お互いの違いを愛するヌーラボにとっての「ダイバーシティとインクルージョン」って? #ヌーラボのポリシー

ヌーラボは2021年7月15日(木)に、ダイバーシティとインクルージョンのポリシー(以下、D&Iポリシー)を公開しました。D&Iポリシーは、ヌーラボの考え方の基礎となっているダイバーシティとインクルージョンに関して詳しくまとめた文章です。ヌーラボがD&Iポリシーにどんな想いを込めたのか、策定にかかわったメンバーの一部で話してみました。

参加したメンバー

Norberg Johan(ヨアン)

株式会社ヌーラボ サービス開発部 Backlog課のソフトウェアエンジニア。
スウェーデン出身、日本に住んで8年め。以前よりダイバーシティとインクルージョンに興味があったため、ヌーラボのD&Iポリシー策定にあたって自ら手を挙げ、プロジェクトを推進。

安立沙耶佳(アンヂェラ)

株式会社ヌーラボ 管理部 人事労務課。
2016年に人事としてヌーラボに入社。当初はヌーラボの多様な価値観に圧倒される。テレワークをきっかけに始まったヌーラボのコミュニケーション施策「Small Talk」の中でのヨアンさんとの会話をきっかけにD&Iポリシー策定を一緒に推進することを決意する。

吉田彩(あやたん)

株式会社ヌーラボ 管理部 人事労務課。
2021年5月にヌーラボ入社。前職は人材企業での営業担当。都内の大学生向けにキャリアセミナーを数年行う中、女子学生がまだまだ結婚後のキャリア、仕事と家庭の両立に大きな不安を抱えていることを目の当たりにしており、日本の働き方を変える一歩に取り組むヌーラボの一員になれたことに責任と喜びを実感。

五十川慈(メギー)

株式会社ヌーラボ 経営企画室 広報担当。
前職では、女性のキャリア支援を行う会社の立ち上げタイミングでの参画を経験。2020年3月に第一子を出産。夫は1年1ヶ月間の育児休暇を取得、自身は2020年9月にヌーラボ復帰。生きたいように生きられている自己の体験から、ヌーラボのダイバーシティとインクルージョンの精神がずっと変わりませんようにと願っている。

ヌーラボにとって、ダイバーシティとインクルージョンは「すべての基礎」

メギー:「ダイバーシティ(多様性)」や「インクルージョン(包括性)」という言葉は、最近いろんなところで耳にしますね。

アンヂェラ:そうですね。ダイバーシティはその名の通り「多様性」を表しています。多様性が高まると短期的には一致団結するのが難しいと言われがちです。そこでインクルージョンという言葉が出てきます。「包括性」を担保することで、どうやって多様なメンバーと協働し、目標に向かっていけるチームとなれるのかを考える。D&Iという言葉がセットで用いられるのはこういった段階があるからだと認識しています。日本ではここ数年、特に注目度が高まっていますが、海外では早くから大事だとされてきた概念です。

ヨアン:たとえばアメリカは、日本と比較して多様な人種で構成されています。人種や話す言語、宗教などの違いを感じる機会が多いぶん、ダイバーシティについて日本よりも早くから考えられてきたのでしょう。

あやたん:日本も「仕事とは、働きざかりの男性が毎日遅くまでやるもの」という時代ではなくなりましたね。この数十年で女性の就業率が高まったり、定年退職の年齢が引き上げられたりした背景もあり、同僚や取引先として接する人々にいろんな「違い」が出てくるようになりました。

厚生労働省による「令和元年版 働く女性の実情」より

メギー:確かに。ヌーラボはニューヨーク、シンガポール、アムステルダムにも拠点を持ち、社員の3割ほどは日本語が第一言語ではありません。そういう背景で、他社よりいっそう違いを感じる機会が多い気がします。たとえば私は広報という立場上、Typetalk(ビジネスチャットツール)で全社員に通知を送ることもありますが、私の第一言語ではない「英語」で発信していますね。

ヨアン:そうですね。それに加え、ヌーラボは提供しているサービスに日本以外からアクセスするユーザーも少なくありません。たとえばオンライン作図ツールの「Cacoo」は、海外ユーザーが多くを占めています。だから、良いサービスを作るために、ヌーラボ社員はダイバーシティやインクルージョンについて真剣に考えなくてはいけないと思います。さらに、私たちはユーザーの多様性を自分たちのチームにも反映させることが重要だと考えています。そうすることで、ユーザーのみなさまにより良い価値・製品を届けることができるはずですから。

あやたん:ヌーラボは2021年6月にブランドメッセージ「“このチームで一緒に仕事できてよかった”を世界中に生み出していく。」を発表しました。「このチームで一緒に仕事できて」の部分には、インクルージョンに不可欠な「belonging:所属感」が込められているように感じます。チームの誰もが認められ、個々の適性を活かして一緒に仕事ができる状態。ヌーラボがサービスを通じて叶えたい世界観とダイバーシティ、インクルージョンは切り離せないんですね。

アンヂェラ:その想いが、ブランドメッセージという手段で社内外により伝わっていくといいですよね…!このように、ヌーラボにとってダイバーシティやインクルージョンは「余裕があれば取り組む」ようなものではなく、サービスや組織を作る基礎そのもの。日常的に意識ができる環境を作ることに加え、ダイバーシティ研修を人事労務課の主導で全社員向けに行うなどして、文化や考え方の違いを学ぶ機会を設けるようにしています。

どんな違いも許容する。ただし、「多様性を認めない」ということだけは許容しない。

メギー:ところで、ダイバーシティと言えば、2017年のGeneral Meeting(ヌーラボの社員総会)での、海辺でのバーベキューを思い出します。マリンスポーツするもよし、社員同士語り合うもよし、スクリーンで大画面のゲームを楽しむもよし、ウトウト眠るも良しといった「プログラムなしの自由な過ごし方」は、入社してすぐの私にとって究極の多様性で衝撃的でした。

2017年 General Meetingでの一幕

ヨアン:ヌーラボらしい光景ですよね(笑)。ダイバーシティという言葉を聞くと、どうしても外国人の採用数や女性管理職比率、障がい者雇用の有無などを思い浮かべる方が多いと思うけど、それらはダイバーシティのひとつの要素で、本質的には「人の数だけ違いがある」。宗教、信条、言語、性的指向、家族や配偶者の有無など…。必ずしも、一目見て分かりやすい違いがある組織だけが「ダイバーシティに富んだ組織」ではありません。

あやたん:そうですね。私は、女性管理職比率の向上や障がい者雇用の推進は、とても良い取り組みだと思います。ただし、その前提として「人はみな違う。違いを尊重することが強みになるんだ」というスタンスを持つことが大事なのではないでしょうか。そのスタンスを持つことが、チームメンバーそれぞれの個性を活かしチームの成果を生み出す第一歩になると思うんです。

メギー:あ、そういえばヌーラボのD&Iポリシーには「ただし、「多様性を認めない」ということは許容できません。多様性に寛容な組織であるために、ヌーラボは多様性への不寛容には不寛容であらねばならないのです。」という強い意志を感じる部分がありますよね!いろんな人がいて、いろんな考え方を良しとするなかでは「あの考えはダメだ!」という姿勢だけは良しとしてはいけないわけですね。

ダイバーシティとインクルージョンの第一歩は「知ること」

アンヂェラ:違いを尊重するという言葉が出てきましたが、ダイバーシティを担保する第一歩は「知ること」だと考えています。相互の違いを完全に理解することはなかなか難しいですが、相手を知り、自分と違う相手を尊重することからダイバーシティとインクルージョンが生まれます。そのために、ヌーラボが行っているダイバーシティ研修では、いろんなバイアス(先入観、思い込み)を知ることを重視しています。

メギー:まずはいろんなバイアスを知るわけですね。あれ、でも…バイアスを持って相手に接するのは良くないという話も聞いたことがある気がします。

アンヂェラ:そうそう、その通りです!「相手はこうに違いない」と決めつけて、本当の相手を知ろうとしないのは良いコミュニケーションとは言えません。一方で、いろんな可能性があることを念頭に置いて接することは、ダイバーシティとインクルージョンを大事にする上で必要な配慮でもあると考えています。

あやたん:私自身、先入観は持たずに接するべきだと思っていたので、アンヂェラの意見を聞いて「なるほど!」と思いました。確かに「相手は自分と違う考えを持っていて当然だ」とか「見ただけでは分からないが自分と違うバックグラウンドがあるかもしれない」と思って接することができれば、気付かないうちに相手を傷つけたり、配慮に欠けた言動をしてしまったりと言ったことが減るだろうなぁ。

まずは明文化。ここから進化し続けよう!

メギー:今回公開したD&Iポリシーの締めの言葉は「このポリシーは今後も新しい価値観やアクションを取り入れ、更新し続けます。」となっていますね。今後、どんなバージョンアップが考えられますか?

アンヂェラ:まずは、このD&Iポリシーを題材に社内でもいろんな会話が生まれました。私たちの理想はどんな状態か?現在地としてどのくらい離れているんだろうか?など。そういった意味でとても良いきっかけを作ることができたと思っています。とはいえ、今回公開したものはバージョン1.0…いや、バージョン0.0かもしれない(!)。

あやたん:そうですね!ヌーラボの採用担当として、さらなるアクションはいろいろと考えられると思います。たとえば採用時、ヌーラボはすでに履歴書の提出を必須ではないものとしていますが、書類選考時の性別や国籍の情報共有をなくすといったアイデアがひとつです。他にも、女性エンジニアの絶対数が多くないという課題に対し、リゾートワーク制度などを通して女子学生にそういった啓蒙活動をすることも長期的にはダイバーシティとインクルージョンへのアクションに繋がると考えられますね。

ヨアン:良いですね!私は「Equity(公正)とEquality(平等)の違い」にも興味を持っています。同じ状況下でどうしてもディスアドバンテージになってしまうような違いを持った人に対しては、より多くのサポートがあって始めて公正な状態となります。平等なサポートを施すこと自体ではなく、公正な状態を作ることが大切なのでは、と考えています。

メギー:以前公開した採用ポリシーもそうですが、D&Iポリシーをきっかけに、他の企業、組織の方々とダイバーシティとインクルージョンについて語り合ったり、相互に影響を与え合ったりしながら「“このチームで一緒に仕事できてよかった”を世界中に生み出していく。」を実現していきたいですね。今日はありがとうございました!

ヌーラボのダイバーシティとインクルージョンのポリシーはこちら

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