サービス開発部ミッション明文化プロジェクト「明文化の過程」編

こんにちは。ヌーラボのkenshiroooです。

このブログは、ヌーラバー真夏のブログリレー2024の10日目のブログとして更新しています。

以前サービス開発部のミッション明文化を行う背景や、明文化を行う上で留意したことなどについてまとめました。

サービス開発部ミッション明文化プロジェクト「ミッション明文化の背景」編

2024年11月からミッション明文化プロジェクトに取り組み、多くのメンバーに関わっていただきながら議論を重ねた結果、以下のミッションに決定しました。今回はどのようなプロセスを経て、サービス開発部のミッションを明文化したかを解説します。

 

サービス開発部ミッション

実は2024年4月にはミッションの明文化は完了しているので、さっそく明文化したミッションをご紹介します。

サービス開発部ミッション

世界中のヌーラバーにワクワクを実装する

ヌーラバーとは、ヌーラボの従業員やユーザーだけではなく、ヌーラボが大切にしている価値観を共有するすべての人々を指します。すべてのヌーラバーと共にわたしたちヌーラボが目指す働き方やコラボレーションの姿を実現するために、わたしたちサービス開発部は以下のミッションステートメントに基づいてサービスを実装し、ヌーラバーが培っているワクワクするような価値観を世界中に提供します。

  • 「ヌーラボ」を体現する

私たちは、ユーザーに私たち独自の価値を提供し、ヌーラボのミッションである「働くを易しく楽しくする」を実現するために、Nuice Waysに基づいて行動し、ヌーラボのブランドを体現します。

  • ギークであれ

私たちは、技術の力でより良い未来を創造します。技術を愛し、限界を超えた挑戦を続け、世界に新たな価値をもたらします。私たちは、常に新しい技術やアイデアに挑戦し、絶え間ない成長と進化を追求します。

  • 期待を超える価値を創造する

私たちは、ユーザーの声に耳を傾け、あらゆるフィードバックを真摯に受け止め、それらを私たち自身が成し遂げたい目標を達成するための貴重な資源として活用します。そして、ユーザーの声を深く理解して本当に価値あるものを見極め、サービスを通じて期待を超える価値を提供し、ユーザーと、なにより私たち自身の仕事を易しく楽しくします。

  • 信頼性、可用性、セキュリティにこだわる

私たちは、ユーザーへの価値提供の基本は、サービスの信頼性・可用性・セキュリティを核としていると信じています。この信念のもと、私たちは確かな品質を追求し、ユーザーとの信頼関係を深めます。

  • ボールを拾う

私たちは、ゴールに少しでも近づくために、役割と役割の間に落ちている、または落ちそうなボールを見つけたら、役割を超えて積極的に拾いに行きます。これは単に問題を解決するだけではなく、私たちの学習と成長の機会であり、境界を越えて視野を広め視座を高めることで組織全体の能力を高め、より大きな成果へと繋がります。

  • 小さな成果を積み重ねる

私たちは、反復的な開発プロセスを通じて、失敗から学び小さな成功を積み重ね、企業として共に成長していきます。どんなに小さなことでも、お互いの成果を認めあい讃えあうことで創造的な思考を促進し、リズミカルで持続可能な革新を実現します。

  • コミュニティとともに前進する

私たちは、さまざまなコミュニティの信頼できるパートナーとして共に前進します。私たちはコミュニティから学び、成長し、コミュニティに知識を還元し、相互の成長を促します。この循環を通じて私たちとコミュニティは互いに欠かせない存在となります。

  • 重要なことに集中する

私たちは、重要でないタスクを識別し諦める勇気を持つことの価値を認識しています。オープンな議論を通じて優先順位を明確にし、重要な仕事に集中的に取り組みます。このアプローチにより、限られたリソースを最も影響力のある活動に効率的に配分し、組織全体としての目標達成にフォーカスします。

ヌーラボサービス開発部のミッションが記載されている画像。

(筆者注:ヌーラバーは社内用語で、基本的にはヌーラボの社員のことを指しますが、ここでは「ヌーラボのミッションやブランドメッセージなどの価値観を共有するあらゆる人」という意味で使用しています。)

ミッションの形式について

プロセスの解説に入る前に、少し補足を行います。

サービス開発部は多様な職種(サービスの開発メンバーだけでなく、SREや社内業務改善・データ活用に取り組んでいるインハウスシステム課など)が存在しているため、端的な一言でミッションとして表すのは難しいのではないかという懸念がありました。

そのため無理に一文で表現するのではなく、ミッションステートメントの形式で表現することにしました。

通常のミッションの形式は、ヌーラボでは「創造を易しく楽しくする」のように短い一文になることが多いかと思います。それに対してヌーラボのウェブサイト課のミッションはミッションステートメントの形式で、「ウェブサイトから、全ての人にワクワクな体験を」の部分が主文、それに続く部分が副文という形式です。

開発部のミッションも同じく、主文と副文に分けた形式で表現することとなりました。上記に記載したサービス開発部のミッションの場合、 世界中のヌーラバーにワクワクを実装する はミッションの主文の部分で、それ以外は副文となります。

本記事での「主文」「副文」は以上の意味で使用します。

ミッション明文化プロジェクトの概要

それではミッション明文化プロジェクトの解説をはじめます。

全体の概要は以下の通りです。

  1. ミッションを明文化する旨のアナウンス(2024年11月)
  2. 全社への意見募集(2023年12月~2024年2月) 
  3. 明文化ワークショップ(2024年2月) 
  4. 言葉の絞り込み(2024年2月~4月)

以下では各プロセスの概要を紹介します。

Step1:ミッションを明文化する旨のアナウンス

実施の背景

ヌーラボの社員数は150名程度で、開発部には90名程度が在籍しています。そのためミッションの明文化を行うことが決まった当初から、開発部内外を含む多くの人を巻き込まないと質の高いミッションは作れないと考えていました。

その下準備としてまずは私と開発部部長の馬場でインセプションデッキ(プロジェクトの目的や背景、関係者やスケジュールなど示してプロジェクトの向かう先を示すためのドキュメント)を作成し、ヌーラバーへの説明会を実施することとしました。

実施内容

インセプションデッキの説明会は、開発部メンバーは原則必須参加、開発部以外のメンバーは任意参加で実施しました。

ミッション明文化の目的や、今後協力をお願いしたいこと(意見募集・有志メンバーのミッション明文化ワークショップの参加など)、明文化に至るまでのプロセス概要などの解説を行いました。

Step2:全社への意見募集(オンライン)

このプロセスでは全部署に協力を仰ぎ、開発部のミッションに関するヌーラバーの意見を集めました。以下のような形で進行しました。

  1. 私が質問内容を考え、各チーム(開発部は各チーム、開発部以外の部署は部署)ごとにCacooのスライドを用意
  2. チームメンバーに回答を書いてもらうよう
  3. 私がチームごとにお邪魔して回答の意図や背景を確認する時間をとる

実際は2の意見記入と3の意見確認を同時に行う場合も多かったです。

質問内容について

質問は単に「開発部のミッションはどんなものがいいと思いますか?」というようなものだと答えづらいだろうと考え、サービス開発部のミッションを考える土台にできると同時に回答者が答えやすい質問になるように工夫しました。

その上で、開発部のメンバーと開発部以外の部署のメンバーに対する質問は分けることにしました。

開発部メンバーへの質問内容

  • ヌーラボがヌーラバーやコミュニティ、顧客などのステークホルダーに提供してきた最大の価値はどのようなものだと思いますか? 価値の提供相手とその内容を教えてください。
  • あなたの過去の経験で、やりがいと成長が両立できたのはどのような時でしたか?またなぜそう感じたと思いますか?
  • あなたが今もっとも面白みを感じながら取り組める業務はどんなものですか?
  • ヌーラボが社外の方々からどう見られて欲しいですか?
  • サービス開発部がどのような組織であって欲しいですか?
  • (先の質問を受けて)そのような組織になったサービス開発部は、顧客や社内外の関係者にどのような価値を提供していると思いますか?
  • その他、サービス開発部のミッションに取り入れて欲しい要素などを自由に記載してください。

開発部以外のメンバーへの質問内容

  • ヌーラボがヌーラバーやコミュニティ、顧客などのステークホルダーに提供してきた最大の価値はどのようなものだと思いますか?価値の提供相手とその内容を教えてください。
  • あなたの過去の経験で、やりがいと成長が両立できたのはどのような時でしたか? またなぜそう感じたと思いますか?
  • 過去にサービス開発部のメンバーと業務で関わった際に、「いいコラボレーションだったなぁ」と思えたことはどんなことでしたか?
  • ご自身の部署とサービス開発部がうまくコラボレーションができた際には、どのような相手に、どんな利益やメリットを与えられると思いますか?
  • サービス開発部に、どのような相手に、どんな価値提供をして欲しいですか?
  • その他、サービス開発部のミッションに取り入れて欲しい要素などを自由に記載してください。

意見確認について

実施内容

意見確認のパートでは、私が聞き手として参加し、気になる意見の内容の深掘りや真意の確認を行いました。

実際におこなってみると、書いてもらった内容だけをみると見落としてしまいがちな温度感や背景があることがよくわかりました。また言葉の解釈や書き方は人それぞれなので、記載してある内容と真逆の真意があるように感じられるものもありました。

全26チームに行ったためそれなりに時間もかかり労力も大きかったのですが、回答に対する解像度が大幅に上がりました。ヌーラバーからの意見はこの後のパートにつながる重要な要素であったため、回答の真意や思いの理解度を上げられたことには労力以上の価値があったと思います。

思わぬメリット

さまざまな意見を挙げてもらい多様な観点を知れたことも大きなメリットだったのですが、思わぬメリットもありました。

リーダーとメンバーやメンバー同士の理解度が深まる効果があったようで、「チームの他メンバーの回答をみて、メンバーが考えていることを知れてよかった」という感想をたびたび聞けたことです。

そのような効果を狙っていたわけではなかったのですが、日常業務を少し離れてヌーラボや開発部などの組織・仕事に対する考え方を聞く場を設定することの価値を改めて感じました。

Step3:ミッション明文化ワークショップの実施(オフライン)

2024年2月にミッションを明文化するためのワークショップを実施しました。

開発部のマネージャー陣と有志の参加者で、福岡オフィスに集まって対面で3日間のワークショップを行いました。参加人数は11人で、別途ファシリテーターが2名(私とコミュニケーション部メンバー1名)という体制で進行しました。

こちらについては今回は概要や大まかな流れを紹介し、詳細な内容は別途まとめて公開したいと考えています。

全体のタイムスケジュールは以下の通りです。

ワークショップ全体のタイムスケジュールの画像。

1日目:必要なインプットをおこない、暫定のミッション主文を決める

概要

この日は最低限必要なインプットと暫定的にミッション主文を決めることを目的とし、以下の活動を行いました。

  1. キーパーソン(CTO・開発部部長の馬場、ヌーラボ代表の橋本)からの講和を聞く
  2. 参加者のミッションへの期待を共有する
  3. ヌーラバーの意見を確認する
  4. 暫定のミッション主文を決める

 

1.キーパーソンからの話を聞く

CTO・開発部部長の馬場から話を聞きました。

馬場からはミッション明文化の背景や期待する効果、開発部全体の方針について語ってもらいました。次に代表の橋本にはこの時間だけリモートで参加してもらい、ミッションとビジネスの両立についての話を聞きました。

サービス開発部部長の馬場が参加者に向けて説明している様子

(熱い思いを語る馬場)

2.参加者のミッションへの期待を共有

各参加者にとってミッションがどのようなものであってほしいか、ヌーラボがどんな会社であって欲しいかを共有しました。

参加者の皆さんのこだわりが出てきたと同時に、「ヌーラボらしさ」を開発部の文脈で実現するにはどのようにすればよいか、「ヌーラボらしさ」とはなんなのかについて話し合われていました。

3.ヌーラバーの意見を確認する

次に「全社での意見募集」のパートで集めたヌーラバーの意見確認を行いました。

かなりの数の意見が集まったためこの場で全ての意見に目を通すのは難しかったので、私の方から代表的な意見の紹介を行いました。その後参加者が意見を確認しながら気になるものをピックアップし、全体への共有などを行いました。

4.暫定のミッション主文を決める

これが1日目の最後のパートです。ここでひとまずミッションの主文を作る活動を行いました。

ここはスピーディーに進行し、議論の結果「ワクワクするサービスを世界へ共創する」に決まりました。

2日目:ミッション主文の見直しと副文の決定

概要

1日目に決めた暫定的なミッション主文の見直しと、副文の決定を行いました。

見直しのために代表の橋本に再度登場してもらってフィードバックをもらいました。フィードバックと参加者同士の議論を重ねてブラッシュアップしたミッション主文をもとに、副文の決定を行いました。

ミッション主文の見直し

暫定ミッションのレビュー

代表の橋本に再び参加してもらい、暫定ミッションをレビューしてもらいました。この際は暫定ミッションへの所感そのものより、ミッション浸透一般に関するフィードバックが行われました。

ミッション主文の見直し

フィードバックを受けて改めて参加者で議論を行い、以下の文章にまとまりました。

すべてのヌーラバーと世界中にワクワクを実装する

副文の決定

上記のミッション本文をもとに、それだけでは拾いきれない部分や、ミッションの達成のために必要な行動規範などを整理し、副文としてまとめるパートです。

参加者のこだわりや思いが出ると同時に、文章の表現方法として意図が通じやすいかなどの見直しも行い、かなり議論が発散することになりました。

Cacooスライドの画像。ミッション副文の案となる文章や、それに対するコメントが大量に記載されている。「ワクワク」という言葉多く使われており、右下にはワクワクさんの画像が貼ってある。
(実際に使用したCacooスライドの一部。様々なコメントが並び活発な議論が行われた。「ワクワク」という言葉が随所に並び、ワクワクさんの画像まで登場!)

3日目に向けて

2日目の終了時点でも、参加者に納得感のある文章までまとめ上げることはできませんでした。

そのため開発部部長預かりとし、部長が3日目までにこれを再整理することになりました。

3日目:復文の再検討と振り返り

暫定のミッションのブラッシュアップ

部長が再整理した結果の文章の発表と、それに対する参加者からフィードバックをもらいました。

納得感のある文章にまとめるところまで行えなかったため、以降は部長預かりとしてワークショップの本編は終了となりました。

ワークショップの振り返り

最後にワークショップ全体の振り返りを行いました。

ヌーラボはフルリモートワークのため、対面だからこそ感じられる熱量や雰囲気、雑談の場などに対するポジティブな感想も多かったです。また議論を重ねて協働する過程で互いの仕事や能力に対するリスペクトが生まれたり、多様な意見をしっかりと聞けたことに対しても多くの人がポジティブに捉えていました。

今後の課題としては、ミッションが決まった後にチームにどのように伝えるか、ミッションで述べられそうなことと現在の取り組む業務に乖離がありそうなメンバーへの伝え方などが挙げられていました。

以上でオフラインのワークショップは終了となりました。

Step4:言葉の絞り込み

ワークショップで出された意見を参考に、最終的な言葉の絞り込みを部長が中心となって行いました。

このパートでも、参加したメンバーから随時フィードバックを受けながらまとめ上げていきました。

こうして完成したのが以上のミッションです。

最後に

このプロジェクトを通じて、開発部メンバー全体の共通認識を深め、今後のサービス開発の指針となるミッションステートメントを作成することができました。 今後はこのミッションを胸に、チーム全体で目標達成に向けて進んでいきたいと考えています。 

主な参考文献

ワークショップ設計にあたってはさまざまな記事や書籍を参考にしましたが、主なものは以下の通りです。どちらの書籍もワークショップを設計する上でも、ワークショップ中のファシリテーションを行う上でも大変参考になりました。

問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション(安斎勇樹・塩瀬隆之)

ワークショップ(中野民夫)

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