ヌーラボのテレワーク制度を労務の視点からご紹介します #ヌーラバーブログリレー2021

ヌーラボの労務担当の新谷です。労務担当の私は一定程度、紙を扱う業務があるので、新型コロナウイルスが流行し始めるまで、テレワークを意識したことがほとんどありませんでした。それが突然のコロナ禍により働き方が一変。社内、社外のサポートを受けながらまとめたヌーラボのテレワーク制度をご紹介します。

テレワーク制度見直しのきっかけ

ヌーラボではもともと2019年2月に作ったテレワーク規程がありましたが、当時はテレワークの回数を週1回として運用していて、利用する人もほとんどいませんでした。

それが新型コロナウイルス流行の兆しが見え始めた2020年2月頃、「これから働き方が変わりそうだね。」という社内の声をうけて、テレワークの回数を見直すことから制度の再構築が始まりました。一次的にテレワークをしたとして、新型コロナウイルスの流行が収まった時、世の中の働き方はきっと変わっているだろう。それならこのタイミングで全面的にテレワークができる環境を整えようとスタートできたことは、この後の勤務地条件廃止や働き方の選択の自由、業務効率化などにもつながり正解だったと思います。

とはいえ、社内には次のような意見も一定数あることが分かりました。

・全員がリモートワークしたいわけじゃない。
・会社の方が仕事に集中できる。
・業務によっては出社した方が効率がいい。
・コミュニケーションが心配。

それを踏まえて、自宅でも会社でも仕事ができる制度を目指し、テレワーク制度の再構築を実施しました。今回は、その中でも8つのトピックについてご紹介します。

 

テレワーク制度再構築にむけた8つの取り組み

1.働くための適切な環境作りに関するガイドライン作成と作業環境調査

 部屋の広さ、照明、机や椅子、ディスプレイの角度・距離、セキュリティやWi-Fi環境など自宅での作業環境に関するガイドラインをまとめて社内で公開しています。
また社内の全員を対象に年1回、作業環境調査を実施しています。
ガイドラインに関する質問に作業環境の画像を添付してもらい、一人ひとりの働く環境を把握しています。転居者や新入社員は都度調査を行っています。

 

2.テレワークによる長時間労働対策

 テレワークの問題のひとつに長時間労働が発生しやすいということがあります。集中しすぎて気付けば時間が経っていたなんてこともしばしば。上長は社員の働き方を把握し、何かあれば早期に手当てができるようBacklogで見える化しています。

 

3.安全衛生への取り組み

 テレワーク制度導入後、安全衛生にも更に力を入れています。
例えば、入社時の安全衛生教育研修では、健康で安心して働けるように、健康診断の必要性や産業医の面接指導、残業時間が月45時間を超える社員への健康観察、ハラスメント相談窓口の紹介、衛生委員会の役割などの情報を共有しています。既存社員もいつでも閲覧できるように公開しています。
他にもメンタルヘルス研修やハラスメント研修、1on1研修などを実施しています。

 またヌーラボには、部活動の一つに「コーチング部」があり、コーチング部メンバーが希望者にキャリアに関する相談や日々のお困りごとなどをテーマにコーチングを実施をしています。コロナ禍においては、メンタルダウンなどの心配がある方も増える傾向にあると言われているため、コーチング部から労務や産業医への相談も選択肢として提示したり、面談につながるような取り組みも行われています。

ヌーラバーの笑顔が絶えないテレワークを目指し、ガイドライン、規程、制度などを見直ししました

 

4.フレックス制度の見直し

 テレワーク制度導入前からあったコアタイム付のフレックス制度を見直し、コアタイムを設けない代わりに22時~翌朝5時の就業を原則禁止とする制度に改定しました。
これはテレワーク制度がきっかけではなく、子育て中の社員など個々のライフスタイルや家庭事情に合わせたワークスタイルを実現するために2018年に見直しを行いました。

 

5.勤怠管理の見直し

 テレワークガイドラインに基づいて勤怠管理を見直しました。
勤怠管理システムに打刻された時間の整合性を取るためにPCログを取得し、勤怠とPCログに差分がある日の理由を確認しています。このブログを読む方の中には監視されているようで嫌だなと感じる方もいらっしゃると思いますが、前述の長時間労働対策や安全衛生への取り組みにもあるように、従業員が健康で安心して働けくためには必要なことだと考えています。勤怠とPCログに差分が発生すると、インハウスシステム課が開発したシステムからTypetalkに個別にお知らせが届くため、打刻漏れや差分理由の報告漏れに随時対応できます。

 

6.規程改廃

 テレワーク制度を導入する為には就業規則や労使協定の見直しも必要になります。
これは社会保険労務士や産業医と何度もミーティングを繰り返して改定しました。

 

7コミュニケーション施策

 テレワークでコミュニケーションが減り「業務上の相談がしづらく、悩みを抱えたままでいる」「誰ともしゃべらず仕事を続けていると気がめいる」といった課題への取り組みとして1on1の他、他部署の人にも気軽に相談や雑談ができるSmall Talkを行っています。また新入社員が孤立しないようすごろくトーク(サイコロを振り出た目のテーマについて話すゲーム。毎回盛り上がります!)でお互いを知る機会を設けています。
たまに出社して、本社のカフェスペースでお気に入りのコーヒーを淹れながら雑談したりするのはテレワーク開始前からのヌーラボらしい光景です。最近は「リアルに会うのは久しぶりですね~」なんて会話から始まることが多いようです。

オフィスのカウンターで淹れたてのコーヒーとヌーラバーとの会話を楽しむ一コマ(2019年)

 

8.社内の理解と協力関係の醸成

 テレワーク制度や勤怠管理の見直しにあたり、常に意識していたのは、法令遵守はもちろん、どうしたら「ヌーラボらしい」ものができるだろう。ということでした。
社外の専門家にもアドバイスをいただきましたが、1年かけずに運用を開始できたのは、管理部以外の部署からも積極的に見直しに参加してもらえたことが大きかったと思います。そうした社内の協力と社員一人ひとりの理解があってヌーラボのテレワーク制度は運用されています。

最後に

テレワークは管理部門だけが頑張ってできる制度ではありません。社内の理解と協力が何より大切だと感じています。この記事がテレワークに完全移行しようとしている人事・労務の皆さんのお役に立てたら幸いです。

 

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