ヌーラボ創業19周年に際し、感謝をこめてヌーラボのこれまで・これからについてお話しします

本日2023年3月29日で、株式会社ヌーラボは創業19周年を迎えることができました。これまでヌーラボに関わってくださったすべての方に感謝申し上げます。

2004年3月29日、ヌーラボは福岡県福岡市で創業者自らも現場にエンジニアとしてお客様先に常駐するスタイルの事業を軸に産声を上げました。その後、受託開発事業、自社サービス事業を展開し、2013年からは現在も続く「Backlog」「Cacoo」「Typetalk」の自社サービス事業に集中、そして2020年には「Nulab Pass」をリリースすることができました。

今日はヌーラボのこれまでを、創業者である橋本と田端、そしてヌーラボの受託開発事業の初めてのお客様である、インクルージョン・ジャパン株式会社の吉沢様にインタビューしました。

 

「Null」+「Lab」は後付け!”名刺交換”で決まった社名「ヌーラボ」

— 創業メンバーである橋本さんと田端さんの出会いは、同じ会社で働いていた約20年前ですね。

(田端)同じSESの会社に所属していました。同じと言っても、入社のタイミングは異なり、僕のほうが1年遅れでの入社です。入社してすぐ、営業担当の人に連れられ、福岡の百道浜にある「福岡SRP(ソフトリサーチパーク)センタービル」に行き、食堂にいた橋本さんと顔を合わせました。初対面のその日は音楽の話をしたので、自分と違う世界の人ではないんだと認識しました。

 

— そこからヌーラボを立ち上げるところまで、どんな経緯があったのでしょうか?

(橋本)最初からSESの会社に入社する時から「3年後に独立します」と宣言していました。宣言通りのタイミングで独立をするにあたって、田端さんを誘ったという流れです。会社には迷惑もかけましたが、最終的には応援してくれて、本当にいい会社だったと思います。

 

— 改めてヌーラボという名前の由来について聞いておこうと思います。会社のHPには下記のように書いてありますが、これは後付けだとか。

(田端)僕が名付け親ですね。当時、社名のアイデアはたくさんありました。例えば「トリプレックス」「トリニティ」。三人で始めた会社だから、「3」にまつわる名前をいくつか候補に入れていました。最終的にはみんなで名刺を渡す練習をしながら決めました。

ちょっとカッコをつけて「New」と「Lab」、ニューラボラトリーで「ヌーラボ」。名刺交換した時に一番しっくりきた名前にしました。HPに書いてある「Null」+「Lab」というストーリーは、名前より後に決まった話なんです。

 

— ヌーラバー(ヌーラボの従業員)でもこの話を知らないメンバーがいるかもしれませんね。ヌーラボは始まったわけですが、もう創業2年目の2005年には、Backlogの原型ができていました。Backlogを開発した経緯を教えてください。

(橋本)独立して、まずは「客先常駐」する開発プロジェクトからスタートしました。しかし、創業当初から自社開発で自分たちのサービスを立ち上げることは頭にありました。自然な流れで自社サービスの種となる「Backlog」の開発が進んだように思います。「Backlog」の開発に着手したきっかけは、他社のバグ管理システムを受託開発したことです。その後も開発者のコミュニティでも、バグ管理に関するツールの開発に取り組む機会がありました。なので、自分たちにとっては3回目のバグ管理ツールの開発となったのが「Backlog」です。

当時、世の中にあったバグ管理ツールには「楽しさ」が欠けていたように思います。いかにも業務管理のためのツールで、インターフェースにも柔らかさがなかったのです。せっかくならヌーラボは、楽しいツールを世界に送り出したくて、製品開発を進めたのが「Backlog」のスタートです。

— ここから客先常駐の仕事の他に、Backlogの開発もコツコツ進めたわけですが、徐々に常駐の仕事も「受託開発」ということで、自社に持ち帰って開発するスタイルに切り替わってきました。一番最初に受託開発の案件を任せてくれたのは、当時人材系の企業にいらっしゃった、インクルージョン・ジャパン株式会社(通称:ICJ) の吉沢さんですね。

インクルージョン・ジャパン株式会社
吉沢 康弘さん

P&G、コンサルティング・ファームを経て、ライフネット生命(当時、ネットライフ企画)の立ち上げに参画し、主にマーケティング、主要株主との新規事業立ち上げに従事。同社上場後、インクルージョン・ジャパン株式会社を設立し、ベンチャー投資と、大企業での新規事業開発コンサルティングに従事。主な支援先ベンチャーに、日本最大級のC2Cマーケット「ココナラ」や、宇宙開発ベンチャー「アイスペース」などの上場企業がある。現在はVCファンド「ICJ2号ファンド」に従事し、ゼロボード社・サステナクラフト社など脱炭素領域を中心とした投資活動を行っている。

ヌーラボ創業まもない頃、初めての受託開発案件を発注してくれた、ヌーラボにとって恩人である方。

 

— なぜ、当時まだ無名、かつ地方に本社があるヌーラボに、大事なプロジェクトを任せていただけたのでしょうか?

(吉沢さん)あの当時は、合計4社の提案を受けました。東京にある大手で実績も多い企業2社。その他、なんか面白い提案をしてくれそうだと思ったベンチャー企業の2社です。

比較の結果、ヌーラボが圧勝。使っている技術レベルが他の企業とは全く違いました。一部SDKは用いていたものの、ほぼスクラッチでの提案。実は、予算を大幅に超える提案だったのですが、それを超える提案内容だったので、予算を掛け合って確保した覚えがあります。

 

— 実際、一緒に仕事をしてみていかがでしたか?

(吉沢さん)有名企業で働いている学生時代の友人や、当時取引があった大手企業のエリートと呼ばれるような部門よりも、新しい情報を一早く持ってきてくれるのがヌーラボでした。Seasar2などの、当時橋本さんが活動していたコミュニティの影響も大きかったと思います。

初めて仕事のために面談した時は、正直不安もあったのですが(笑)、仕事をするうちに外注先のどの会社よりも仕事ができるメンバーが揃っているということがわかりましたね。

 

— そのままご贔屓にしていただき、Backlogも早々にお試しいただき、フィードバックをいただいていたと聞きます。

「こんなサービスを作ってみたから、プロジェクトで使ってみてほしい」と勧められたのが、当時まだ有償化していなかったBacklogです。当時あった類似のサービスとは異なり、優しく締め切りを追い立ててくれるようなインターフェースでした。
システム開発のプロジェクトで使い始めましたが、すぐにシステム開発以外のプロジェクトでも使えることに気づき、他の部署もこぞって使うようになりましたね。

 

フェーズが変わった2016年。ヌーラボ第3創業期から上場まで

— そんな吉沢さんのお力添えもあり成長できた 受託開発の事業も2013年にはストップし、自社サービスに注力したのち、2022年6月に上場しました。

(橋本)上場しようと考え始めたのは、創業時ではなく2016年頃からです。創業から12年も経ってから上場を考え始めた理由は、海外マーケットにサービスを本格的に広げていきたいと考えたからです。

 

— 数々の企業に投資したご経験もお持ちの吉沢さんですが、こんなヌーラボの成長の軌跡を外からみられて、どのようにお感じですか?

(吉沢さん)ヌーラボがCacooをリリースし、徐に海外ユーザーが増えてきた頃、ニューヨークで開催されたWordCampに参加する時も一緒に行きました。その時、初めての海外出張にも関わらず(酔った勢いもあるかもしれませんが)「海外に出るぞ」と宣言していたんですよね。

普通の会社だったら「リソースがないから」「前例がないから」と、できない理由を並べて尻込みしがちなところを、ヌーラボはそうならなかった。無知の力ってすごいな、と思いました(笑)

でも、そんな創業メンバーの真面目さ、コツコツ積み上げる姿勢が良かったのでしょう。徐々にその創業者を支えてくれるようなメンバーが増えていったように見えます。だからここまでこれたのでしょう。

 

「来年」ではなく「もっと先」の”これから” — キーワードはやっぱり「コラボレーション」

— 今日で19歳を迎えましたが、20歳という短いスパンではなく、もっと先の5年、10年後のヌーラボに対して、何か期待や展望はありますか?

(田端)コラボレーションソフトウェアの会社として、「楽しく」「アイデアを出す」「コラボレーションできる会社になる」というマインドをまずは社内から醸成していきたいと思います。その上で、ビジネスをグロースしていきたいです。そういったマインドのベースがないと、ただKPIを追いかけるだけの仕事になってしまうので、今すぐにでもマインドに対するアクションはしていきたいですね。

また、海外拠点を統括する者として、日本から海外に進出した会社として名を刻めるような成果を出したいと思っています。

(橋本)僕たちのビジネスは「コラボレーション」が軸です。会社も、人生も、一人じゃ何もできません。3年後・5年後、「コラボレーションを大事にしていると、こんな会社になるんだ」ということを、ヌーラボが証明し、サービスを通じてユーザーの皆様に訴求できている状態が理想です。将来、サービスが増えていたとしても、それぞれがバラバラではなく、「ヌーラボのサービス」として世界中に届けていきたいです。

 

 

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