Backlog開発チームの藤田です。福岡民です。少し日が開いてしまいましたが、2020年1月に北海道上川郡の東川町でリゾートワークしてきたレポートを書きます。
東川町は旭川市の東側に接していて、北海道最高峰の大雪山旭岳を擁する、人口8千人くらいの小さな町です。
実は、妻の実家は東川町のすぐ隣の東神楽町で、2年おきぐらいに行ってるので全く馴染みのない土地ではありません。東川町内にある「キャンモア・スキービレッジ」のパウダースノーには家族で何度もお世話になっています。しかし東川町を街としてちゃんと味わったのは今回が初めてでした。とても良いところでまた行きたくなりました。
目次
北海道に到着
福岡から2時間半のフライトで新千歳空港についてみると、前もって妻の実家から聞いていたとおり例年に比べて雪がとても少なく、路面が見えていました。
冬の北海道でここまで雪がないのは初めてです。ただ、レンタカーで東川まで向かうので走りやすいのはラッキーでした。新千歳空港から旭川まで、約5時間のドライブを楽しみました。道央自動車道で直通なので便利です。
旭川に来たら旭川ラーメンは外せない、ということで「らーめんや天金」さんのラーメンが北海道最初の夕食でした。
これでもかというほど熱くて濃い醤油味のスープは寒い冬に食べるとたまらなく美味しいのです。
東川での仕事場所〜美しすぎる図書館
1泊目は東神楽の妻の実家に泊めてもらい、次の日に東川に向かいました。車で通勤15分、最高です。
それにしても雪がありません。例年なら除雪車が作る雪山で反対側の歩道が見えないのですが、遠くの店までよく見えます。
路面がうっすら見えてるところは氷なので車のタイヤがツルツル滑ります。慣れてなかったら危ないところでした。
そして今回の仕事場所、「東川町複合交流施設 せんとぴゅあ」。カッコいい建物です。
手前の建物「せんとぴゅあII」に入るとびっくりするほどオシャレな図書館でした。
いいなあ。東川いいなあ。中学から大学まで毎日のように図書館に通ってたので、あのころこんなのが近所にあったらさぞ快適だっただろうと羨ましくなりました。
しかし東川滞在中は僕もここに入り浸るのです。たっぷり使わせていただこうと思いました。
館内はまともに速度の出る無線LANがしっかり完備されていて、仕事するのになんの問題もありませんでした。
実際には写真の学習室では仕事せず、同時期に滞在していた同僚のアンヂェラと二人で所員用の会議室をご厚意で一日中使わせていただきました。セキュリティ的にも大変安心でした。ありがとうございます。(写真撮るの忘れた)
うちのチームはメンバーが福岡、東京、フランスに分かれていて日頃からネットワーク越しのコミュニケーションです。そのため僕がどこにいるかは作業効率にほとんど影響しません。
基本的には数日僕がいなくても優秀なチームメンバーがスケジュール通りに進めてくれるんですが、ちょっとプロジェクトが忙しい時期とかぶってしまったので、リゾート置いといてめちゃくちゃワークしました。リゾートは今度家族で行くときにします。
会議室も、後述の暮らし体験館も、本当に快適な仕事環境を作ることができて、とても捗りました。
日本人学校での特別授業
さてリゾートワークのメインコンテンツである出張授業です。前回の宮古島では中学生相手でしたが、今回は日本語学校の生徒さん相手ということで少し年齢が上がりました。仕事場所の会議室から歩いて渡れる隣の建物「せんとぴゅあI」に学校が入っているのでとても楽でした。
東川日本語学校は全国初の公立日本語学校で、100名くらいの生徒さん達が日本語を学んでいます。
ここでは選択式の特別授業という枠があって、生徒の皆さんは興味に従って自由に授業を取れるようになっています。僕の授業は15人ほどの方が選択してくれました。予め先方と話し合って予想していた通りの規模でよかったです。
お題はやっぱり僕の一番の関心事である「プロジェクトマネジメント」です。なんかいつも同じような話をしてる気がします。
生徒さんの日本語レベルはまちまちと聞いていたので、スライドは「やさしい日本語」を意識して、漢字にはルビをふり、文の構造をシンプルにし、変わった言い回しには英語を添えました。(ルビはちょっと面倒でしたが頑張りました)
まずプロジェクトとはなにか、プロジェクトマネジメントという研究成果がすでに世の中にあるので、ちょっとさわりだけご紹介しますよ、というところから入りました。
もしも東川町長がこんなことを言い出して、みなさんがPMに抜擢されたらどうする?という想定で考えてもらいながら進みます。
5人ずつのグループに分かれてもらい、話し合いながら進行しました。みなさん積極的にぽんぽん答えてくれて進めやすかったです。プロジェクトのステークホルダはぱっと思いつくよりずっと多いんだ、というのを実感してもらいました。
プロジェクトは最初が肝心だということを伝えたかったので、プロジェクト初期だけに絞ってお話しました。
目的を共有できてスコープが決まって、プロジェクトの計画をするとき、プロジェクトの進行度を計測する手段を決めておくことも大切です、というお話もしました。計測できなければ、現在プロジェクトが上手く行ってるのかどうかわかりませんからね。
話したことが少しでもどこかに残ってくれたらいいな、と思います。いつか、世界のどこかで何人かの人が「あの時プロジェクトマネジメントっていう言葉を聞いたなあ、ちょっとググってみよう」と思いだしてくれれば幸いです。
東川暮らし体験館
今回東川町に行くにあたり、「ひがしかわ株主制度」を利用しました。いわゆるふるさと納税です。返礼品の選択肢として「株主の旅 東川暮らし体験館」を選択していたのですが、案内された「東川暮らし体験館」が、驚きの豪華さでした。
もともと警察官の宿舎だった建物をリフォームしたそうで、ドアを開けるまでは昔ながらの団地っぽいたたずまいだなあと思っていました。
しかしドアを開けて中に入ってみてびっくりです。
「なんだこれ最高だ!」と声が出ました。こんないい部屋、自分一人じゃなく家族で滞在したかったです。公立学校で出張授業をするというリゾートワークの制度上、子供の学校が休みの時期には設定できないので仕方ないですが。
次の朝は起きてからチェックアウトの時間いっぱいまで、この素敵環境で仕事しました。幸せでした。(ワーカホリック的な感じではなく)
できるかぎり楽しんだ
一生懸命仕事はしましたが、働いた残りの時間はしっかり東川の街を楽しみました。
東川町の市街地は徒歩で回れるぐらいの範囲にギュッと密集していて、仕事場所の「せんとぴゅあ」はそのほぼ中心にあります。散策の拠点としてもパーフェクトでした。
行く前から東川はおしゃれなカフェがたくさんあると聞いていて楽しみにしていました。実際に行ってみて、北海道らしい古い石造りの建物の中にオーナーの道楽とこだわりが詰まったような気持ちのいいお店ばかりで嬉しかったです。
他にも美味しいもの食べてたのに、綺麗なお店にも行ったのに、写真撮ってなくて残念。
最後の夜には東川町役場の方と、ちょうどフィールドワークに訪れていた実践女子大学の松下慶太先生(2020年4月より関西大学社会学部の教授に着任)と、夕食をご一緒するなど大変良くしていただき、楽しい滞在になりました。
4泊5日の滞在はあっという間に過ぎてしまい、また新千歳空港までドライブして帰福しました。岩見沢のあたりで少し雪が降って大変でしたが頑張りました。
最後に
去年の宮古島、今年の東川と続けてリゾートワークに参加させてもらいました。東川町のまちづくりは非常に興味深く、明確なコンセプトを持ち、お役所とは思えないほどフラットな組織で運営されているあたりヌーラボと通じる部分も感じました。個人が思いついた施策は「とりあえずやってみる」でどんどん進めていくそうです。部長さんの口癖が「そんなんじゃ自治体職員みたいじゃないか」だとか。ロックですね。
あと、赤ちゃんが生まれた家には町長さんが東川製の赤ちゃん椅子を持ってプレゼントしに来るそうですよ。その様子を想像すると面白いです。
若い外国人のみなさんと交流でき、東川町役場の方々からも刺激をもらい、いい環境で仕事もできました。とても快適だったのでまた行きたいです。
※本ブログにある日本語学校での授業は、2020年1月に実施したものです。