エンジニア向け英語研修を思いついて実施して完走するまで

エンジニア向け英語研修を思いついて実施して完走するまで

(この記事はヌーラボブログリレー2025夏の1日目として投稿しています)

どうも!ヌーラボのEngineering Officeのkenshiroooです。

昨年2024年11月ごろ、ひょんなことからエンジニア向けの6ヶ月間の英語研修を提案し、実施して完走することができました。今回はその研修の発足経緯と、実施した結果についてお伝えしたいと思います。

英語研修の発足経緯

思いつき

まず私たちヌーラボが大切にする価値観の一つに「LOVE DIFFERENCES」があります。これは、あらゆる違いを尊重し、組織の力に変えていこうという考え方です。
ヌーラボは海外にも拠点を構えており、海外メンバーとの協業では英語が共通言語となるため、「言語の壁」は日々直面するリアルな課題となっています。

日々の外国語学習を支えるためにすべてのヌーラバーが活用できる語学学習補助制度はあるのですが、より業務での成果に直結する「短期間で集中的にスキルアップしたい」というニーズには、費用面で応えきれていない部分がありました。

この状況を解決するための、短期集中型の英語研修をザザーっと企画してみました。早速上司のCTOに相談すると、ちょうど予算を確保しやすいタイミングだったこともありスムーズに理解を得ることができました。

研修設計

そのあと具体的な研修の詳細を考えて関係部署の皆さんと協議すると、考慮すべきことが多数あることがわかりました。業者さんとの契約形態をどうするのか、学習者をどのように選ぶのか、学習をどのようにサポートするのかなどなどです。
関連部署に皆さんから一つ一つアドバイスをもらいつつ、運用するにあたって問題のない形にブラッシュアップしていきました。
その結果、後述する研修内容にまとまりました。

サービス提供業者の選定

次に、どの英語学習サービスと契約するかの選定を行いました。
多数のサービスがある中で各社それぞれ特徴があるので、費用・サービス内容・評価方法などの星取表を作り、当社のニーズと合致するサービスを提供してくれる業者さんを選定しました。
そもそもの社内ニーズの整理、提供業者さんへの問い合わせや評価など、ここでもエネルギーを使いました。

当時まとめた当社のニーズは以下のようなものです。

  • それなりの厳しさがあること
    • しっかりと成果を出すために、コンテンツが充実しているだけでなく頻繁に課題提出があるなどの厳しさがあるサービスであることを重視しました。
  • 学習者に向けた伴走が充実していること
    • 上記の通り6ヶ月にわたり集中的に学習に取り組むことと、学習支援をEngineering Officeで実施することが難しいという事情もあり、コーチングなどの学習サポートが手厚いことが必要でした。
  • 評価基準がCEFRに準拠していること
    • CTOからのアドバイスで、英語能力の測定基準としてCEFRに準拠していることが望ましいことがわかりました。そのため学習結果の確認に、CEFRに準拠したVERSANT(イギリスのPearson PLC社が提供している英語試験)などの試験受講を課しているサービスを選定しました。
  • 受講時の英語能力を問わないこと
    受講対象者には初学者から上級者まで幅広い層が受講することを想定していたため、各自の英語能力にあったサービスを個別に提供してくれることを重視しました。

費用も含めた上記のニーズを満たすサービスとして、90English様 / TORAIZ様の2社を選定しました。

そのあとに契約に必要な社内手続きなどを行い、結果として私を含めた11名が受講することとなり2025年1月から研修をスタートさせることができました!

CEFRとVERSANTスコアの相関図。10点から90点までのVERSANTスコアが、CEFRのどのランクに位置しているかを示している。CEFRとVERSANTの相関図

英語研修の概要

英語研修の要点は以下の通りです。

  • 2社から学習者が選択できる
    • 90EnglishまたはTORAIZのどちらを受講するかを、学習者が選べるようにしました。
    • どちらも違う特色のあるサービスであるため、学習者の好みに応じて選択できるようにしたかったためです。
  • 対象者
    • エンジニアの所属部署のリーダーに推薦してもらう形としました。
    • その方の英語能力向上がヌーラボにとってプラスになるか、時間を捻出できるか、本人にモチベーションがあるかなどを考慮して推薦してもらい、最終的にCTO判断で受講者を決定しました。
  • 学習時間・期間
    • 業務時間外に自主的に学習を進めることとしました。
    • 予算の都合などで、単発の6ヶ月間の研修期間としました。

時間が限られる中での募集となりましたが、最終的に11名が受講することとなりました。

結果発表!

記述の通り厳しさのあるサービスを選んだため、受講者にとってタフな6ヶ月間を過ごしました。
その結果、現在で受講が終了した方は、6ヶ月間でVERSANTのスコアが平均10点以上アップという結果が出ました!(90English受講生平均11.6点アップ、TORAIZ受講生:平均10点アップ)

VERSANTのスコアを伸ばすのに平均的にどの程度の時間がかかるのかは様々な議論があるのですが、Gemini大先生によると100~150時間とのことです。

フルタイムで働きつつ、家事に育児に忙しい中でこの成果が出たことは本当に嬉しく思っています。

予想外の成果

結果が出たことも良かったのですが、個人的に最も嬉しかったのは、学びの輪が広がったことです。
受講者のみなさんに向けた連絡のためにSlackチャンネルを作っていましたが、次第に受講者からのアウトプットが集まるようになりました。学習で得た新しい表現や英語の早口言葉、効果的な学習方法などが活発に共有されました。

slackのチャンネルのスクリーンショット。RとLの発音の違いを説明する画像を投稿している。slackチャンネルでRとLの違いを得意げに語るわたし。

私自身はこのチャンネルでの皆さんのアウトプットをみることが、「今日も英語頑張らねば!」というモチベーションになりました。
そんな中、チャンネル参加者のひとりが「このチャンネル、オープンにしませんか?」と提案してくれました。
チャンネルをオープンにしたことで、今回の研修に参加していない方も含めて多くの方が参加してくれました。社内のネイティブスピーカーも参加してくれるようになり、より質の高い情報交換が生まれています。
組織全体の英語学習に対する熱量を高めるきっかけになったことが、今回の取り組みの最大の成果だと感じています。

まとめ

形にまとめるまでの過程では、費用精算の方法や他部署との連携など、地味ながらも多くの苦労がありました。ただそれを乗り越えて完成した研修を通じて、みなさんの英語力向上に貢献できたことは本当に良かったです。
自分で提案したことを形にするまでの過程でも多くの学びがありました。

とはいえ本当の成功はこれからです。英語力向上や学習の輪が広がったことを、事業の成長に結びついて初めて「研修がうまく行った」と言えるはずです。
事業成長につながるかという視点を常に大事にしつつ、今回の経験を活かして「エンジニアの”やりたい”をブースとする!」というEngineering Officeのミッションを実現するための取り組みを今後も企画していきたいと思います!
この記事は研修を提案した人目線の話でしたが、具体的な受講体験記を @revさんが8月28日の公開記事で記載してくださいます。
そちらも合わせてぜひご覧くださいー!

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