家族でサンフランシスコを体感してきた話 #ヌーラボのアドベントカレンダー

※ このブログはヌーラバー Advent Calendar 2020 10日目の記事です。
9日目、Backlog開発チームの藤田さんによる「 Backlogを上手に使ってらくらくスプリント開発」からバトンを受け取り、明日はインハウス開発チームゆじかわさんの記事へ繋ぐ予定です、お楽しみに!

こんにちは、ヌーラボでインサイドセールスを担当している原です。
約1年前になってしまいましたが、今年の1月末に『 Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA 』というプログラムに参加してきましたので、そのレポートをお送りします!

私がこのプログラムに参加した理由

こちら、絶賛起業中/あるいは鋭意準備中の方がメインの対象なのですが、私は起業の予定はありません。そんな私がなぜ今回本プログラムに参加したのか、その理由は二つあります。

一つ目は「いずれ、夫や子どもから『海外で働きたい(あるいは大学に行きたい)』と言われた時に、私が足かせになることなく送り出したい。なんなら自分もついていってサポートしたい!」と思っていたから。

二つ目は、かれこれ約10年以上ソフトウェアのサービス開発をしている企業に勤めているので、IT企業の集積地であるシリコンバレーの風を浴びてみたい…とそれっぽく書きましたが、久々に遠出したいと思っていたからです。
私には4歳の息子がいます。出産前は有休をほぼ計画通りにコントロールしてリフレッシュのための旅行ができていたわけですが、出産後は遠出の機会はやはり減りました。そんなところ、夫の仕事の調整もできそうとのことだったので、この機に家族でサンフランシスコに行ってみよう!と半ば勢いで応募しました。

前置きが長くなりましたが、私は起業を目指しているわけではなく、ごく一般的な会社員です。このブログはそんな私から見たサンフランシスコ・シリコンバレー視察についてのお話しだよ、ということを頭の片隅において読んでいただけたら幸いです。

Day1 サンフランシスコ到着

サンフランシスコの空港に到着し、早速Uberでホテルへ。たどたどしい英語で住所を説明するのはとても不安なので、スマホで乗降車位置を登録するだけで目的地まで運んでくれて決済までできるUberは本当にありがたいサービスです。そんなサービスが生まれたのもこのサンフランシスコ。サンフランシスコという街への期待が高まります。

今回滞在したのが「Hotel Whitcomb」というクラシカルなホテル。元々は市庁舎だった建物で、天井も高く、お部屋も広々していてバスタブ付き!

ロビーには重厚なソファーと大きなチェスが置いてありました

それなのに、一泊13000円くらい。サンフランシスコの相場を考えると激安です。なぜ安いのか、その理由は立地にありました。調べてみると「テンダーロイン」という犯罪の多い危険な通りが近くにあるため、ホテル周辺も少々治安が悪いようでした。
サンフランシスコは貧富の差がとても激しくホームレスも多いということは知っていましたが、想像以上に「普通に」ホームレスな人と、綺麗な身なりで「普通に」生活している人が混在していて衝撃的でした。どちらも至って「普通」なのです。
以前は更に治安が悪かったらしいのですが、かの有名なTwitterがこの地域に本社を移転し、周辺地域の活性化や雇用の機会を創出する取り組みを始めたこともあり徐々に緩和されてきたようです。
Twitterのサービスが素晴らしいことは自分もいちユーザーとして体感していましたが、貧富の差を改善するための取り組みも身を呈して実行していたとは…ここに来なければ気づけなかったことだと思います。ますますTwitterのファンになりました。
TwitterのCEOであるJack DorseyさんはSquareという決済サービスのスタートアップも経営していて、オフィスを隣同士にして行き来しているとのことです。そのバイタリティにも感服です。

ちなみに、Squareも大好きなサービスです。行きつけの整体院にて店長に直談判し勝手に導入支援をした事があるくらいファンです。
日本も最近やっとクレジット決済や電子マネーが一般化しはじめましたがまだまだ現金のみのお店も多いですよね。逆に、サンフランシスコには「No Cash」と書かれたお店がちらほらありました。ほとんどのレジにはSquareなどのスマートなデバイスがちょこんと置いてあって、カードでささっと決済。明細はメールで送られてきます。そして明細とともに利用体験についてのアンケートも添えられています。わざわざ店員さんに伝えるほどでもないけど気になった事をフィードバックしてもいいし、面と向かって言うのはちょっと恥ずかしいけど本当は伝えたかった「ありがとうの気持ち」を書いてもいい。明細確認ついでに気軽にフィードバックできる導線になっていて素敵だなと思いました。そんなところにもIT最先端都市の一端がみえました。

Day2 企業訪問その1 スタートアップ編

最初に訪問したのは入館受付システムを開発している「Envoy」さん。
もちろん今日のオフィス見学の事前受付もEnvoyで完了していたため、受付でQRコードをかざしてさくっと入館証を発行。受付処理と連動してチャットツールにも通知が飛ぶので担当者をわざわざ呼び出す必要もありません。
オフィスは広々していて、お子さんやワンちゃんも同伴出勤OKのようでした。奥の休憩スペースには沢山の種類のシリアルや飲み物が置いてあり社員はもちろん見学者の私たちまでTakeFree!ありがたくコーヒーをいただきつつオフィスを見学しました。そして、訪問後にEnvoyから「How was your visit?」のメール!カスタマーサクセスの施策が徹底されていますね。

2件目はかの有名な「Salesforce」さん!本社の受付にはお土産やさんもあり、ちょっとしたテーマパークになっていました。
入館手続きはやっぱりシステム化されているのですが、Salesforceのデータベースと連携しているようでメールアドレスを入力しただけで私の名前と会社名などがプリセットされた状態で入館登録画面が表示されました。

入館後は社員の方がサービス紹介をしてくださったのですが、なにがすごいって、デモデータがとってもリアル。年間推移系のダッシュボードから日々の活動履歴まで完璧!!
私も普段お客様にサービスのご紹介をする際Backlogのデモ環境を利用しているので、データを綺麗にして画面をみるだけで利用場面をイメージできるような環境にしないとな、と改めて思いました。

36階の「Ohana」という展望エリアもお邪魔してきました。サンフランシスコで一番高い建物から街の景色を見渡せます。
とても広々としたスペースで、バリスタさんが常駐しラテを提供してくれていて、なぜかグランドピアノも置いてありました。さすが天下のSalesforce、規模が違う…

360度ガラス張りで、サンフランシスコの街が見渡せます。

そして、3件目はCRMのサービスを開発している「Zendesk」さん。

最近日本のSaaS企業もZendeskを導入している企業が多いのではないでしょうか。
本社オフィスはとても広々としていて、300名くらい入れるオープンなセミナースペースもありました。ユーザー会なども頻繁にやっているようです。ユーザーとの関わりを大切にしている企業文化が現れていました。各階にキッチンやドリンクエリアも設けてあり、従業員にとってもとても居心地の良い空間が作られていました。

サンフランシスコ内のスタートアップ(Salesforceはもはや大企業ですが)を視察して感じたことは、どの企業もオフィスで暮らせるくらい環境が充実しているな、と。
キッチンや食料飲料はもちろん、ソファー席やWEB会議用の個室、家族やペットとリラックスできるエリア、夜はちょっとした飲み会ができるようなバーカウンター、Salesforceに関してはシャワールームのような施設までありました。
でも、よく考えたらヌーラボ本社も(シャワールームを除けば)ほぼ揃っているので、暮らせますね。サンフランシスコのスタートアップとヌーラボの意外な共通点が見つかりました笑。

Day3 Honda R&D Innovations, Inc

3日目、今回一番楽しみにしていた訪問先です。HONDAは日本の企業ですが、そのグループ会社としてシリコンバレーに本拠地を置く「Honda R&D Innovations」さんへの訪問です。

CEOのニックさんから現在Honda R&D Innovationsがスタートアップ企業とコラボレーションしながら取り組んでいるIoTやAIを活用したサービスについてデモ動画を交えつつご紹介いただきました。
うちの車(20年前のMINI)にはカーナビがついていないので、いつもApple社のCarPlayにはお世話になっているのですが、実はこのサービスにもHonda R&Dが絡んでいたようです。
すでにSiriとも連携していて目的地を音声で指定できますが、今後はもっと実際の会話に近い形で「この近くのファミレスを教えて!あ、駐車場に空きがあるお店でお願い!」といった感じで目的地の検索ができる未来が見えました。

HONDAほどの大企業がイノベーションを起こし続けている背景には、R&D部門を外に出して本社とは異なる価値観スピード感で進められる環境を守っていることが大きな理由のようです。
大企業は大企業として守らなければいけない秩序・責務・ポリシーがあり、それらを維持しながら着実に進めることはもちろん正しいことだと思います。
けれど、イノベーションを起こすには今ある仕組みを壊すことも時には必要なので、(例えばCarPlayに関する起案もカーナビを取り扱っている部門からすると競合製品となるので内部から発案しても通りにくい、などなど)本社とは距離を置いたところで進める必要があるとのこと。ニックさんご自身のキャリアの変遷やインターネットとの出会いについての逸話もとても興味深く、あっという間の時間でした。余談ですが、駐車場にはあっちにもこっちにもTeslaが鎮座していてちょっと面白かったです。

Day4,5 サンフランシスコの街とキックスクーター

最後の2日間はほとんど自由行動でした。今回は家族も一緒にサンフランシスコへ来ていたので家族旅行の時間に当てました。「Amazon Go」や「b8ta(最近日本にも店舗ができましたね!)」に遊びに行ったり、「Creator」でロボが作ってくれるハンバーガーを食べたりして過ごしました。

サンフランシスコの道路は自転車用の車道が完備されていて、近場の移動には自転車かキックスクーターを利用するのが便利です。いたるところにLimeUberのレンタルサイクルやキックスクーターが置いてあるので、アプリからQRコードを読み込んでレンタルします。なんとGoogle Mapsで目的地までの経路を検索した時に「Limeを使うと早く到着するよ!」のお知らせまで出てきます。

練達可能なLimeの置き場所と、Limeを使った場合の所要時間が表示されています。

そんなこんなで最終日。楽しい時間はあっという間でした。今回の研修は4歳の息子にとってもとても刺激的で良い経験になったようです。帰国後、英語を喋っている方を街で見かけると「あの人はね、きっと『しゃんふらんししゅこ』から飛行機に乗って来たんだよ!だってABC喋ってるもん!」と意気揚々と教えてくれました。

帰国後、本プログラムを振り返って感じたこと

英語(特にヒアリングとスピーキング)をもっと自由に使えるようになりたい!

これは本当に悔しかったです。せっかくオフィス案内をしてもらったのに、半分しかわからない、Uber Eatsのドライバーからのチャット質問に対しても英語がすぐ出てこなくて配達キャンセルされる始末。
そのうち翻訳アプリがレベルアップしてきっと喋れなくてもなんとかなる日が来るさ、と半ば諦めていましたが、やっぱり自分の言葉を発したいし、ジョークに気づいてリアルタイムに笑いたい、と強く思いました。
ヌーラボは海外拠点もあるので、英語学習のための手当てがあります。ありがたく利用して地道に習得していきたいと思います。

グローバルで使えるアプリの便利さに感動!!

Google Mapsを筆頭に、UberやSuqareなどグローバルに展開している企業は旅行先でもいつもと大差なく利用できてとても助かりました。見知らぬ土地でもいつもの使い心地、本当にありがたいです。

・リモートワークは問題ないが、時差があると難しい

ヌーラボは日本に福岡・東京・京都と3拠点、海外にも3拠点と元々複数拠点に分かれているため、リモートワーク自体は全く問題がないのですが、時差には苦しみました。こればっかりは仕方がないですね。
サンフランシスコの夕方18:00が日本の朝9:00なので、どうしても夜更かししがちになります。

福岡市、btraxさん、ヌーラボ&家族に感謝

最後に、今回のプログラムをご準備いただいた福岡市とbtraxさん、そして当時入社間もない私を送り出してくれたヌーラボという会社にとっても感謝しています。個人旅行では到底体験できない貴重な経験をさせてもらえました。研修中は二人でお出かけしつつ待っていてくれた夫と息子にもスペシャルサンクス!
ちなみに、もし家族が海外で働きたいと言い出したらどうするか、についての答えもわかりました。行く先がサンフランシスコの場合、今のような物価の差がある状態で家族で移住したら生活が持たないので、単身で行ってきてもらいます笑

書きたいことが沢山あって、長編になってしまいましたが、以上でレポートブログはおしまいです。最後まで読んでくださりありがとうございました!

『Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA』2021年1月の開催予定について

『Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA』は福岡市内スタートアップの成長やビジネスの実現、海外のエコシステムとのネットワーク形成を図ることを目的に、福岡市内の起業家やその候補者などを対象とした研修・交流を行う、福岡市によるグローバル志向の起業家育成プログラムです。(私は東京在住ですが、福岡に本社があるヌーラボに勤めているので参加資格がありました)

2021年はオンラインでの開催とのこと。オンラインなので、福岡在住ではない方も参加可能になったいるようです。そしてなんと参加費無料!!

応募の締め切りは12/11 (金)23;59。(このブログの公開日は12/10ですので、今日見てくださったあなたはまだギリギリ間に合います!)

興味のある方はぜひ応募してみてください。きっと新たな気づきや素敵な出会いが待っているはずです!
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