東川日本語学校で伝えたこと、街や人々から学んだこと #ヌーラボのリゾートワーク

※このブログは ヌーラボブログリレー2023 for Biz Advent Calendar 2023 の8日目の記事です。

こんにちは!ウェブサイト課の松永です。

リゾートワーク制度という教育研修制度を利用して、2023年10月中旬に5日間、東川町に滞在しました。

カップに入ったソフトクリームが机の上に置かれている。道の駅ひがしかわ道草館にて、挨拶がわりのソフトクリーム

リゾートワーク制度とは

ヌーラボのリゾートワーク制度は2018年に始まり、過去にも多くのヌーラバーが参加しています。

簡単にいえば、エントリーした授業プランが認められた場合に、滞在期間中の一日は現地で授業を行う制度です。居住地と滞在地に応じた手当が支給され、授業日以外はテレワークするのも有給休暇の取得も自由です。より詳細なことは、制度紹介ブログ過去の参加レポートをご覧ください。

文字通りリゾートでテレワークをするだけでなく、授業で自分に何が伝えられるのか、これまでの経験を棚卸しして考える必要があります。また、新しい体験から得た新しい発見・発想などをこれからの業務に取り入れることも、この制度のねらいです。

個人的には学習塾で働いていたこと、社会人になってから通信制大学に入っていたことなどから教育分野に関心があり、入社前から気になっている制度でした。

授業の内容について

私が今回お世話になったのは、東川町立東川日本語学校です。

せんとぴゅあI入り口にある看板。せんとぴゅあⅠの看板。複合交流施設で、カフェや展示スペースなどもある

授業の概要は、8月中旬に東川日本語学校の担当者様との打ち合わせで決まりました。

東川日本語学校には、卒業後にそのまま日本で就職する方が多くいらっしゃいます。その中には私たちと同じような業界を志す方もいらっしゃいますが、経験がなければ働くイメージがしにくいはずです。もう少し現場で働くイメージができるような状態でエントリーしていただけると、ミスマッチにならなくて個人・企業にとってよいと思いますので、私たちのいる業界について説明をしました。

もし自分に合わなそうだと思ったらそれに気づいただけでもOK!と認識を合わせながら、授業の方向性を決めていきました。

せんとぴゅあⅠの建物の外観。せんとぴゅあⅠの外観。2階が東川町立東川日本語学校の教室

授業当日の雰囲気

授業の当日は不安でそわそわしながらも、近隣施設のせんとぴゅあⅡで待機。多くの留学生とみられる方々が自主学習に励んでいました。今回担当する授業は、通常授業のあとの特別授業として行われましたが、下校する時間にわざわざ集まってくれる方々にとって有意義な時間になればという気持ちが強くなっていきました。

授業の直前には、担当者様に校内を案内していただきました。東川小学校の旧校舎を利用した教室のため黒板が残っており、アニメの影響もあって留学生からウケがいいこと。久しぶりに耳にした日直という役割があること。お弁当をあたためるための電子レンジがたくさんあること。そして、牛乳がおいしいので牛乳パックの人気が高いということもお聞きできて興味深かったです。

セイコーマートの北海道牛乳200mlパックが未開封で机に置かれている。後日、影響を受けて牛乳パックを購入

学校に勤務している方々にもご挨拶できました。そのときの「留学生のみなさまに助けられている」という言葉は印象的でした。その言葉の通り、受講生のみなさまは授業中、真剣に話を聞いてくれました。(うなずきながら聞いてくれる人のほうを頻繁に見てしまったかもしれないです。笑)

また、日本語の習熟度に差があるので、一部の生徒があまり授業内容を理解できていなかったのですが、受講生が通訳してくれたことで本当に助かりました。

今回の授業では、受講生のみなさまがどの職種に就くのかが予想できなかったため、どの職種にも通じるような話をする必要がありました。そのため、相手に正確に情報を伝える難しさを体感してもらうワークショップを実施しました。「紙と鉛筆を使って、口頭で伝えられたとおりに絵を描く」といったものです。このワークショップはウェブサイト課のメンバーに事前に体験してもらっていて、難易度を調整できていたのが功を奏しました。快くプレビューに付き合ってくれた課のメンバーに感謝しています。

3人組で話し合いながら、ひとつの机でワークショップをしている。一方的な説明にならないようにワークショップを用意

2人組でお互いが持っている紙を照らし合わせている。初対面同士のメンバーでも協力的

他にも、普段の私の業務を体験してもらうために、簡単なHTML/CSSコーディング体験のワークショップも実施しましたが、これは想定以上に早く終わり、日頃からデバイスを使い慣れていることが理解の早さに繋がっていそうだと思いました。

伝えたかったこと

業界についての説明はもちろんのこと、下記のことを覚えて帰ってほしいと思っていました。

ひとつは、「興味を持ったものがあれば、まずはそれをやってみる」ということです。仮にエンジニアになりたいとすれば、まずコードを書いてみることからだと思います。まずはやってみることで、「なんとなく面白そうな仕事」のイメージから脱することができると思いますし、次の課題も見つかってくると思います。当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、自分もTry Firstを忘れずにいたいと思います。

もうひとつは、「相手の立場を考えたコミュニケーションをすること」です。自分が知っていることを相手は知らないかもしれないですし、相手のバックグラウンドによっては専門用語が伝わらないこともあると思います。色覚の多様性についても、普段気にしていることのひとつとして説明をしました。人によって色の見え方が異なるため、色の組み合わせによっては伝えたいことが伝わらない可能性があります。物事をうまく伝えるために言語の学習も大切なので、留学生のみなさまには心から敬意を持ちつつ、言語とは別の視点で情報を正確に伝えるにはどうすればいいかを考えるきっかけになればと思いました。

当日に利用したスライドの一部。「ひとによって色の見え方がちがう」ことを伝えている。カラーシミュレータを使って色の見え方の違いを説明した

学んだこと・感じたこと

今回の授業では、人がたくさん集まるようなテーマ・内容にしないといけないと思っていました。教壇に立つことは初めてだったので、無意識のうちにそのような考えになっていたのだと思います。

それに気づくことができたのは、今回お世話になった担当者様から「人数を集めるのは大事なことではなく、必要としている人に必要なことがしっかり届くことを大事にしている」という話を伺うことができたからです。この考えはサービスを運営する立場に置き換えれば、ただユーザーを増やすことが大事なのではなく、ユーザーの満足度を高めることが大事ということに通じていそうだと思いました。

授業の最後には「就職のことで相談があればいつでも相談室に来てください」といった旨のお声かけをされていました。私も多様性を理解して一人一人の課題に寄り添うことを忘れずにいたいと思いました。

街にもヒントがあったと思います。東川町は「適疎なまちづくり」を掲げており、ほどよいゆとりで人々が自分らしく豊かに暮らすことのできる町を目指してきたといいます。適疎と豊かな暮らしの因果関係的にちょっとズレがあるかもしれないのですが、留学生のごく少数に対する授業になってもその方々のためになる情報を届けることは、まちづくりのスタンスと近いものを感じました。街全体から新しい発見・発想を吸収することができたと思います。

フォトストリートと書かれた看板。真ん中がくり抜かれていて向こう側が見える。街に突然フレームが出現。遊び心を忘れない

くり抜かれた看板の向こうには大きな木を囲んで、円形のベンチが設置されている。のぞいてみると、木を囲んだ円形のベンチが切り取られている

旅行記

今回の滞在は10月中旬ですが、東京で12月に着るくらいの服装にしました。旭川空港に向かうときは薄着っぽい人が多くて「服装間違えた…」と思いましたが、滞在期間中は天気が崩れがちで日毎に気温が下がっていき、結果的にちょうどよかったです。

気温計と時計の機能がついた「ほくしん」と書かれた三角型看板。気温は7.4℃、時計は9時45分を指している。気温計を見つけては写真を撮った

何名かの東川日本語学校生も好きなスポットとして挙げていた東川町の旭岳は、日本で一番早く紅葉が楽しめる山として知られています。今回旭岳に行くことはできなかったのですが、東川町の街中で紅葉を楽しむことができました。

広々とした芝生の広がる公園の向こう側には紅葉した木々がたくさんある。しっかり紅葉している(10月です)

授業の前などのちょっとした空き時間は、何かとせんとぴゅあⅡに立ち寄りました。東川町は写真の町ということで、多くの写真集が蔵書されています。今回カメラを持ち歩いていたので、すぐに取り入れられそうな撮り方がないかを探しました。

本棚のそばに椅子が置かれている。手前は丸っこい椅子で、奥はキューブ型の椅子。せんとぴゅあⅡの屋内。座ってみたい椅子がそこにはたくさんある

授業が終わってからは、地域のイベントに参加することができました。それは町外の人でも参加でき、この地域の雰囲気も体感することができてよかったです。イベントには留学生の方々も多くいらっしゃって、受講生の何人かと再会することができました。ちょっとした立ち話ではありましたが、授業のときよりも率直に話をしてくれた気がします。

「鮪と東川米」というイベントのタイムテーブルが書かれた貼り紙。イベントのタイムテーブル。マグロ解体ショー後にマグロ丼をいただいた

今回お世話になった担当者様には、このイベント情報のほかにも、地域のおすすめスポットを教えていただきました。東川町の周辺は木工家具で有名で旭川デザインセンターを紹介していただき、興味を持ったので行ってきました。ここではいろんな椅子に座ることができました。椅子だけでなく地域の木工家具がたくさんあるので、欲しいものがひとつは見つかりそう。

旭川デザインセンターの入り口付近にある企画展の看板。企画展では様々なソファが展示され、常設のショールームも充実していた

食事はどれも美味しくて、それを表現するのに語彙が足りません。スーパーマーケットに行くとお肉や野菜が北海道産のものばかりで、現地で食べたものはほとんど北海道産だったんじゃないかなと思いました。

そばランチセット。薬味はねぎとわさび。ミニ豚丼と茶碗蒸しも付いている。北海道産のそば粉を使ったそば、お米は東川産

ヌーラバーおすすめの居酒屋では、カウンターで隣に座ったサッカー指導者の方とサッカー談義ができ、元サッカー部としては興味深い話ができました。

いくらの小鉢、青つぶ貝、きゅうり、ねぎみそがひとつのお皿に盛り付けられている。お通しで最初から感動。初めて知った青つぶ貝の味

4泊した暮らし体験館は、評判通りとても快適で、気持ちよく過ごすことができました。今回DTM用の小さな音楽機材を持ちこんでいたのですが、暮らし体験館にこもって作業をすることはほとんどなく、5日間ほとんど外出して地域を満喫しました。カメラもDTMもやろうとしているなんて、ちょっと欲張りだったかもしれないですね。

2名がけのソファーの前にローテーブルなどが置かれている、くつろぎの空間。宿泊したお部屋。「すげえ」とぶつぶつ言いながらあちこち写真を撮った

おわりに

「活気のある街とは、若者が街を歩いていることだと思う」という話を伺った後は、街の見方が変わりました。街ゆく人々、街に飾られた写真などを見ながら、「活気」や「適疎」といったキーワードを思い浮かべていました。

通りの左側にある壁面には写真がたくさん飾られている。フォトストリートでは壁に写真が飾られていた

短い滞在ではありましたが、この「適疎」と言われるバランス感は私にとって心地の良い生活でした。まさに東川暮らし体験館で、日常に近いテレワークの暮らし体験をすることができました。この街に移住者が多い理由を肌で実感したように思います。

今回行けなかったところがたくさんありますが、また滞在するときのために取っておきたいと思います。またここに行けば、新しい発見ができそうです。このような機会を用意してくれた会社、迎え入れてくださった東川町の関係者のみなさま、ありがとうございました!

教壇で受講生のみなさんと撮影した記念写真。教壇で記念撮影。受講生のみなさまに幸あれ!

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