こんにちは。社内で流しのファシリテーターもやっている中村です。私がメインで携わっているのはBacklogチームですが、時々Typetalkなど他チームのワークショップにヘルプで入ることがあります。今日は、ここ半年間(2017年後半)でファシリテーションした、ワークショップの設計内容とファシリテートのコツを紹介したいと思います。
リモートワークにおけるワークショップの意義
以前の記事の通り、ヌーラボではリモートワーク(分散拠点)を採用しています。採用活動という面では非常に有効なのですが、遠く離れた拠点にいるメンバー同士では、対面で話すのと比べてどうしてもコミュニケーションが大変です。
そこで、時期を見てオフラインで顔を合わせるというのもやっています。全社的には社員総会という形式で集まる機会がありますし、もう少し小さい単位では各プロダクトごとに集まることもあります。このとき単に「はい、集まって話しましょう」だけだと効率的に進められないので、集中して話せるように設計やファシリテートに工夫がいります。
こういったワークショップの設計・ファシリテートは通常業務とは違ったスキルが要求されますし、第3者が入ったほうが当事者はワークショップ自体に注力できます。こういう背景から、何回かワークショップのお手伝いをしました。
やってきたワークショップ
Backlog
目的 |
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人数 | 30名前後 |
期間 | 2日半 |
やったこと |
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なお、何か呼び名があった方が言いやすいということで、このワークショップを“Backlog Gathering”と名付けています。元ネタはRegional Scrum Gathering Tokyoですね。
Typetalk
目的 |
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人数 | 7名 |
期間 | 1日半 |
やったこと |
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Nulab Apps
目的 |
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人数 | 6名 |
期間 | 1日半 |
やったこと |
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ワークショップ時に心がけていること
最後に、ワークショップ開催時に心がけていることをいくつか紹介します。
目的・テーマを設定する
「普段リモートで作業してて話しづらいので、単に集まってすぐ話せる状態にする」というだけでも効果はあるのですが、目的を設定してワークショップに望むとより効果が高くなります。ワークショップを設計するときは、まず前段階としてワークショップの目的を参加者側のリーダークラスに聞いてみましょう。
その際、「ワークショップの目的は何?」と漠然と聞いてもなかなかイメージしづらいので、「最近困っていることは何ですか?」や「プロダクトマネジメントトライアングルに照らし合わせると、開発者・ユーザー・ビジネスのどれを重点的に考えたいですか?」など、いくつか切り口を出して話しながら進めるといいでしょう。
アナログツールを多く扱う
せっかくオフラインで集まってるのですから、物理的に扱えるアナログツールを多く使うのがいいでしょう。パソコンを使うときと違った作業をすることにより脳が活性化され、アイデアが浮かびやすくなります。ついついチャットなどを見ちゃって集中できないこともなくなります。
ツールといっても、大したものではありません。付箋(もちろん強粘着)やペン、ホワイトボードといった定番はもちろんですね。人数が多く複数のグループができそうな場合はイーゼルパッドを用意しておいて、各グループのテーブルに置いておくのもオススメです。下記で紹介しますが、ドット投票で使う丸シールも忘れずに。
ファシリテーターをやる機会が多い人は、付箋やペン・ホワイトボードなどは持ち運びセットとして常備しておくと、いざという時にさっと出せて気が利いてると思われますよ。
ドット投票、いいよ
ドット投票とは、1人数票を意味する丸シールを持って、自分がいいと思ったものにシールを貼っていく手法です。意思決定者に重みをつける場合、その人は票を2倍にするという派生パターンもあります。
ドット投票には、以下の特長があります。
- 口を開いて発言するのが苦手な人でも、意思表明しやすい
- みんなの意見が短時間で見える化されて、決定する方も判断しやすく、参加者も納得感を得られやすい
ワークショップでは、盛り上がってくると時間を忘れて話に没頭し、決定までもっていく時間が十分になかったということはよくあります。全部の項目を詳細に話す時間はないことが多いため、まずはドット投票でざっくりとどこを重点的に話すのがよいかを見える化して、そこから詳細に入っていくのがよいでしょう。
上で紹介したワークショップでも、丸シールを貼ってドット投票をフル活用しているのが分かると思います。
ヌーラボでは、ワークショップに限らずチームを支える人を募集しています。興味がある方は、話を聞いて考える、でも良いので、ぜひ応募してみてください。