新人研修は家具作り!?〜ヌーラボ京都の場合

ヌーラボの新人研修

ヌーラボでは新しく入られた方を対象に、約1月ほどの新人研修を行っています。

各事務所で研修のメンターとなった人と新しく入られた方とで相談しながら内容を決めていくので、あまり形式だったものがないのですが、新しく一つサービスを開発してもらうことが多いです。京都事務所ならではの研修もあるのですが、それは後ほど紹介します。

研修で何を伝えたいか

ヌーラボには新卒よりも中途で入られるかたが多く、基本的な技術の習得をメインの目的とするのではなく、チームでの仕事の進め方や、ヌーラボがサービスとして大事にしていること、一緒に仕事をしていくために必要な言葉では伝えにくい、文化のようなものを伝えるのをメインの目的としています。

ここでは、実際に最近の京都事務所で行われた研修の内容について紹介したいと思います。

どんな研修したの?

今年3月に入社された松本さんの場合は、以下の縛りの中で興味を持てるようなサービスを一緒に考えました。

  • ちゃんと使われる社内向けのサービスを1から開発する
  • その時に特定の技術を使ってもらう(今回は Scala、React、AWS、RDBMS)

松本さんの場合は、研修後にBacklogの開発チームに配属予定で、Backlogチームはスクラムを取り入れた開発を進めているところなのでスプリントを行うのに便利なサービスを開発してもらうことになりました。

開発の課題が決まった後は、以下の各ステップをヌーラボでの通常のプロダクトの開発と同じ流れで行ってもらい、その中で進め方や大事にしていること伝えていきました。

仕様を決める

普段の開発でも多拠点にまたがったチームでの開発となるため、定例以外のミーティングでは各拠点の必要な人のスケジュールを押さえてビデオ会議をしています。Typetalk、Google apps、Cacoo、EtherPad(リアルタイムに共同編集可能なメモアプリ) などのツールを使った打ち合わせの仕方や進め方を学びます。

デザインを決める

ヌーラボではUIをデザイナーに任せっきりにするのではなく、開発者がある程度しっかり考え揉んで作ります。言葉では説明が難しいのですが、豪華な機能を盛り込むよりは使い勝手の良いUIや楽しさを感じられるUIになっているかを重要だと考えているので、デザインを決める段階でも、Cacooの共同編集を使って、ここがもう少しこうだったらいいんじゃないかなど何度も検討を重ねます。

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実装してフィードバックのループ

ここまでもですが、研修期間中は毎日、今日どんなことをしてどういうところで悩んでいて明日どうしようと思っているということを、京都事務所メンバー全員が参加する夕会で共有し一緒に検討します。実装が進み画面が見れるようになってくるとみんなユーザー視点で使い勝手についてガンガンつっこんできます。

定例以外では随時悩んでいることを相談してもらう形で進めています。

仕上げ

最終工程で京都事務所が誇るデザイン職人中川氏の指導によってスタイルが当てられ、プロダクト感と楽しさ感がグーンとアップする感覚を味わってもらいます。これはスタイルが当たる前の画面です。

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出来上がったサービスの紹介

こちらが研修で作成されたスプリント支援サービス Spritoon になります。

Elastic Beanstalk/RDS環境で動いています。

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当初予定していたプランニングポーカーは未実装ですが、

  • Backlogからの課題をまとめて取り込み
  • ドラッグアンドドロップでリアルタイムに順番入れ替え
  • 課題の編集とBacklogへの反映
  • 新しいタスクの登録とBacklog課題としての追加機能
  • どこまでが今回のスプリントに入るかポイント自動計算でライン表示
  • 状態別の進捗率表示
  • チャット機能(今はここを使ってプランニングポーカーしてます)

などの機能があり、リアルタイムにみんなで入れ替えたり編集できるため、実際の開発スプリントの計画ミーティングで役立っています。また、Backlog上で変更したステータスや担当者が見れるため、現在のスプリントの状態や次にやるべきタスクがわかりやすく、スクラム実施に貢献しています。(スクラムへの取り組みについては、BacklogチームがScrumを始めてみた話に詳しくあります)

実際には1か月の研修期間で上記の全ての機能が作成されたわけではなく、研修が終わった後も時間をもらって継続開発されています。

1ヶ月で仕様の検討から社内リリースまで持っていってキレイに着地させるのはなかなか難しく、最後の1週間でどれを捨ててどれをやり切るかの選択を迫られることになります。

他の研修プロダクトの紹介

ついでに他の研修で作られたサービスをチラリと紹介します。

ChatOpsで出退勤「Hello GoodBye」(紹介記事はこちら)

hellogoodbye

開発職じゃないけど作っちゃった有給申請「Nulab Holiday」

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Redmineからデータ移行できるよ「Remine Importer」 (公開されてます)

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入力サクサク楽しい経費精算「Keffee」

keffee

Backlogをどこまでもシンプルに「Backlog ToDo」

todo

サル先生ふたたび「サルでもわかるプロジェクト管理入門」(公開されてます

Screen Shot 2016-05-17 at 20.36.57

などがあります。

実際に公開されているものもあるので見てくださいね。

裏メニューのDIY研修

さて、タイトルで家具作りと書いていましたが、ここまでそんな雰囲気はなかったですね。

実はここまでの研修は京都事務所では表メニューとなっていて、真の京都メンバーとして迎え入れられるには裏メニューのDIY研修をこなす必要があるのです(ババン!)

現在の京都事務所は多くの人に手伝ってもらいながら自分たちで床を張り壁を塗り改修を行った建物なのですが(詳しくはこちら)、まだまだ改善の余地が残っています。そこで新しい人が入るたびに、丸1日かけて事務所メンバー全員で事務所のリファクタリングを行っています。

パソコンを触っている時とはまた違った一面が見れたり、別チームだと一緒に仕事する機会が少ないメンバー同士で一緒に作業することで、打ち解け一体感を得られるいい機会となっています。またサービス開発もDIYも、アイデアを出し会い臨機応変に形にしていくという、自分たちのものづくりに共通する要素があると考えています。まあ、楽しいからやってる部分が大きいのですが。

今回の松本さんにはホームセンターへ材の買い出しから行ってもらい、インパクトドライバーの使いかたを”インパクト染田”から伝授してもらいつつ、コーヒーサーバーを置く備え付けの棚をペアプロで作ってもらいました。

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松本さんはコーヒーが大好きなのと、京都事務所にコーヒーサーバーがタイミングよく導入されたことを受けての選定です。設置された棚の雄姿がこちら(デデン!)

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ついでに他のメンバーは、ソファーをふかふかにしたり、自立型のホワイトボードを作ったり、トイレ入ってるか分かるタイプの鍵に取り替えたりしたのでした。

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松本さんの裏メニューの感想を抜粋。

■ よかったこと
– 完成品ができたこと
– 1日で完成品ができたのでプログラミングと比べると効率的に達成感が得られる気がする
– 初める前は完了するのか不安でしたが…
– ペア作業がよかった
– DIYできる人のアドバイスを得られる

■ 学べたこと
– 各種工具の使いかたを学べた
– 水平の大切さ
– ベースでずれているとすべてが歪んでくる
– 工夫大事
– 板が割れたときに代わりを使うとか

こんな研修受けてみたいなと思った方はこちらから応募ください(福岡勤務でも希望すればDIY研修やれると思います)。

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