トランスコスモス社では、ウェブ制作とマーケティングソリューション事業部でBacklogを導入しています。1日200件以上の課題更新を日課としているウェブ制作事業部と、オフショアでサービス開発を進めるマーケティングソリューション事業部でのBacklogを用いた業務の効率化についてお伺いしました。 ■デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 DECソリューション本部マーケティング1部1課 谷口翔(たにぐちしょう) Webインテグレーション本部Webインテグレーション1部インテグレーション1課 住澤優奈(すみざわゆうな) DX総括 DECソリューションS本部 マーケティングソリューション部2課チーフ 忠地順子(ただちじゅんこ) DX総括 DECソリューションS本部 マーケティングソリューション部浅井雄斗(あさいゆうと)
導入目的 | ウェブ制作:1日200件以上の課題更新を円滑に実現するためのプロジェクト管理ツールが必要。 マーケティングソリューション:オフショアの開発チームとのスムーズな連携が必要。 |
課題 | ウェブ制作:以前使用していたスレッド型のプロジェクト管理ツールでは、200件以上の膨大なプロジェクト管理には向いておらず、漏れが発生していた。 マーケティングソリューション:新しいサービス開発において、コミュニケーションツールとして、メールだけでは細かな作業管理ができていなかった。 |
効果 | ウェブ制作:膨大な量のタスクを漏れなく管理。ディレクターとお客様のコミュニケーションを促進。 マーケティングソリューション:メールでの進捗確認に費やしていた時間(1タスクあたり3時間)を5分程度に短縮でき、チーム内の進捗共有も効率化できた。 |
業種 | デジタルマーケティング、コンタクトセンター、ECをはじめとするITサービス |
アカウント数 | 95アカウント *2018年1月時点 |
Backlogを利用している部署 | ウェブ制作チーム、マーケティングソリューションチーム |
利用しているヌーラボサービス | Backlog(プラチナプラン) |
目次
ウェブ制作事業とマーケティング事業でBacklogを活用
―――Backlogを利用しているトランスコスモス様の事業について教えてください。
宮園:Backlogを利用しているのは、ウェブ制作事業とマーケティングソリューション事業です。ウェブ制作事業では、お客様とコミュニケーションを取りながらウェブサイトやキャンペーンページの画面設計、コーディング、デザインなどのフロント業務を進めています。一方で、マーケティングソリューション事業では、Google Analytics 360 Suite、アドビアナリティクス、セールスフォースなどのマーケティングソリューションを提供しています。 この2つの事業部が掛け合わせることで、制作・開発・データ分析などの企業のマーケティング活動をワンストップで行う、トランスコスモスのビジネス基盤にもなっています。 Backlogの利用用途としては、ウェブ制作では「お客様とのプロジェクトの進捗管理」、マーケティングソリューションでは「オフショアとのサービス開発連携」を目的に利用しています。
―――ウェブ制作事業とマーケティングソリューション事業の具体的な業務についてお伺いしてもよろしいでしょうか?
住澤優奈(すみざわゆうな):私はwebディレクターとして、お客様と開発者(デザイナー・コーダー)をつなげて、調整する窓口業務を担当しています。現在進めているのは大手旅行会社様で、同社のキャンペーンページの制作などを担当しています。 谷口翔(たにぐちしょう):私はチームのリーダーとして、webディレクターが進めている案件の進捗管理や、重要度・緊急度の高い案件の要件定義・制作進行を行っています。ディレクターが進めている案件でスタックしそうな案件があれば、進捗を確認したり、相談に乗ります。 忠地順子(ただちじゅんこ):マーケティングソリューション事業は、マーケティングオートメーションツールを用いたソリューション提案が主な業務です。具体的な業務内容としては、エンドユーザー向けのテクニカルサポート、ツールの活用提案などです。ツールごとにチームが分けられており、私はGoogle Analytics 360チームのリーダーとして、サービス開発、テクニカルサポート運用管理、個別案件の進行管理、プリセールス、メンバーの業務管理などを担当しています。 浅井雄斗(あさいゆうと):私は忠地と同じチームに所属しており、お客様の個別のケアから、ツールの情報をまとめたご提案書の作成などもしています。
20人のディレクターが1日200件以上の課題を更新。大型ウェブサイトの制作を円滑に進めるための取り組み
―――ウェブ制作の業務ではBacklogをどのようにご活用されていますか?
住澤:ウェブ制作プロジェクトは、要件定義・画面設計・デザイン・コーディングという流れで進んでいきます。各フェーズでお客様に意思決定をしてもらう必要があるため、それらのコミュニケーションをBacklog上で行なっています。
谷口:現在、担当している大手旅行会社様のウェブサイト制作では、約20人ほどのディレクターがサイト制作を担当しています。1日200件以上の課題が更新されており、1日20件以上、多いときでは40件ほどの課題が完了されます。 課題数がこれだけ膨大なので、対応や確認漏れが起きてしまうリスクも高くなります。なので、そうしたリスクを防ぐためにBacklogを活用しています。
―――プロジェクトと課題はどのような粒度で作成していますか?
谷口:プロジェクトは案件名で作成しています。「キャンペーンページ制作」という名前でプロジェクトを作成して、そのなかに課題として、要件定義、画面設計、デザイン、コーディングなどタスクを登録しています。 住澤:他にも、ツアー特集単位でプロジェクトを作成して、各ウェブページの制作案件を親課題として登録しています。ウェブページを作成するためのデザイン・コーディング時に、お客様とのやり取りが複数回行われる案件は、デザインとコーディングを別々の子課題で登録しています。プロジェクトはトランスコスモス側で作成して、親課題はディレクターとお客様両方で作成できるようにしています。
―――ウェブ制作タスクの管理に関するコミュニケーションは具体的にどのように進めていますか?
谷口:社内的な作業者のアサインや作業指示はメール、お客様とのコミュニケーションはBacklog、という分け方をしています。 皆、複数の案件を抱えているため、タスクの優先度付けに困る場合もあると思いますが、Backlog導入後は滞りなく案件が進行できるようになりました。「今何をするべきか」が一目でわかるということが一番の理由だと思います。 谷口:また、お客様にBacklogマニュアルを共有することで、課題内容のばらつき対策をしています。具体的には、プロジェクトの命名ルール、課題の立て方の粒度、課題の更新のタイミングなどを決定しています。お客様への伝えやすさという面ではwikiを活用しています。
―――ウェブ制作では以前はどのようなツールを利用していたのですか?
谷口:以前は、スレッド型のプロジェクト管理ツールを使用していました。課題数が少ないうちはそれでも問題なかったのですが、1日200件以上の課題更新になると、対応や漏れが起きるようになりました。 Backlogは課題ごとに担当者を設定でき、担当者ごとのタスクを一覧化、期日が近くなればアラートしてくれるなど、確認や対応漏れを防ぐ仕組みが散りばめられていると感じます。操作も簡単なので、あまりウェブ知識がない方も気軽に使いこなせるのも魅力ですね。
会議の事前準備が3時間→5分に短縮!Backlogがもたらした会議の時間短縮と質の向上
―――マーケティングソリューション事業ではBacklogをどのようにご利用されていますか?
忠地:マーケティングソリューション事業部では、オフショアとのサービス開発の連携を目的にBacklogを使用しています。
―――Backlogを導入したことで仕事にどのような変化がありましたか?
忠地:社内会議でプロジェクトの進捗の報告や確認のために費やしていた時間を大幅に削減できました。以前は、週次会議の資料づくりだけで2,3時間はかかっていたのが、Backlog導入後は5分で完了するようになりました。 具体的に、会議でタスクの進捗を共有する際に、議事録にBacklogの課題キーを記入しています。細かい作業の進捗については「Backlogで後ほど各自で確認してください」と伝えることもありますね。 そういう観点では、事前準備の短縮だけでなく、限られた会議時間のなかで全体で話し合うべき重要な議題に集中できるようになったのも大きな効果ですね。
―――円滑にプロジェクト管理を進めるために、Backlogの運用で気をつけていることはありますか?
忠地:ガントチャートに課題を表示させるために、必ず始まりと終わりの期日を入れています。また、メンバー1人あたりの作業工数を把握するために、課題にコメントする際に実績も入力してもらっています。オフショアとの連携では作業工数は重要な指標だからです。
―――今後のBacklogの活用計画を教えてください。
谷口:Gitを活用して最終成果物や中間成果物のバージョン管理をしようという案があがっています。ニアショアやオフショアで制作を進めているプロジェクトごとにファイルの管理問題が起きているので、それらをBacklogで解決したいです。 忠地:マーケティングソリューション事業部内でのBacklog利用を横展開していきたです。チームによってはBacklogではないツールを利用していて、不便さを感じることがあるので、自分たちのノウハウを別のチームにも伝えていきたいですね。
―――ありがとうございました!
取材実施日:2017年8月16日 ※本取材内容と取材対象者の現在の所属部署や就業状況は変わる可能性があります