2018年6月22日にヌーラボ東京オフィスにて「Geeks Who Drink in Tokyo -Agile Edition-」を開催しました。リクルートジョブスやBacklogで導入されている開発手法の「アジャイル」について、各人各様の試みと、自社に最適な開発手法の見つけ方についてレポートします💡
タウンワークをドライブさせるためになんちゃってアジャイルをやめた話 (高橋 陽太郎)
最初に登壇したのは、株式会社リクルートジョブズの製品開発部隊 タウンワーク開発リーダー の高橋陽太郎さんです。
高橋さんはリクルートジョブスで、TDD、スクラム、Leanなどのプラクティスを使いながら、事業の目的達成のためのカイゼンを主導しています。 テスト自動化なども行い、企業へのSelenium導入のお手伝いをしています。
今回お話いただいたのは、2018年2月15日に開催されたDevelopers Summitでの発表内容でした。
求人情報を掲載している『タウンワーク』では開発手法として、スクラムを導入していました。
しかし、一部のチームでは形式的・儀式的にスクラムが行われてしまっており、本来の業務改善という目的を果たしていませんでした。そ「開発に着手してからリリースされるまでのリードタイムも伸びてしまう」という状況にも陥っており、早急に事態を改善する必要がありました。
そこで「リードタイムの短縮」を目的に、スクラムをやめて、タスクボードの利用からカンバン方式での開発に移行する選択をしました。
具体的には
- タウンワークユーザーの応募数を基準にしたKPIの改善
- チームの存在意義の見直し
- 企画からリリースまでは小さく速くを心がける
- 効率性を高めるためのスループットの増加
を取り組みました。その結果、リードタイムは無事に改善され、目的に対してチーム一丸となってプロジェクトを進められるようになりました。
高橋さんの発表内容の詳細はこちらの資料をご覧くださいね🙌
カンバンの運用ハマりどころと気にかけてること(ヌーラボ 中村知成)
次に登壇したのは、株式会社ヌーラボでBacklogのスクラムマスターを担当する中村(@ikikko)です。
中村はBacklogで導入しているカンバンの手法をベースにして、
- カンバンの基礎
- カンバンのはまりどころ
- ヌーラボでのカンバン
の3軸でお話ししました。
チームでカンバンを成功させるためには、WIP(Work in Progress:仕掛かり)制限が重要なキーワードです。中村はWIP制限をすることのメリットとして
- 1つ1つの作業を早く終わらせて、リードタイムを短くすることで手戻りを妨げられる
- 作業の流れが早くなり、無駄をあぶりやすく改善の機会も増える。
- クリティカルな問題と原因に早く気づける
ということを挙げました。
こうしたメリットを踏まえて、ヌーラボでは「チームの作業の見える化」を目的にWIP制限をしながら、カンバンで開発を進めています。
一般的には、カンバンにはホワイトボードとふせんが使われますが、ヌーラボの場合は拠点が離れているため、デジタルツールを活用してカンバンに取り組んでいます。具体的には、ホワイトボードとふせんの代わりにオンライン作図ツールのCacooを使い、ビデオ会議でチームとカンバンの更新をしています。
他方では「WIP制限は本当に有効なのか?」と懸念する声もありますが、中村は実際にカンバンを用いてWIPの制限をしたことで「WIPが少ないとよりアジャイルに近づきやすい」という感想を抱いたようです。
WIP をすることで、チーム内の対話やコラボレーションが発生しやすく、より良いサービス・プロダクト作りができるため顧客に価値を届けやすい、というメリットがあるそうです。
より詳しい内容はikikkoの資料をご覧くださいね🙌
7月もGeeks Who Drinkを開催します!
7月のGeeks Who Drinkは「Geeks Who Drink in Tokyo -IT Tools Edition-」です!様々な職種の業務の中で使われているITツールの種類や使い方をシェアして、業務効率をUPしよう!というテーマです。業務推進、人事、マーケターなどさまざまな職種の方が登壇予定です。
イベントに関する情報はヌーラボのコミュニティページかConnpassページで随時お知らせしますので、ぜひチェックしてくださいね!また、こういうイベントを開催してほしい!というご意見も、ヌーラボのTwitter(@nulabjp) で受け付けております👍