2017年8月25日にヌーラボ東京オフィスにて「Geeks Who Drink in Tokyo-Agile Team Edition-」を開催しました!「アジャイルな組織作り」をテーマに、自分たちのチームにとって最適な開発手法とは一体何か?という問いに対して各自の取り組みや意見を述べ合いました。Backlogのチームビルディングの改革に関する発表から、 アジャイルや モブプログラミング を題材にした飛び入りLTまで、大変盛り上がったイベントをスライドと共に振り返ります。
現場リーダーが変わっていくなかで身につけたもの
最初に登壇したのは、弊社のスクラムマスター兼ビルドエンジニアの中村知成(@ikikko)。現在はBacklogチームのリーダーとしてチームビルディングを行なっていますが、2、3年前までは現場のエンジニアでした。組織改正に伴いリーダーに任命されたことで、チームの成長を手助けする立場と一転しました。変化がめまぐるしい環境でどのようにBacklogの開発スタイルを設計して、質を保ちながらチームに展開したのか、自身の経験を踏まえてお話ししました。
中村はBacklogのチームビルディングや開発手法を語る上で、「認識する力」「伝える力」、そして「全般的な心構え」をキーワードとして挙げました。
「認識する力」では、チームビルディングの基礎作りとして、先人の知恵を借りることの重要性を説きました。具体的には、リーンキャンバスやインセプションデッキなどのテンプレートやフレームワークを用いて、チームの課題や足りていないものを整理するということです。「伝える力」では、チームのモチベーションを維持するために、リーダーが取るべきコミュニケーションテクニックを説明しました。
最後の「全般的な心構え」では、チームが間違った方向で開発を進めないように、リーダーはプロジェクトの途中で成果や方向性を適宜チェックすることが重要であると述べました。加えて「思いつきドリブン」でメンバーを振り回さないように、手段ではなく根本の課題にフォーカスする大切さ語りました。
詳細については、以下のスライドをご覧ください。
現場リーダーが変わっていった姿を見ていた現場コーチの話
続いて登壇したのは、「正しいものを正しくつくる現場を増やす」をコンセプトに、組織や開発の現場のコーチングを行う株式会社ギルドワークスの中村洋(なかむら よう)さん。18社34チームのコーチング経験を通して、開発現場におけるコーチングとは一体何か?について説明し、実際に行ってきた手法や現場を変えるための心構えについて共有しました。
コーチングとは、チームメンバーの心構えや習慣を改善し、アジャイルやウォーターフォールなどの開発プロセスを指導します。洋さんはチームへの現場コーチングの関わり方を「守破離」を用いて説明しました。守破離とはその名のとおり、師匠から伝授されて型を守り、その型を破り、最後には自分流の型を見つけるという一連の流れです。
洋さんは、守破離の「守」の部分では、実験して小さく失敗することをとにかく教えることを重要にするそうです。そのための方法として、カンバンやインセプションデッキを活用して、各自の仕事の見える化に着手しています。因果関係図やメトリクスも併用することで、より各自が型を意識しながら仕事に取り組めるそうです。「破」では、守で得た知見を他のチームや組織にも広めるために、プロダクトや事業設計の部分からも共同で作業していくそうです。
詳細はぜひスライドをぜひご覧ください!
-kotifalsehua
各社で取り組む アジャイル や モブプログラミング の事例を共有
発表後の飛び入りLTは、何と4人から事前応募がありました!各自が取り組んでいるモブプログラミングやアジャイルの導入事例を踏まえながら「自己成長をするチームを作るための」の多様な考えが共有されました。
飛び入りLT1「始めて失敗して諦めてしまう前に立ち止まって考えてみてほしいこと #GWD_Nulab」(@TAKAKING_22)
飛び入りLTトップバッターは楽天でアジャイルチームを推進する及部敬雄さんにお話しいただきました。及部さんの所属するチームでは、モブプログラミングやアジャイルを取り入れていますが、アジャイルを導入した当初は上司やメンバーからなかなか理解されずに悔しい思いをしたことがあったそうです。さまざまな失敗を経験して、そこから学んだ「失敗を学びに昇華させる方法と心構え」について、お話しいただきました。
飛び入りLT2「モブプログラミング Before/After」(@toyochi)
続いて、登壇した外山雄一さんは「モブプログラミングBefore/After」というテーマで自社のチームでモブプログラミングを導入した事例を共有しました。ウォーターフォールをベースにアジャイルの要素を取り入れた開発スタイルから、モブプログラミングに移行したことで、チームに主体性が生まれ、プロジェクトや開発の進め方に対して各自が自然と創意工夫をするようになったそうです。
飛び入りLT3「スクラム開発チームの立ち上げでアンチパターンを踏みまくった話(@yuzutas0)」
@yuzutas0さんは、スクラム開発チームの立ち上げの失敗経験から学んだ教訓を共有しました。自身の失敗談を4つに分けて、各段階ごとでどのような失敗が起きたのかを細かく分析して説明しました。完璧なチームはなく、どんなチームでも問題が抱えているはずで「重要なのは、その問題ひとつひとつと向き合う健全なチーム運営」と失敗を学びに活かすチームをつくるための心構えで発表を締めくくりました。
飛び入りLT4「フロリダより愛を込めて」(@hageyahhoo)
飛び入りLTのトリを飾ったのは、伊藤宏幸さん。「フロリダより愛を込めて」というテーマで、フロリダ州オーランドで開催されたAgile2017の参加レポートをお話しいただきました。世界の最新のアジャイル事情、テスト自動化・メトリクス・モブプログラミング・Spotifyの事例など、USのIT企業が実践する最先端の開発事情をご説明いただきました!(余談ですが、伊藤さんはこの日Yah◯◯!Japanが最終出社日だったそうです!)
懇親会では、登壇者と来場者の間でアジャイルに関する悩みについて話し合ったり、成功事例を共有したりしました!来場者のなかには、アジャイルをチームに導入しようと検討している方も多数いたため、今回のGeeks Who Drinkがそれを後押しする場となっていたら幸いです。
当日のイベント模様を写真にてお届けします!
当日出席できなかった方は、イベントの模様をFacebookLIVEにて配信していますので、ぜひご覧ください。
9月もGeeks Who Drinkを開催します。イベントに関する情報はヌーラボのコミュニティページで随時お知らせしますので、ぜひチェックしてくださいね!また、こういうイベントを開催してほしい!というご意見も、ヌーラボのTwitter(@nulabjp) か Facebookで受け付けております♪