ヌーラボのサービス開発部SRE課Platform Engineeringチームに所属するiwaです。ヌーラボのサービス開発をより迅速・快適に行い、顧客へ価値を届けるための基盤作りに奔走しています。
2024年3月に20周年を迎えたヌーラボは、福岡本社に集まってGeneral Meetingという国内の従業員が一堂に会するイベントを行いました。そんな対面で話す機会も後押しとなってPlatform Engineeringチームを増強、メンバーを新たにスタートを切ることになりました。
今回は、現在のヌーラボのPlatform Engineeringチームがどのような活動をしているのか、直近の課題やロードマップに組み込んでいる計画など、ありのままをお伝えします。
目次
ヌーラボのPlatform Engineeringチームの歴史
これまでは、主力サービスのプロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」を対象にBacklog Platform Engineeringチームとして活動していました。
Backlog Platform Engineeringチームが発足された時点では、Backlogにおける技術的負債が多く、それらを返済することが最優先のミッションでした。数年改善を重ねてきて、ヌーラボのプロダクト全体に提供するプラットフォームとして標準化を進められる段階に至ったと判断しました。
そこで、Backlog Platform Engineeringチームの取り組みをBacklog以外のプロダクトに適用するチームの検討を開始し、マネージャーと議論を重ねました。
その結果、メンバーを増強した上でプロダクトに依存しない横断的なPlatform Engineeringチームが組成されることになりました。
これまでの取り組み
これまでは、特にBacklogのコンテナプラットフォームのPlatform SREとして信頼性を高めつつ、ドキュメント化や自動化による運用負荷の軽減を主眼とした活動をしました。
また、コンテナプラットフォームの利用を促進するために、以下のような活動をしました。
- Backlogの主要なアプリケーションのコンテナ化の支援
- 新機能開発のプロジェクトにEmbedded SREとして参加してアーキテクチャレビューやインフラストラクチャの構築
2024年5月から全社へ拡大
ヌーラボのプロダクト全体に向けた標準化のため、再スタートしたのがPlatform Engineeringチームです。
ヌーラボでは、組織の拡大に伴ってプロダクト開発を進める際に知らなければいけないことが肥大化してきました。その中には、サービスの運用では重要であるがユーザーへの価値提供には本質的でない部分(例えば、監視やCI/CDといったプラクティスの実践)も含まれ、開発スピードを鈍化させていました。
私たちはそういった本質的でない部分を標準化し、プラットフォームやドキュメントとして提供することで、より開発者が価値創造に注力しやすいようサポートしていく予定です。
特にユーザー影響が大きく技術構成も近い「Backlog」と「ヌーラボアカウント」から着手し、少しずつ成功体験を重ねて活動の範囲を広げていきます。
新たに集結したメンバー
今回は人員強化のために社内異動も含めて新たに3名、合計4名(+マネージャー)の新体制で発足しました。
@iwa3 |
新卒で入社した会社でフロントエンドエンジニアを主としつつ、フルスタックに開発を経験。 2018年にヌーラボに入社した後は、インフラ周りの経験を活かしてSREに。 |
@masaya-hirota |
インフラエンジニアとして低レイヤーからインフラ設計構築等を経験。本格的なSREの経験は前職のスキルシェアサイト運営企業にて2018年頃からスタート。 |
@junjitakakura |
バックエンドエンジニアとして2019年にヌーラボへ入社。2024年5月までBacklogと外部サービスをAPI連携するインテグレーション開発を担当。 インフラ周りの経験はあったもののSREの専任担当は今回が初めて。 |
@murank |
前職は大手SIerのSE職としてExcelと向き合う日々の中、個人開発でプログラミングスキルを磨く。2018年からヌーラボに入社し、ヌーラボアカウント周りのバックエンドを担当。インフラ関連の経験も個人開発が主で、今回からSREを初めて担当。 |
Platformチームが大切にしていること
重点的に取り組むコア課題
- Nulab Apps* の運用負荷軽減
- Monitoring Platform
- CI/CD Platform
*ヌーラボの提供する「Backlog」や「Cacoo」「Nulab Pass」の基盤となる部分。契約情報管理やアカウント関連もこのチームが担っています。
自己開示と相互理解ができる風土
チームの発足に合わせてギャザリングを行いました。チームメンバー全員が本社のある福岡に集まり、3日間かけて以下のことを行いました。
- チームビルディング
- 目標の確認
- ロードマップの整理
チーム発足前からチーム内で認識齟齬が起きないよう丁寧に対話を重ねたこともあり、今後の方向性に大きなずれはありませんでした。そんな方向性・目標をしっかり共有できているチームでも、オフラインで集まり「自己開示」と「相互理解」のプロセスを経て、「遠慮」の排除ができたことは非常に良い経験となりました。
また、プロダクト開発を取り巻く状況をキャッチアップするためには、さまざまなステークホルダーとの信頼関係が不可欠です。
まずは自チーム、そして私たちの仕事によって影響がある他のチームにも信頼してもらえるよう、社内への情報発信や連携方法には配慮していきたいと考えています。
チームミッションへの自信
私たちは、「Platform Engineeringチームが取り組みたいことを本当に実現できたら、確実に開発組織・会社が良くなる」という自信を持って仕事をしています。また、同じ課題感を共有しながら仕事を進めることが大切と考えます。
しかしながら、私たちが取り組みたいことを実施するだけでは、開発組織全体の生産性は向上しません。開発者が何に困っているのか、不満を持っているのか、しっかり耳を傾けて改善を進めることが最も大事です。
そこで、ロードマップは直近1年の範囲に収めています。これにより、開発者の要望を受けて柔軟な更新ができるよう設計しています。
個人のキャリアへのプラス
難易度の高い業務だからこそ、個人の成長が得られたり、キャリアにプラスの影響がなければ意味がありません。
Platform Engineeringの実践では、ユーザーへの価値提供を見据えた開発生産性の向上が特に重要となります。開発生産性というテーマを考える際は、サービスを提供するにおいて重要なプロセスを多く経験します。プラクティスを導入するという簡単な話に帰結するものではありません。
その実践で得られるものは多く、キャリアへプラスに働くと考えます。
今後やっていきたいこと
ヌーラボのPlatformチームの活動を発信
積極的に私たちの活動を発信していきたいと考えています。
また、福岡にもSREに従事する人が増えてきているので、コミュニティを立ち上げたいと考えています。福岡のSREsの皆さん、ぜひよろしくお願いします!
気づかないうちに開発が楽になっている
開発に従事しているみんなが気づかないところで、なんとなく「最近開発が楽になった」と感じてもらえることが、私たちの目指しているゴールです。
一緒に働きませんか?
ヌーラボでは、新たにプラットフォームスペシャリストとしてチームに加わってくれるメンバーを募集しています。
こんな人が向いている環境です
- サービスの成長に向けて自分たちができることを考えられる人
- 抽象的な課題に向き合い、チームで課題を解決することが好きな人
- 開発者の開発を支援する仕組みを作ることが好きな人
- ねばり強く課題に取り組める人
気軽にカジュアル面談からお申し込みください!