームに合わない人を採ってしまうことは、双方にとっても申し訳ないと感じますよね。採用したい人を明確化することにより、そのようなミスマッチを防ぐことに繋がります。
Twitter転職やイベントの主催も積極的に活用
エウレカではTwitterで転職考えている人は積極的に絡んでいるとのこと。最近流行の「Twitter転職」を意識しているそうで、気になるエンジニアには早めにメンションを送るそうです。
エウレカさんとは関係無いですが、Twitter転職に成功して日々充実したツイートをされている「ひよこ大佐さん」のように、転職したいエンジニアは、畏れずにTwitterで宣言することで可能性が広がりそうですね。
また、イベントを主催してエンジニアを呼び込み、参加者がエウレカのことを知ってもらうきっかけを積極的に作っているとのこと。このように積極的に関わりを作っていくことも大事ですよね。
成果は数字で表れる
このように数々の施策を行った結果、「Wantedlyの応募数が4倍に増加」、「リファラル件数 (社員に人材を紹介・推薦してもらう)は14倍に増加」など、きちんと数字として結果が残ったそうです。エンジニア総出で採用に関わることにより、エンジニア採用が加速するようです。
当日の模様が梶原さんのブログとスライドで公開されているのでぜひご覧くださいね。
まとめ
以上、馬場さん、北野さん、梶原さんの素晴らしい発表は、学びが多くとても参考になりました。無料の勉強会なのに、とても質の高いインプットができたと思います。
エンジニア採用で大切にしている3つの共通点
スピーカー三名の共通点としては以下の3点になると思います。みんな真剣に、自社のことはもちろんですが応募者のことを考えていました。
- 自社のプロダクト・サービスが好きだ or 誇りを持っている
- 一緒に働いているエンジニア・メンバーが好き or 一緒に楽しく働いている
- 応募者の幸せを考えている
いま働いている人が会社を好きである事が、最も説得力がありますからね。愛社精神を持てるような内部の施策も大事だと思います。
また、応募者が内定し入社することで、応募者にとっても、そこで働くメンバーにとっても、会社にとっても、「誰にとっても幸せ」であることが理想ですよね。
個人的には以下がとても参考になりました。
- カンバン方式の情報共有
- 会社紹介スライドの作成
- ジョブ・ディスクリプションの作成
- 施策の結果を数値化
勉強会でインプットした内容を業務でも活かします!
懇親会では美味しいピザをいただきました。ごちそうさまでした。
次回のGeeks Who Drinkは5月24日@神保町です!
5月もGeeks Who Drinkのテーマは「Geeks Who Drink – 見方を変えれば宝の山?!技術系企業のPRのネタ探しを学び合う」です!参加の応募や登壇者の情報はConnpassのページからぜひチェックしてくださいね!
また、こういうイベントを開催してほしい!というご意見も、ヌーラボのTwitter(@nulabjp) かFacebookで受け付けております。