メールからBacklogで課題を管理 独自の運用ルールでクライアントワークを円滑に

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クライアントワークで発生する課題の管理を、メールから Backlog に変更したという株式会社ディーゼロ。同社では、流動的な課題を漏らさずに起票するために、独自の Backlog 運用ルールを設けているそうです。その運用ルールを軸に、 Backlog 導入前と導入後のプロジェクト管理の変化について株式会社ディーゼロ 取締役 黒木 洋道氏にお伺いしてきました。

導入目的:お客様からの要望を柔軟に反映できるような課題管理がしたい 課題:メールでの課題の進捗管理は課題が乱立してまい、流れてしまいがち 効果:関連課題が発生しても、漏れずに管理できるようになった。課題の経緯を振り返りやすくなった

—貴社の事業内容をお聞かせください。

2017年で創業17年を迎える株式会社ディーゼロは、ウェブサイト制作、ホームページ制作を主な事業としています。「お客様の成長こそが私たちの成長である」を信条に、お客様のご要望の一歩先を行く「more(もっと)」をお応えすべく、創業当時から一貫して、デジタル領域を中心に多角的な提案をしています。 主なお客様は、民間企業や広告代理店です。お客様とのやり取りは、デザイナーやエンジニアに代わって、プランナーが担当しています。先方と戦略を練る重要な役割として、弊社の全社員の3分の1はプランナーです。プランナーと制作側が頻繁に連携することも多いため、部署ごとの垣根がありません。デザインやエンジニアリングだけでなく、こうした役割にも力が入れているのが弊社の強みでもあります。

— Backlog 導入のきっかけを教えてください。

Backlogを導入したのは、メールでの課題管理に煩雑さを感じたことがきっかけでした。現在、弊社での課題の管理や割り当てには、Backlogが使われています。導入前はメールを使っていましたが、メールによる課題管理は、Aの話題から突然Bの話題が発生した時に、Aの課題が漏れてしまうといったことが頻繁に起きており、問題を感じていました。Backlog導入後は、このような突然発生する課題を細かく分けられるようになりました。 具体例を出すと、お客様とデザインのやり取りをする際に、当初の計画から大きく修正が入ることがあります。Backlogを使えば、このような計画変更をすぐに課題に起票して、スケジュールの建て直しができます。さらに、ログも残るので、後から振り返ったときに、何がどのような経緯でなぜ変更になったのか、課題ごとにスレッドで追えるというのも魅力です。

メールでの流動的な課題管理から、どんな小さな課題も見逃さない確かな課題管理へ

—比率的には社内と社外どちらの用途で Backlog を利用していますか?

現在Backlogのプロジェクト数は100あります。比率的には、社内での起票が一番多いです。プロジェクトのカテゴリーは、主にウェブサイトの制作、サイトの更新・保守などの運用にわけています。社内プロジェクトは、運用改善プロジェクトや社内のスキルアップのためのプロジェクトなどです。

—導入前と導入後の効果はいかがでしょうか?

メールで課題管理をしていたときは、ラベルで課題の割り振りをしていました。Gmailを経由していたため、保存容量に限界があったり、ラベルによる課題の管理に手間どったりする問題がありました。Backlogは、容量を気にすることなく、一見してわかりやすい形で課題管理が円滑にできるのでそこに効果を感じています。 さらに、メールではできなかった、課題ごとに必ず担当者を割り振ることができるようになりました。Backlogでは、課題の担当者が複数人いる場合でも必ず、1人だけを責任者として設定する必要があります。1人に絞るのが難しい場合もありますが、課題が放置される状況が生まれません。さらに、課題の進捗ごとに担当者を変更できるため、実際のプロジェクトとの同期性も高いです。

黒木氏は年間300ものウェブサイトを制作しており、20件のプロジェクトを同時進行で進めている。Backlogを活用して、クライアントワークの管理を円滑に進めているそうだ。

クライアントワーク が多いことで生まれた独自の運用ルール

—お客様からの要望を Backlog へ起票することや管理上のルールはどのようにしていますか?

弊社では、お客様や代理店からの要望をお伺いするのはプランナーなので、主に彼らがBacklogへ起票・管理しています。 起票時のポイントとして、タイトルを「〜〜社の〇〇制作の案件」というように、明確にすることを心がけています。管理時の注意点として、もし〇〇の部分とはズレるような話題になってきたら、すぐに別の課題として切り出して登録し直す、というやり方は社内では暗黙のルールになっていますね。 切り出し方ですが「話題が変わってきたので、これは[〇▲×-1234(課題キー)]に切り出します。こちらで会話をしてください」というコメントを入れて新しい課題へ誘導しています。切り出しを頻繁にしないと、メールと同じように、プロジェクトごとにどんな課題があるのか、誰が担当なのかわからないまま、たらい回しにされてしまうためです。 プランナー以外の、デザイナーやエンジニアなどの制作側の使い方としては、課題をアサインされることが多いので、自身の裁量でアサインされた課題を分割して、スケジュールを区切るような使い方をしています。

—クライアントワークを支えるための独自の運用ルールなどはありますか?

弊社は、年間300ものウェブサイトを制作しており、月間では20件以上のプロジェクトを同時に走らせています。それらのほとんどがクライアントワークなので、確認作業も頻繁に発生します。そこで、課題のボールを自分かお客様か、誰が持っているのか混乱しないように分類できるような運用ルールを設けています。 仮想の「クライアント」というアカウントを作り、先方の確認待ちの時は、担当者をクライアントに、回答期限を課題の期限に設定しています。もちろん、この課題をお客様に共有するわけではないのですが、課題のボールを誰が持っているのかわかりやすい状態を作ることができます。

(写真右から)プランナー小西 珠美氏 デザイナー吉田 和生氏 コーダー 高木 小百合氏 エンジニア平尾 優典氏

—社内の全業種のスタッフが Backlog で課題を管理しているそうですね。 Backlog を全社的に採用する決め手は何でしたか?

Backlogをプランナーだけでなく、デザイナーやエンジニアも使っています。全社的に使われているのは、文言やUIの細かいところまで配慮されている点にあると思います。それが結果的に、社内でも抵抗感なく使えるようなとっつきやすさにつながっているのでしょうね。 個人的には、Backlogの課題に対する考え方も気に入っています。完了した課題は、基本的にいらないものとして分類しますが、Backlogでは、スター機能やバーンダウンチャートなど、成果としてかたちに残せます。完了したものはいらないものではなく、大切なもの。そういった考えで作られたBacklogのサブ機能は大きな魅力ですね。

—今後 Backlog に期待することを教えてください。

心理学で、算数の問題をたくさん解かせる前に、アイコンやテーマカラーを自分で設定するのと、設定しないのでは、その後の結果が変わった、という実験があったそうです。こうしたモチベーションを引き出す方法はとても重要だと思います。 機能を向上することに留まらず、Backlogならではの感覚的な要素に力を入れていってほしいです。600種類以上の豊富なアイコンなどが特徴的だと思いますが、ビジネスツールではあまり見られない、課題に向かう姿勢を少しでも盛り上げるようなサービスであることを期待しています。

—ありがとうございました。

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