佐渡の高校生にアクセシビリティを紹介してきた #ヌーラボのリゾートワーク

こんにちは!Cacoo課の高橋です。私は11月、ヌーラボのリゾートワーク制度を利用して佐渡にいってきました。私はリゾートワークの「リゾート」要素よりも、ヌーラボのリゾートワークの特徴でもある「研修制度」に興味があり参加を希望しました!

思い出の写真とともに私のリゾートワークを振り返ります。

カフェの入り口正面で記念撮影をするわたしと息子。木造のカフェの扉にはカモメ、外壁には加茂湖のイラストと店名がペイントされている。加茂湖のそばにあるカフェ caMoco café 湖ASOBiの前にて、息子と私

どんな制度なの?

リゾートワーク・ワーケーションとは、リゾート地などに行って仕事をすることですが、リゾート地に行ってまで仕事をしたくないなぁと個人的には思います。ヌーラボのリゾートワーク制度のいいところは、滞在先の学校等で授業をすることが私達の研修とされていることです。その研修をするための滞在に必要な費用が一部補助されるという制度です。

詳しくはアンジェラさんが書いた記事「声を大にして伝えたい。リゾートワーク制度は福利厚生ではなく教育研修制度です #ヌーラボのアドベントカレンダー」をご覧ください。

並木道の右側にトキの森公園と書かれた石銘板があり、その手前には木製でトキの形をした受付の看板が立っている。看板の奥に小さな男の子の後ろ姿がある。私が授業をやっている間に家族が訪れたトキの森公園

この制度のいいところ

普通に会社員として働いていると学校で授業をする機会に恵まれることはめったにありません。その機会を会社が与えてくれるのがこの制度のいいところだと思います。

授業内容に指定はほぼありませんが、過去の参加者をみると自分の得意分野や専門分野に関連する授業をすることが多いようです。基本的には自分で内容を決めることができます。自由度が高い分、難しいところもありましたが、自分が何を伝えたいか悩みながら授業内容を考えていくのはとても楽しかったです。

キウイ、オレンジ、バナナ、柿、バニラアイス、いちごソースのかかったホイップクリームで構成されたパフェ授業が終わって休憩した caMoco café 湖ASOBiのフルーツパフェ

越境学習としてのリゾートワーク

今年のリゾートワークでは事前に法政大学の石山先生を招いて、「#ヌーラボのリゾートワーク を大解剖!越境学習の視点から学びを見直す一時間」というイベントを開催しました。このイベントでは、石山先生から「アウェイとホームを行き来することで得られる経験」についてお話を聞くことができました。

授業を準備する中で、いろんなアウェイに遭遇しました。佐渡という土地、令和の高校という環境、ITサービスに無関係な人の中にいるITサービス開発者としての自分…すべてがアウェイでした。自分はアクセシビリティについて授業で話をしましたが、アクセシビリティなんてその高校の先生や生徒の生活では全く登場しないトピックで、それもまたアウェイ。

そんな中、どうやったら自分の話を楽しんでもらえるのか。やや専門的な内容を伝えるにはどうしたらいいか、たくさん悩みました。

海の浅いところを裸足で歩くわたしと小さな男の子(息子)たまたま温かい日だったので海に足だけ入りました。

佐渡の高校生はどんなことが好きだろう?普段どんなITサービスを利用するだろう?いろいろ考えましたが何一つわかりません。それに実際、佐渡の高校生の中にも、ITに詳しい人、詳しくない人、スマートフォンをよく使う人、パソコンを使う人、テレビが好きな人、いろんな人がいるでしょう。

悩んでいる途中、いくら考えたって仕方ないということに気づきました。そして、とにかく誰にでも伝わるように、可能な限り難易度を下げようと工夫することにしました。専門的な用語は避け、みんなの身の回りにあるモノや状況についての話を中心に。専門的なテーマが入る時間は、なるべくグループで手を動かしてもらったりするワークを取り入れ、できるだけ退屈させないようにしたつもりです。

皿にのった寿司。いくら細巻きは6つに切られている。小さなこどもが皿にのったいくら軍艦を手にとろうとしている。佐渡で評判のお寿司やさん長三郎寿司のいくら細巻きと軍艦

授業の内容

私は広くアクセシビリティについて紹介する授業をしました。授業の前半は、高校生にとって一番身近(と思われる)なデジタル機器スマートフォンに搭載されているアクセシビリティの機能について話しました。みんなが学校から配布されて使っているiPadのアクセシビリティの設定を実際に触ってもらったり、iPadの読み上げ機能「VoiceOver」を使いながらiPadのメモアプリを操作してもらったりしました。

後半では、みんなでUser Inyerface(外部サイト: https://userinyerface.com/)という不便なウェブサイトを触りながら使いにくいUIについて考えました。少しだけ、アクセシビリティに関連する法律や海外のアクセシビリティの動向について触れたり、ゲームのアクセシビリティ機能について紹介したりもしました。

授業の中で一番盛り上がったのは、意外にもVoiceOverを試すワークの時間でした。みんなが使い慣れているはずのiPadから声が出ることと、普段のように操作できない不便さがウケたようです。

iPadのVoiceOverについて参考ページ(Appleのサポートコンテンツ)

教壇に立ちパソコンを操作している私。黒板の左側にはプロジェクター用のスクリーンがある。授業を準備するわたしの様子

リゾートワークの成果

リゾートワークに参加して一番良かったことは、アクセシビリティに興味のない人にどうやったらアクセシビリティの話を聞いてもらえるか、考えて実践できたことです。このことは以前から自分の課題でした。

チームで、部署で、会社で…アクセシビリティの話に興味をもってもらうには、どんなアプローチができるか考えてきました。今回は対象が一般の高校生だったので「どんなふうに紹介したら楽しんでもらえるか、笑ってもらえるか、面白いと思ってもらえるか、ウケるか」など、今までとは違う方向性で話す内容を組み立てました。

今まで、同僚やIT業界の人にアクセシビリティについて話すときは「アクセシビリティに取り組むメリットや必要性を理解してもらうためには?」という内容にすることが多かったのですが、今回のように「面白いと感じてもらい、興味を持ってもらう」というアプローチも大事だな!と気付きました。これはまさに、越境学習の収穫だと思います。

白ワインの入ったワイングラスを持ち微笑む私授業の終わった日の夜、ラ・パゴットさんでおいしい料理とワインをいただきました。

最後に

この制度を通じて新潟県佐渡市に初めて訪問しました。佐渡は海産物がおいしく、静かでいい場所でした。プライベートでも佐渡にまた行きたいです!そして、これからの社会をつくっていく高校生に出会い、授業をさせてもらえたことは本当に貴重な経験になりました。一生の思い出です。関係者のみなさまありがとうございました。

手に持たれたプチ麻婆丼とテーブルに置かれた北極やさいというラーメンの写真帰りの新幹線から降りたあとは中本でホッと一息。

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