本記事はブログリレーの8/5分になります。
こんにちはTypetalkチームの吉田です。本記事ではタイトルの通り、iOS/macOSのショートカットアプリを使って日々の繰り返しタスクをかんたんに自動化する方法を紹介します。自動化といえばなんとなくエンジニアが好きそうな言葉ですが、ぜひ非エンジニアのみなさまにも読んでいただきたい内容になっています。
目次
ショートカットアプリとは
ショートカットアプリとはAppleがiOSとmacOS向けに提供しているアプリケーションで、みなさんがOS上で行う様々な操作(アクション)を複数組み合わせて1つのショートカットとして作成できます。そしてそれをメニューバー、ホームスクリーンなどにおいたボタン、Siriなどからさっと呼び出して実行することができます。エンジニアがやるようにプログラミング言語を使ってコーディングする必要はなく、Appleやサードパーティが提供しているアクションと呼ばれる部品を使って、想像以上にいろんなことが自動化できます。本記事では私が日々繰り返し行っているタスクを自動化したのでその方法を2つ紹介します。
今日のミーティングをリスト化してクリップボードにコピー
Typetalkチームでは毎朝Typetalkにチームメンバーにその日やることを投稿しています。その中でその日参加するミーティングについても以下の様に箇条書きで共有しています。
– 9:30 Early Morning Meeting
– 15:00 Daily Scrum
– 15:30 〇〇プロジェクトキックオフ
はじめはこれをカレンダーアプリを開いて予定を一つ一つ確認して手動で書きだしていました。およそ2分くらいの作業ですが5日間繰り返すと10分です。10分あればショートカット作成できそうです。やってみましょう。以下の流れで作成していきます。
- カレンダーアプリから今日の予定一覧を取得する
- 今日の予定一覧データを使ってリストを生成する
- クリップボードにコピーする
- ショートカットを簡単に呼び出せるようにする
iOS/macOSのショートカットアプリのどちらでも作れますが、今回はmacOSで作ります。まずアプリケーションフォルダからショートカット.appを開きましょう。
ファイル > 新規ショートカットをクリックし作成を開始します。基本的にはこの画面の右側でアクションを検索し、画面左側にドラッグします。この操作で複数のアクションを組み合わせ、ショートカットを構築していきます。ここでは画面上部で設定できるショートカット名を「今日のミーティングをリスト化してクリップボードにコピー」としておきます。
カレンダーアプリから今日の予定一覧を取得する
アクション「カレンダーイベントを検索」をドラッグします。条件として「開始日が今日である」を選択します。次に「+」ボタンで条件を追加し、「カレンダー が次と等しい カレンダー名(ここでは仕事)」を選択します。macOSのカレンダーアプリにアカウントが設定されていれば、iCloudやGoogleカレンダーなどの情報を参照できます。
ここでまず画面上部の▶️ボタンまたはCommand + Rでショートカットを実行してみましょう。すると以下の様にカレンダーイベントの出力が複数件(ここでは3件)得られます。これを加工してテキストを生成できればよさそうです。次のアクションの構築に進みます。
今日の予定一覧データを使ってリストを生成する
次に複数件得られたカレンダーイベントを使って、箇条書きのテキストを生成します。アクション「各項目を繰り返す」をドラッグします。このアクションを使うと複数件ある入力に対して繰り返し処理を適用することができます。
カレンダーイベント1件のデータから「- 9:30 Early Morning Meeting」のような箇条書き用のテキストを生成します。アクション「テキスト」を繰り返し処理の中にドラッグします。その後右クリックで「変数を挿入 > 繰り返し項目」を選択するとカレンダーイベント1件のデータから必要な値を取り出すことができます。
開始日と名前を挿入し、日付の書式や半角スペースを入れるなど調整することで「- 9:30 Early Morning Meeting」のような出力を得られるようになりました。
実行してみるとこのようなテキストデータが複数件得られます。
クリップボードにコピーする
最後にアクション「クリップボードにコピー」をドラッグします。
実行してみるとクリップボードに以下の様なテキストがコピーされます。ショートカットの作成はこれで完了です。
– 9:30 Early Morning Meeting
– 15:00 Daily Scrum
– 15:30 〇〇プロジェクトキックオフ
ショートカットを簡単に呼び出せるようにする
毎回ショートカットアプリを起動して実行するのは面倒なのでmacOSのメニューバーに表示できるようにします。画面右側の設定から「メニューバーにピン固定」を有効にします。
これでmacOSのメニューバーにショートカットメニューが表示されるので簡単に実行できるようになります。
また、Siriにも対応しているので「今日のミーティングをリスト化してクリップボードにコピーして」などとお願いできます。
完成
これでミーティングのリスト化が簡単にできるようになりました。毎日の作業がちょっと楽になりました。
ランチに出かけることをメンバーに知らせる
お昼になるとチームメンバーにランチで離席することを知らせます。Typetalkにランチに行くことを投稿しつつ、Typetalkのユーザーステータスをランチに設定します。
これもやはり自動化したくなってくるものです。やってみましょう。以下の流れで作成していきます。
- Typetalkに「ごはんに行ってきますー」と投稿する
- Typetalkのユーザーステータスを「🍴 ランチ」と設定
- ショートカットを簡単に呼び出せるようにする
現在iOS版のTypetalkアプリのみ投稿とユーザーステータス設定のカスタムアクションを提供しています。そのため今回はiOS版のショートカットアプリで作成します。macOS版と基本的な使い方は同じなので、以後の説明は簡略化します。
Typetalkに「ごはんに行ってきますー」と投稿する
アクション「Typetalkにメッセージを投稿する」を使います。
以下を入力します。
- topicId
投稿したいトピックのトピックURLの「topics/」の後ろの数値を設定します。(https://typetalk.com/topics/999999 の場合 999999) - message
ごはんに行ってきますー - 実行時に表示
有効になっているとこの処理が終わったタイミングで確認ダイアログが出てしまい、次の処理に進めないので無効にしてしまいます。
Typetalkのユーザーステータスを「🍴 ランチ」と設定
アクション「Typetalkのユーザーステータスを更新する」を選択し、以下を入力します。
- emoji
🍴 - message
ランチ - spaceKey
スペースキーはTypetalkの「設定 > 組織管理 > 基本情報 > スペースキー」からコピーできます。 - クリアする日時
何も設定しない場合は実行にダイアログで選択することになります。アクション「日付を調整」を使うことで1時間後などを自動的に設定することも可能です。 - 実行時に表示
ここはどちらでも大丈夫です。
ショートカットを簡単に呼び出せるようにする
ショートカットの設定画面から「ホーム画面に追加」するとホーム画面にアイコンが追加されるので、そこからワンタップで呼び出せるようにします。
ホーム画面のボタンタップで無事ランチに向かうことができました。もちろんSiriからも実行できます。
完成
これでさらに楽になりました。
まとめ
ショートカットで自動化したくなってきましたか?ここで挙げたサンプルを試していただいても良いですし、ギャラリーという機能から既にAppleが作成済みのショートカットをインストールして使うこともできます。ぜひ用途にあったものを探してみてください。また自動実行に関してもiOSの場合は睡眠に入った時、オフィスに到着した時、自宅のWi-Fiに接続した時など様々なタイミングで行うことができます。こちらもぜひ試してみてください。余談ですがこの手の記事はたくさん存在するのですが、いかんせん「mac ショートカット」だとキーボードショートカットの記事ばかりがヒットするので、「mac ショートカットアプリ」で検索してください。では。