ヌーラバーはどうやってテレワークしているのか / How Nulabers Work From Home

ヌーラボのAngelaです。新型コロナウイルスが話題になってから、もう3ヶ月。「仕事のやり方」、お子さんのいるご家庭なんかは「生活スタイル」、「家事分担」などにも、この3ヶ月で思いっきり変化が出てきているかもしれません。

「アフターコロナ」という言葉も聞かれますが、「コロナがなくなる」という前提は正しいのでしょうか?また、変えてしまった働き方は完全に以前の働き方に戻るのでしょうか?最近は「ウィズコロナ」という言葉も出てきました。つまり、ウイルスがなくなった後のことを考えるのではなく、ウイルスとともに在る前提でどう適応していくか考える、という発想ですね。

このような状況の中、コラボレーションツールメーカーとして、ヌーラボの”働く”に関する現状についても、少しだけお伝えしておこうと思っております。ヌーラボの場合、もちろんツールの導入は進んでいましたが、100%の業務がオンライン完結できていたわけではありません。また、労務面などで急遽対応が迫られる事項もたくさんありました。

 

今日は、業務の進め方にフォーカスしてお伝えします。これからお伝えすることは正解ではありません。”ある企業のひとつのケース”としてご覧いただければと思います。

 

タスク管理編:職種問わず全てのタスクがBacklogに

もちろん自社ツールのBacklogを使っているのは当たり前なので、宣伝のようで恐縮ですが…。ポイントは、「全職種で活用していること」だと思います。例えばこんな業務もBacklogで完結しています。

お問い合わせ対応

サポートチームのお問い合わせ対応は、Backlogのメールで課題登録機能を活用し、管理されています。

 

人事労務課の給与計算で生じる定期タスク

毎月同じ業務が発生するため、Backlogの課題一括登録を活用し、モレやブレが無いよう対応しています。下記は登録している課題の一例です。ヌーラボの人事労務課は、労務が福岡本社、人事は東京事務所にいることもあり、業務の可視化・オンライン化はとっても重要な項目です。

  • 給与計算で毎月発生する業務
  • 定期的に発生する手当についての処理
  • 前月との差分が出る情報の確認
  • 月次の勤怠確定

 

手当などの社員からの申請処理

BacklogのWikiにGoogle Formのリンクが貼ってあり、そこから申請すると処理する部門の担当者にBacklogの課題となって通知が飛びます。Google FormからBacklogの課題への変換は、Google Apps Scriptを組んで、Formの入力内容をBacklogのメールで課題登録に飛ばして対応しています。

 

情シスへのアカウント発行依頼

アカウント発行は、誰にどこまで発行しているか記録があった方が安全でしょう。ヌーラボの場合は、Backlogの【種別】【カスタム項目】などを活用し、申請者が迷いなくできるだけ手入力少なく入力できるように、そして受け手が受け取る情報に過不足が無いよう選択式の内容になっています。

種別で細かく分類されています

 

種別ごとにさらに細かく設定されたカスタム属性で選択式の入力欄を設けています

 

雑談編:となりの人と話したこともオンラインへ

ヌーラボは、普段から拠点が複数離れていたこともあり、オンラインで会話することが定着していました。例えば、東京・京都・福岡の拠点別のトピックがあり、業務以外の連絡が頻繁に行われています。例えば、東京では暗黙ルールとして「食べ物のスタンプ3連打はランチに行こうの合図」なんかがあります笑

雑談をオンラインで行うと、すぐに追いきれなくなるのではないか?と思う方も多いと思います。ヌーラボがこのスタイルで進められているのは、

  • 情報、タスクをストックするBacklog
  • 情報が流れるフローの場所Typetalk

という明確な使い分けができているからだと考えます。重要なタスクやタスクの現在の担当者を把握したいときはBacklogを追えば良いと思えるので、Typetalkの情報は、最悪追いきれなくなってしまっても大丈夫という安心感があります🙆‍♀️

また、業務の会話については、隣の人と話した内容もあえて後から検索できるようにオンラインに残します。「さっき話したXXの件ですが、XXしましょう」というような感じで。そうしないと、その日テレワークだった人、その日休みだった人に共有が難しくなりますよね。この習慣によって、急にお休みをもらっても、後から追いつけるので安心です。

 

会議編:議事録文化とオンラインミーティング

会議は議事録があるものがほとんど

ヌーラボの良いところは、

  • 各ミーティングが何のために設定されているか明確
  • 事前に会議で話すべきことが決まっている/議事録が固定の場所に用意されていることが多い

こんなところです。議事録は主に、Google DocsもしくはBacklogのWikiに記録されていることが多く、後からの振り返りも楽です。

採用に関するミーティングの議事録はBacklogのWikiで保存。ツリー形式で見ることができるのは便利。

 

議事録が共有されている上で、画面も共有

会議にはGoogle meetを用いています。議事録は事前にURL等で共有されることも多いのですが、一緒の場所を見たほうが効率的なので、議事録画面を共有しながらやっています。

 

全社総会編:Cacooでプレゼン資料を作成・共有

ヌーラボでは、日本の東京・京都・福岡の3拠点全員を集めて、Google meetを使って全社を中継しながら行う月次の全社ミーティングを行っています。その会議では、Cacooを使って資料の共有を行います。

プレゼン資料をCacooにするメリットは、下記です。

  • 複数の出席者が同時に資料を更新できる
  • 誰がどのページを見ているか、どこにカーソルを合わせているかわかる(ワイワイ感の醸成)

以前から全社総会については、3拠点遠隔で行っていたので、今もスムーズに実施できています。また、全社総会は欠席者が振り返りできるよう、有志が動画として録画してくれています(大感謝)。

ニューヨークチームが打ち合わせしている様子。日本の全社総会もこんな感じ。

全社総会以外だけでなく、チームの振り返りや目標設定のミーティングでもCacooは使われます。付箋を使うようなワークが画面上でできるので、いつもホワイトボードを使っていたようなチームは、是非Cacooを使ってみて欲しいですね。Cacooを開発しているチーム自身の使い方も是非チェックしてみてください。

リモートふりかえり会をCacooを使ってファン・ダン・ラーン(Fun/Done/Learn)でやってみました!

 

新型コロナウイルスの影響を受けて変化したこと:電話対応

オフィスにいかなければできないことの代表格。それが「電話を受ける」ことではないでしょうか。もともと電話を使った業務は多いわけではありませんが、なくすことはできません。そのため、下記のような対策を実施しました。

  • 受信:外部業者に委託し、受電内容をBacklogに課題登録してもらう業務フローを構築
  • 発信:法人向けのIP電話アプリを導入し、各個人のスマートフォンから電話できるようにシステムを導入

ここに関しては社内の多くの人が動いたおかげで実現できました。担当のみなさんお疲れ様でした😭

 

支えているのは文化

ここまでいろいろなヌーラボの「How」の部分をお伝えしてきましたが、そもそもリモートしやすい会社の風土というものがあると考えています。

個人的な意見ですが、「リモートしやすい会社」と「有給休暇が取得しやすい会社」の間には、共通するものがあるのではないでしょうか?

  • 会社にいたほうが有利に進む業務がない
  • 全員その場にいないとできない業務を作らない
  • 労働集約的な業務が少ない

今回の緊急事態宣言を受けて、無理やりにでもリモートの環境に移行した人はある意味チャンスです。この「いつも回覧していた資料をアップロードするのめんどくさい」とか「声をかければ1分で済むことをタイピングするのだるい」という気持ちを持ちつつもやらなければなりません。
この気持ち悪さを乗り越えたら、風土になると思います。

 

大切にしたいのは多様性。多様性とは選択肢。

多様性、多様性。最近よく聞くようになりましたが、よく言われているのは「表層的な多様性」の話であって、国籍や性別についてのトピックをさしていることが多いと思います。

文化の話に加えて、お伝えしておきたいのは、ヌーラボが制度づくりなどを進める際に重要視している考え方です。根底にあるのは、「選択肢を増やすことで多様性を担保する」ということです。選択肢が増えれば、許される行動が増えます。

例えば、フレックスタイム制もその一つです。”9時17時”と呼ばれる働き方をしていて、そこにテレワークが入ってきてしまうと、お子さんのお迎えにいくために早く抜けることが「早退」にあたってしまい、場合によっては本人は後ろめたい気持ちを持ってしまうかもしれない。しかし、フレックスだと早退という概念はなくなるのです。

今回の新型コロナウイルスの流行を受けて、特に人事労務などが会社として実施していることは「状況に合わせた選択肢を増やす仕事」だと考えます。

 

ヌーラボはこれからどうする?

Fun.Creative.Collaboration.

新型コロナウイルスの件を経て、オフィスを解約しはじめた企業もちらほら見られるようになってきました。我々も、企業の成長とともにオフィスを拡張することは現実的ではないと考えています。そのため、長期的には労務面、情報管理、業務改善などの側面から、【完全リモート】にするわけではなくとも、それを前提とした設計を行うことは避けられないと考えています。さらにその上でオフィスの活用方法も再定義し、最適なワークスタイルを模索しようと考えています。

特に労務面は、労務管理にまつわる日本の法律などがリモートを前提として作られているものではないため、簡単に対応できないものもあります。新型コロナウイルスの影響もあり、法律そのものが見直されてくることも期待しています。

詳しくは2020年4月20日発表のプレスリリースもご覧ください:https://nulab.com/ja/press-release/pr-2004-telework-support/

 

それではみなさま、今日も楽しいコラボレーションワークを。

次回はチャットコミュニケーションのノウハウを共有したいと思います。

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