「140字に心を込める」プロセスを高校生に授業した話 #ヌーラボのリゾートワーク

今日もチームコラボレーションしてますか!ヌーラボのテクニカルライターmiholabです。2018年12月10日から3日間、ヌーラボのリゾートワーク制度を使って宮古島で「高校生に授業+リゾートワーク」をしてきました。

本記事では、宮古島の伊良部高校で実施した「宮古島の魅力を140字で伝えよう!」の授業内容とリゾートワークの感想をレポートします!

ヌーラボのリゾートワークとは?

リゾートでパソコンを打ち込んでいる女性のイメージ図リゾートワークのイメージ図

ヌーラボのリゾートワーク制度はざっくりと以下のような内容です。

「リゾートワーク制度」は、宮古島からリモート環境で通常業務などに従事する「リゾートワーク」を希望する社員を社内公募し、選抜された社員(およびその家族)の旅費などの一部をヌーラボが負担する内容です。
参照元:「
ヌーラボ、「リゾートワーク制度」を始動–社員の宮古島におけるリモート就業を支援する社内制度

一般的なリゾートワークとの違いは「現地の学校で授業をすること」でしょうか。

「リゾートワーク」と聞くと、上の写真のように海辺でトロピカルジュースを飲みながらパソコンをかちゃかちゃするイメージを持つと思います。しかし、「ヌーラボのリゾートワーク」は海辺で仕事をすることがメインではなく、宮古島市内の学校で授業をするところに特長があります。

なぜ授業をするのか?

なぜ授業?という疑問に対するヌーラボの答えは「社員の越境学習の体験」にあります。

大人になると職場と家の往復や人間関係もワンパターン化しがちです。自発的に動かない限り“当たり前”の環境から抜け出すことが難しくなります。

そこでヌーラボが考えたのは「いつもなら接しない、事前知識もまったく異なる小学生~高校生と接し、自分の仕事を説明して、会社の事業を説明することで、”当たり前”を壊し、新たな気づきを得る機会もセットで提供できるのでは?」という仮説でした。

そしてその仮説を立証するために生まれたのが「宮古島でのリゾートワーク+授業体験」でした。

学校の受け入れが決まるまでのプロセス

これはありがたい制度だ!ということで、2018年6月に始まった募集に早速応募してみたところ見事に選抜いただきました(ちなみに応募条件は400字ほどで思い入れ+授業の内容をアピールするというもの)。

やったー!という喜びもつかの間、8月には伊良部高校での受け入れが決まり、12月に授業をすることになりました。

人前で発表することはこれまで何度かありましたが、先生として授業を任されるなんて、28年生きてきて初めての体験です。とても貴重な機会に感謝しつつも、数ヶ月先の授業にすでに緊張していました(笑)。

授業のテーマは「宮古島の魅力を140字で伝えよう!」

伊良部高校での授業「宮古島の魅力を140字で伝えよう」伊良部高校での授業「宮古島の魅力を140字で伝えよう」

そんなこんなであっという間に伊良部高校での授業当日になりました。授業のテーマは「宮古島の魅力を140字で形にして発信しよう」にしました。

色々悩んだ結果、自分が日頃からやっていることじゃないと人に教えられないな、と思ったので毎日の業務で行なっている「考えて」「形にして」「発信する」のプロセスを学生さんたちに伝えようと思ったんです。

授業の構成は大きく3つに分けました。

  1. 考える
  2. 形にする
  3. 発信する

これは、私が記事を作るときのプロセスです。場合によっては1の「考える」と2の「形にする」のあいだに「調べる」が入ることもあります。

このプロセスを伊良部高校の24人の高校生に試してもらうために、以下の3つの道具を用意しました。

授業の最終的なゴールは「考えたアイデアをTwitterで発信する」にしました。

最後に発表するよ!と事前に決めておくことで、良い加減なものは作れないな、という緊張感が生まれますし、何より自分たちがゼロから考えたものが形になって世間にお披露目される、という体験をしてもらいたかったからです。

24名の学生を前にして緊張の面持ち24名の学生を前にして緊張の面持ち

チームで「考える」

1段階目の「考える」では、2人1組のペアを作ってもらい、宮古島の魅力に関するアイデアを議論しながらマインドマップを作ってもらいました。

ちなみにマインドマップとは、アイデアをひねり出したい時に便利な連想手法です。中心にコアとなる円を描き、そこから連想できるアイデアを円でつなげていき、考えを深掘りしたり分解したりするものです。

事前資料としてCacooにマインドマップの雛形を作成して、学生さんに「自分が考える宮古島の良いところ」を思いおもいに埋めてもらいました。


※下部の矢印ボタンを押すと学生さんが実際に作成したマインドマップを閲覧できます。

「考える」の裏テーマとして意識したのは「ひとと議論する」でした。

「一人の機知、万人の知恵」という格言があるように、一人で悶々と考えるよりも、他者との議論を通じて考えを掛け合わせることで飛躍したアイデアが生まれます。

このフェーズではアイデアをマインドマップで綺麗にまとめるのではなく、自分とは考えの違う相手と議論する、というある種の混沌とした環境下で、新しいアイデアを発掘する体験をしてもらうことが、真の狙いでした。

実際、学生のみなさんも議論しながらマインドマップにアイデアを埋めどんどん書き込んでいました。

「形にする」

2段階目はアイデアを「形にする」というもの。せっかく生まれたアイデアも形にしなければ始まりません。Google創業者のラリーペイジも「アイデアに価値はない」とバッサリ言っています(説得力増)。

ここでは、事前に用意した、以下のようなTwitterのワイヤーフレームの雛形を学生に配布しました。


※下部の矢印ボタンを押すと学生さんが実際に作成したマインドマップを閲覧できます。

ライターとデザイナーで役割分担

マインドマップに書き込んだアイデアをワイヤーフレームで形にするために「ライター」と「デザイナー」の2つの役割をチームで決めてもらいました。

そして、各々で異なる作業内容とやり方(テキストとイメージの作り方)を伝えました。

■ 各作業内容

  • ライターは140字以内でマインドマップに書いた宮古島の魅力を文章にします。
  • デザイナーは関連する画像を使って宮古島の魅力をビジュアルで伝えます。

また、このときにやってはいけないこと(著作権や誹謗中傷、差別的表現の有無など)も伝えておきました。

Cacooのワイヤーフレームに色々書き込む学生さんCacooのワイヤーフレームに色々書き込む学生さん

余談ですが、授業後に先生から「ちょうど国語の授業で相手を批判する発言について話すことがあったので、外部のひとから改めてこういうお話があって良かった」とお褒めの言葉をいただきました。

ソーシャルでの振るまい方やリテラシーってなかなか教えられる機会が少ないので、この場で話題に出して本当に良かったなぁ、と思いました。

「発信する」

3段階目の「発信する」では、生徒のみなさんに形にしたアイデアを発表してもらいました。

発表ではCacooを使って、各チームのライターさんには「テキストを考えるときに意識したこと」、デザイナーさんには「この画像を選んだ理由」を必ず盛り込むように意識しながら発表してもらいました。

ライターとデザイナーそれぞれで工夫したことを発表してもらいましたライターとデザイナーそれぞれで工夫したことを発表してもらいました

また、自分たちの制作物が実際に発信される瞬間を学生さんたちに見てもらいたかったので、発表している間に学生さんの最終成果物をヌーラボの公式アカウントにどんどん投稿しました。

以下の引用ツイートが学生が実際に考えた宮古島の魅力です。

みんな独自の視点で宮古島の魅力を140字で形にしており、チームごとに個性が出ていました。すべての成果物がとてもレベルが高くて驚きました!

発表後、「どのチームが一番宮古島の魅力を発しできていたか?」と質問して、挙手制で投票してもらいました。優勝者にはヌーラボのTシャツをプレゼントをしたところ、とても喜んでくれました!

伊良部高校3年生との写真伊良部高校3年生との写真

ヌーラボのリゾートワークを体験してみて

ご担当してくれた伊良部高校下地先生と。ありがとうございました!ご担当してくれた伊良部高校下地先生と。ありがとうございました!

初の授業はとても緊張しましたが、終わってみるととても良い経験だったと感じます。自分の仕事を噛み砕いて誰かに教えることの難しさはもちろん、ITツールをこれから自分の武器にしていく高校生に、ITを使った自分の仕事のプロセスを伝える、という新鮮な体験ができました。

授業以外のリゾートワークも程よ〜〜く楽しみました。「記事がまとまらない…もうだめだ…」と追い詰められたときに顔を上げると、、目の前に美しい海が広がっていて、心がとても軽くなりました。あと12月でも寒くないのが最高でした。

今回のリゾートワークは家族を連れて行っているヌーラバーが多かったので、私も父と母を連れて行きました。

授業が終わったあとに車で宮古島を観光したのですが、伊良部島の透き通った海から見えるサンゴ礁や、道端に咲いていた真っ赤なハイビスカスなど、12月の関東では見られない美しいものを両親とたくさん目にすることができました。

父と母と私の3人でシュノーケリングをしている写真父と母を無理やり誘ってシュノーケリングに。ウミガメが目の前に!

最後に

ヌーラボのリゾートワークの目的「“当たり前”を壊し、新たな気づきを得る機会」を実際に経験できて、本当によかったです。すばらしい機会を制度として提供してくれたヌーラボの懐の広さにも感謝の気持ちでいっぱいです。

2019年もリゾートワークをやるかも?とのことなので、懲りずに応募しようかな、と思いつつ、今回行けなかったヌーラバーにもこの体験をしてもらいたいな、という気持ちで揺れ動いてます。

何れにせよ、2019年のリゾートワークは、2018年よりもさらにグレードアップして、常識を覆すような社員制度になるのではないかと期待いっぱいです。


さて、2018年の #ヌーラボのリゾートワーク レポートはまだまだ続きます!次は「私、書きます!」と宣言していたAngela👀にバトンを渡します。

▼ヌーラボのリゾートワーク体験ブログはこちら
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