宮古島で中学生の爆発する好奇心に圧倒されました #ヌーラボのリゾートワーク

はじめに

サービス開発部の藤田です。リゾートワークへの参加は4回目となります。今回は宮古島でお世話になったのでそのレポートをお届けします。

この記事はヌーラボブログリレー2023 for Biz Advent Calendar 2023の7日目です。

リゾートワークについて

リゾートワークの制度については、コミュニケーション部のAngelaさんによるブログ記事「声を大にして伝えたい。リゾートワーク制度は福利厚生ではなく教育研修制度です」に詳しいので説明はそちらにお譲りします。

とても簡単に言うと

  • 社員はいつもと違う場所で教師や講師などのいつもと違う仕事を体験する。
  • 会社は標準的な宿泊費、交通費に相当する補助を出してくれる。家族の分も補助してくれる。

という研修制度です。

僕にとってのリゾートワーク

僕にとっては、去年のリゾートワークでのブログ記事「佐渡の若者に教えつつ年をとってきた自分が学んだこと」に書いた通り、わかりやすいスキルを獲得するためではなく、何か初めての場所やいつもと違う体験から「ちょっとしたこと」を得る機会と考えています。そういうものを得るのに、旅はうってつけです。

本当は家族と一緒に行ければ最高なのですが、高校生と中学生を一週間まるまる学校休ませるのは気が引けるため、いつも一人で行っています。一人旅も、それはそれで好きなので大丈夫です。

リゾートワークは行った先で学校の授業をするという制度上、夏休みや冬休みに行けないため、周りの人には家族で行きたいなら子供が小学校に上がる前に行ったほうがいいとおすすめしています。

今回の行き先は宮古島

過去3回の参加で宮古島、東川、佐渡と3箇所全部巡ったので4回目はまた最初に戻って宮古島に行くことにしました。前回行った2018年の記事「宮古島の中学校で問題解決ワークショップの出張授業をしてきました」を読み返して思い出しつつ、今回対象となる中学生たちにどんな体験を提供できるかについて考えました。

宮古島市立城東中学校での授業

2授業(1コマ+2コマ)やることに

行先が宮古島市立城東中学校に決まり、中学生対象で自分が提供できるものとして「モチベーションについて」「プログラミング体験」の2つを考えたのですが、どちらがいいか決められなくて概要を作って先方の先生に相談したところ、「あの……たいへんあつかましいお願いなのですが……両方やっていただくわけには……?」と言われたので、「いいっすよー!」と安請け合いして両方やることにしました。準備は大変でしたが、それで若い人のためになるならと頑張りました。

両方の授業で使うため、全員に学校配布のChromebookを準備してもらうようお伝えしました。コロナの時期に全国の小中学生に配布されたPCは、まだフル活用とまでは至っていないようですが、使いたいときにすぐ利用できていいですね。

1時間目 モチベーションについて

なにかの行動を「やってない状態」から「やる状態」に変化する時、心のなかではいろんな事が起こっています。それがモチベーションで、多くの心理学者により研究されています。僕は心理学者ではなくIT技術者ですが、個人的な興味で少し書籍などでモチベーションについて勉強しています。

まず、中学生のみなさんに伝えたい内容として3つのメッセージを設定しました。

  • みんな心のかたちが違う。
  • みんな違うんだから「◯◯をやれば必ずモチベーションが上がる」と言われたことをやってもその通りにならないのは当たり前。自分がダメなのではなく、合わなかっただけ。
  • 「やる状態」に変化するには、ノリノリでやる気満々になる必要はない。自分の気分はちょっとだけコントロール可能なので、やるべきことが時々できるようになるといいですね。

藤田が教壇に立ってなにか喋っている。黒板に「ヌーラボ出張授業」とデカデカと書かれた張り紙。

Google Formを多用した

「みんな違う」ことを実感してもらうのと、生徒さんが退屈でドロップアウトしてしまうのを防ぐために、Google Formを利用しました。

全員にタブレットPCを用意してもらい、僕の指示でGoogleスライドのページをめくるたびにアンケートへのリンクが現れ、答えながら進めるのです。アンケートに答える際は隣や周りの人と話し合ってもいいし、回答を見せあってもいいと伝えました。

生徒のみなさんがFormに入力する間、教室前のスクリーンにはGoogle Formの回答集計画面を表示しました。クラスの仲間が回答するごとにリアルタイムにグラフがグリグリ変化していくのが楽しいかなと思ったからです。結果的に、最後の質問までクラスのほぼ全員が答えてくれたので、ある程度狙い通りにいったのではないかと思います。

すごく好き!ってわけじゃないことをするときの気分に一番近いものはどれ?というアンケートの集計画面で円グラフを表示している様子。半分近くは「やるしかないからやる」だがそれ以外はバラバラに意見が分かれている

みんな違う

設問は「あなたのいつもの行動は?」「その時のあなたの気分は?」のように自然に答えやすいものとし、結果を見ながら「みんな違いますね。」「多い意見はあるけど、それ以外の人もみんなバラバラですね。」という話を毎回しました。クラスの仲間がみんな違うことを感じ、考えていると実感できたのではないかと思います。

「今一つだけ選んでもらったけど、本当はいくつかの気分が混ざってるでしょう?」と聞いてみると何人かの生徒さんは頷いてくれました。同じ回答を選んだ人同士も全く同じ気分ではないということですね。

記述式で書いてもらう設問も少しだけ用意しました。キーボード操作が上手な人もそうでない人も頑張って何か書いてくれて、回答集計画面をみながらみんな少し笑顔が見えたのもよかったです。

モチベーションをコントロールする方法

誰でも絶対うまくいく方法なんて存在しませんが、たまたまフィットすれば、時々うまくいくかもしれない方法としていくつかの方法を紹介しました。もし自分がやるなら、とイメージしながら聞いてもらえるように「どれが自分に合いそうですか?」というアンケートの補足説明として話しました。

メッセージ、伝わったかな

ちょっとだけオーバーしてしまったので次のコマの冒頭で最後に伝えたかったメッセージについて話しました。なにかちょっとだけでも影響を与えられていたらいいなと思います。

スライドの画面。内容:自分の価値観にあったやり方を試そう。『○○をやれば必ずモチベーション爆上がり!』は嘘です。みんな違うので  「○○をやったけどダメだった…自分はダメ人間…」←一番良くない  やろうと思ったことが少しだけ、うまく進むようになったらいいですね。

給食をいただきました

1時間目が午前中最後のコマだったので、2時間目の前に給食を一緒に食べさせてもらいました。ラッキー。

中学校の給食。ごはん、肉味噌納豆、味噌汁、野菜と肉の炒め、みかん、牛乳

近隣の3つほどの学校を1つの給食センターでカバーしているらしく、距離が近いため炒めものもスープも温かくて大変美味しかったです。

わかりやすい沖縄メシ!ではないメニューですが、やっぱりちょっと味付けに地域差が感じられたのも楽しかったです。帰ってからうちの中学生の娘に写真を見せたら「うちの学校より美味しそう」と言ってました。

2時間目 プログラミング体験

午後は2コマ使ってプログラミング体験をしてもらいました。この授業で設定した目標は以下です。

  • とにかく自分で何かプログラムを書いたら目に見えて動く体験
  • ループの構文でいくらでも繰り返し回数を増やせることを知ってもらう
  • なんかこれ面白いぞ!と思ってもらう

各人のプログラミング経験をチェック

念のために、授業の最初にまたGoogle Formで生徒さんたちのプログラミング経験をチェックしました。インターネットでいくらでも自己学習できる時代ですからね。

使ってプログラムを作ったことがあるものを選んでください。というアンケートの回答集計画面。Scratch経験が3人、作ったこと無いのは残り24人全員。

小学校でScratchを少し触った以外に経験者はいなかったので、一応用意していた上級者向けコースはお蔵入りになり、全員同じお題でやってもらうことにしました。

1時間目と同様に、他の人と自由に話しながらやってOK、自由に出歩いて他の人の画面を見に行ってOKというルールです。

動く亀さん

全員の前にChromebookがあることから、ブラウザ上でプログラムを書いて実行できるようなサービスを使って進めることを考えました。言語はもちろん、高校の情報科目に採用されているPythonです。

今回使ったのはCodeHSというプログラミング教育用サービスでPythonを学ぶためのツールです。

Python Sandbox | CodeHS

類似のサービスは他にもいくつかあったのですが、検討した中では

  • ログインしないで使える
  • プログラミングに初めて触れる人用にとても優れた学習ツールであるPython Turtleを使えて、さらにimport文や t = Turtle() といった初学者にとってノイズになる構文無しで書ける

ことから、ここに決めました。

CodeHSを動かす様子

亀に対するコマンドをPython言語で書いて、「Run」ボタンをクリックするとその通りに亀が動くというプログラミング体験が、2クリック程度で可能になります。すごい。UIも説明も全部英語ですが、丁寧に案内すると生徒さん全員がちゃんとエディタ画面にたどり着けました。

好奇心、爆発

「こうやったら亀がこう動きますよ」といくつかの書き方を教え、その都度「Run」で実行してもらいました。そして関数の呼び出し、引数、forループ構文と教えていったあたりから、クラスの生徒さんたちの様子が変わりました。

僕の出した「五芒星を描いてみましょう」「関数を作ってみましょう」などの設問にチャレンジしている生徒さんは半分以下になりました。

残りの皆さんは自分の名前を漢字で描こうとしたり、自由なイラストを描こうとしたり、ループ回数を大きくして亀をグルグル回して謎の幾何学模様を生成したりなど、自分の興味に向かって突っ走ってました。活発に席を行き来して互いに作品を見せ合ったりしてなかなかのテンションでコントロール不能になりました。しかし、CodeHS以外のことをやっている人はいませんでした。

もともと楽しんでもらうのが第一目的なので、もうこれで目標達成です。そこからは無理にコントロールしようとせず、皆さんが自由に書いているのを見回って、「いいぞもっとやれー!」と僕も楽しませてもらいました。

藤田が生徒さんの画面を覗き込んでいる。その隣の生徒さんが助けてくれている。

藤田が生徒さんのPCのキーボードを操作している。その隣の生徒さんも興味津々で見ている。

「ここがうまくいかない」「ちゃんと動かない」と困っている人を周りの人が助けたり、うまく動いたときに「やった!」と拍手が起こったり、とてもいい雰囲気で時間があっという間に過ぎていきました。

授業、終了

時間になったのでみんなが熱中しているのを頑張って中断して、最後にプログラマーおじさんからのメッセージを伝えて終了しました。

Pythonプログラミング体験というスライドのページ。内容:少しだけ体験してもらいました。 もっと興味のある人は自分で学ぶことができます。 @IT Python入門 で学習 Google Colaboratory で実際に書いて実行 結構、いろんなプログラムを作れるようになります。 インターネットではみんなが平等です。住む場所の差は昔よりささいなことになりました。「学びたい、知りたい」という気持ちがあったらどんどん使いましょう。

あとで送られてきたプレゼント

後日、生徒のみなさんから感想文を綺麗に冊子にしてくださったものが送られてきました。みなさん楽しんでいただけたようでなによりです。

生徒さんたちの今後の人生のどこかで「モチベーションってあったなー」「プログラムって面白かったなー」と思い出してもらえたら幸いです。

宮古島観光

晴れた!

宮古島は2回目です。2018年に行った前回は滞在期間中ずっと雨で、思い描いていた「沖縄!海!青!」という感じではなく非常に残念でした。

今回は初日こそ曇りでしたが、2日めからは晴れて、やっと本気の宮古島に出会えたという感動を味わいました。本当に、晴れと雨では全然違う場所!と思えました。

宮古島の路地。コンクリート造りの建物。毎年台風にさらされるのでうらぶれて見える

宿に向かう道。宮古島は強烈な台風に耐えるためコンクリート造りの建物が多く裏路地はだいたいこんな感じです。

2階から見下ろす住宅街の町並み。コンクリートばっかり

宿の窓からの風景。いいコンクリートでした。

宮古島海中公園。建物が海中にあり、耐水のため金属の太い枠にはまった窓が並んでいる

宮古島海中公園。窓の外は海で、熱帯魚がたくさん泳いでいて楽しめます。

深く青い空、エメラルドブルーの海、白い砂浜。

これが宮古島の本気の色!これが見たかった!

島と島をつなぐ来間大橋。空は深く青く、海はもっと深い色

どう撮っても美しいので海と空の写真を撮りまくりました。

地質、地形萌え

宮古島は珊瑚礁が隆起してできた島で、地表に出ている部分はほぼ全てが珊瑚礁由来の石灰岩です。そのため地形が生物的にぐねぐねしていて、坂道を眺めてニヤニヤできます。

平良地区の一角。3階建ての建物ぐらいの高さの崖、崖の上下に家。

街なかでも高低差と歪みがすごいです。

白化した珊瑚の細かい化石が浜辺にびっしり落ちている

遠目から見たら真っ白な砂浜ですが、近づくと全部白化した珊瑚の化石です。

直径1mぐらいの巨大な珊瑚の化石

大きい岩も全部なにか生物の化石です。

地下ダム資料館の入り口。非常にいい天気で植え込みの植物は南国風

前回時間がなくて断念した地下ダム資料館に行けました。宮古島の農業を支える世界最大級の地下ダムがなぜこの島で可能になったのか、ダムができる前はどんな暮らしだったのか、「えっ、地下ダムってそんなふうに作るの!?」という驚きの展示と盛りだくさんです。

ほぼ貸切状態で、一人で2時間くらいうろうろしてたっぷり楽しませてもらいました。

歴史萌え

縦横5mぐらいの古い建物。30cmくらいの岩を積み上げた壁に藁葺の屋根。

ウイピャームトゥの祭場。ちょっと山を上った森の中に4つの建物が保存されています。300年ほど前の遺跡が現在もちゃんと季節ごとの祭事に使われていて、建物の中に一升瓶やプラスチックのトレーなどが残されていました(笑)

そしてこんな山の上でも、岩は全部珊瑚の化石なのが面白いです。

神社の境内。「仲宗根豊見親」の赤いのぼりが立っている

宮古神社。宮古島の古い信仰の対象である漲水御嶽のすぐ隣に内地由来の神社が建っています。祭神は熊野三神と宮古の三英雄。ちょっと由来や機能が複雑そうで、当時の琉球と内地の関係をWebで調べつつ、書かれていない事情について妄想してしまいます。

階段で5mくらい下った洞窟の中から外を見上げている。洞窟の幅は5mくらいあり結構広い。

盛加(むいか)ガー。住宅街の路地裏になんの看板もなくぽつんとあります。

水道が整備される以前に平良地区が宮古島の中心になったのはこのウリガー(堀り井戸)他、いくつかの豊富な水源が点在していたからだと思われます。地下ダム資料館でガーの仕組みや歴史について学習済みなので「おお、この深さに水面が」とニヤニヤしながら石の階段を下りました。

美味しいものたくさん

毎日レンタカーであちこちを巡りながら目についた美味しそうなものを食べまくりました。

ハンバーガーとポテトのセット

宮古での初メシは「K’s PIT DINER」。アメリカンで美味しかったです。ルートビアも癖になります。

薄緑色のジュース。蓋の上にサトウキビの枝を細く割ったものが添えられている。コップの横には丸い沖縄風ドーナツ

「宮古きび茶屋」でサトウキビ絞り機の体験をして、搾りたてのサトウキビジュースを飲みました。甘くてすごい爽やかで美味しい!

ゴーヤーチャンプルー、ごはん、宮古そばの定食

いかにも沖縄、という感じの「大和食堂」の定食です。美味しくて思わず次の日もリピートしました。宮古そばは沖縄そばよりザラザラした食感で癖になるのですが、それは石灰地質で水が硬水だからなのです。すべては科学です。

おしゃれカフェのランチプレート。サラダ、ハム、クロワッサン、卵

「カフェ・ド・M」の朝ごはんに食べたクロワッサンが完璧すぎて驚きました。

ガーリックシュリンプとごはんのワンプレート

西平安名崎の「HARRY’S Shrimp Truck」でハワイアンなガーリックシュリンプを食べました。パンチ強くて美味しいです。

もずくの天ぷらとビール

「しゃぶ邸 井口」で三線ライブを聴きながらもずくの天ぷらを初体験しました。ねっとりして美味しいです。

琉球産鴨のクリームソースパスタ

リッチピープル御用達のシギラリゾート地区に出来たばかりの「イタリアンレストランTAKI」に偶然行き当たりました。琉球産鴨のクリームソースパスタ、めちゃくちゃ美味しかったです。今回の旅行のベスト食事は、迷うけど僅差でここかなあ。

ロールパンにでかいハンバーグが2つ挟まってボリューム満点のハンバーグサンド

下地島空港は新しくて綺麗で広くて、恐ろしく居心地が良かったです。そしてハンバーグサンドが美味しい。

おわりに

毎年のようにリゾートワークに参加させてもらっていますが、毎回違う刺激を受けられてとてもありがたく思っています。いつも学生さんたちに元気をもらっています。受け入れてくださった城東中学校の先生方、生徒さんたち、ありがとうございました。

いつもそうなのですが、なんの計画も立てずただ車で走り回る一人旅は学生の頃のようで、頭を空っぽにして楽しめていいリフレッシュになりました。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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