予約管理システムを開発する株式会社リザーブリンクでは、以前より開発部門をメインにBacklogを活用いただいています。全部署とのやり取りが多い人事総務部門に横展開を実施することで、部署横断でBacklogの利用を浸透させることに成功しています。
今回は、同社のご担当者様に、人事総務業務にフォーカスしたBacklog活用法や導入前後の課題とメリットについて、お話を伺いました。
導入目的 |
人事総務部門のタスク管理のために導入 |
課題 |
① 頭の中でタスク管理をしていて、進捗管理ができておらず抜け漏れが発生していた ②他部署への情報共有ができておらず、人事総務部門の業務がブラックボックス化していた |
効果 |
① 業務が可視化されたことで、自分で対応すべき業務と優先度が明確になり、タスクの抜け漏れがなくなった ② 他部署が介在する業務のタスクについて「誰がいつまでに着手するのか」が明確になり連携もスムーズに |
業界 |
IT |
Backlogを利用している部署 (主な職種) |
技術開発セクション、コーポレートセクション |
利用しているヌーラボサービス |
Backlog |
Backlogユーザー数 |
200ユーザー |
目次
開発部門の導入をきっかけに、Backlogの全社展開へ踏み切る
——人事総務部門のメンバー構成と、石塚さんの担当業務を教えてください。
私が所属する業務管理部は3名のチームです。情報システム担当が1名、経理担当が1名で、人事総務の担当を私が行っています。オフィスファシリティの管理から採用、労務関係、契約関連の手続きが主な業務です。
人事総務業務では、細かなタスク管理にBacklogを利用しています。社労士とのやりとりが必要な労務手続きや、セールスチームから依頼される新規取引の契約書対応など、社内外との連携が必要な業務に活用しています。2020年に行ったオフィス移転プロジェクトは、細かなタスク管理が必要だったため全てBacklog上で進捗管理をしました。
——人事総務部門にBacklogを導入されたきっかけは何だったのでしょうか?
導入当時は技術開発セクションのみで利用していました。技術開発部門のマネージャーがツールの一元化やルールづくり、新たな情報共有ツールの浸透方法について試行錯誤していた時期でした。
そこで、全社へツールの活用を浸透させるには、業務管理部で利用するとよいかもしれないと考えたんです。人事総務業務では全ての社員と個々で関わることがあります。何かを発信したり依頼したりする際にBacklogを使うことで、全社展開のきっかけにしたいという狙いがありました。
業務の属人化・他部署との情報共有に課題
——Backlog導入前に、人事総務業務において抱えていた課題はどんなものがありましたか?
課題は大きく2つありました。1つ目は、タスク管理が属人的になってしまい、上手に進捗管理ができる仕組みづくりができていなかったことです。バックオフィス全般を1人で担当していたため、目の前に来たタスクをこなすのに精一杯で、計画を立ててスケジュールに落とし込めていませんでした。漏れがないかを常に自分の頭の中で確認している状況でした。
特に工数がかかっていたのは入退社手続きです。弊社に1名の社員が入社する場合、人事総務が対応すべきタスクは最低でも22個あります。これはBacklogで業務を可視化したことで見えた数字です。導入前はとにかく新入社員が困らないように、各方面との調整に追われながら最低限のレベルでなんとかこなしている状態でした。
2つ目は、業務を他部署に共有できていなかったことです。人事総務には「できて当たり前」と思われがちな業務や個人情報を扱う場面も多いので、見せるべきではないという意識もありました。
業務を可視化して入退社処理の管理コストを50%削減
——Backlog導入で感じたメリットについてお聞かせください。
入退社の処理に漏れがなくなりました。「いつまでに・何をすれば良いのか?」が可視化されたことで常に不安を抱えている状況から解放されました。「次は何をする?」「あれはいつまでに対応すべき?」など過去の情報を検索したり思い悩む時間がなくなり、時間に換算すると入退社処理の管理コストは約半分になっています。また、業務を切り出して他のメンバーに連携することもスムーズにできるようになりました。今では自分で対応すべき業務とその優先度がとても明確になっていると感じます。
入社処理の際はスプレッドシートを活用して課題の一括登録を行っています。作業フローに改善点を見つけたらそのスプレッドシートを更新して、次回の入社処理に備えています。フローを都度ブラッシュアップできる状況にできたのもBacklog導入のメリットです。
——業務を共有することで、部内のメンバーや他部署にも良い影響はありましたか?
残された課題を誰がいつまでに着手すればよいか、関係者全員がわかりやすくなりました。今までは数ヶ月先に着手すべきタスクを先回りして担当者に渡してしまうこともありました。その結果、進捗管理ができておらず対応漏れとなることも多かったように思います。他部署、社内外のメンバーが介在する業務が発生する際には、Backlogの存在が本当に心強いと感じます。
現在も人事総務業務をメインで担当しているのは私1人です。ミスが起きれば多方面に影響が出る重要な業務でもあります。そのため、できる限りオープンな場所で、誰にでもわかりやすくタスクや状況を把握できる状態にしておきたいと思っています。Backlogは人事労務業務に特化したツールではないため、他部署と一緒に使うことでチーム内の情報共有を円滑にしてくれています。
——導入時に、工夫した点があれば教えてください。
導入当初は、Backlogに情報を一元化しようとするあまり、コミュニケーションツールとしても活用してしまっていました。タスクに関係ない議論までもBacklog上で展開され、時には認識に齟齬が生まれてしまうケースもありました。そのため現在は「Backlogはプロジェクトを管理するツール」という共通認識を作り、チャットツールのSlackと併用しています。
業務管理部から社内アナウンスをする際は、通知としてSlackに投稿し、Backlogに記載した詳細な内容のリンクを貼るなど、ツールの上手な使い分けが出来ていると感じます。
タスク管理をBacklogに任せて採用活動にリソースを集中
——同職種の方におすすめできるポイントがあればお聞かせください。
人事総務の業務は多岐にわたりますが、総務の仕事は年間のスケジュールがおおよそ決まっているので、比較的タスク化がしやすいと感じます。一方で、人事や採用の領域は、発生するタイミングや業務内容がかなり流動的です。
以前はどちらも手当たり次第にこなす業務だと捉えていましたが、Backlogでタスクを整理してみて、それぞれの業務の違いに気づきました。「全ての業務を都度、流動的にこなさなくては」という考えから解放されて、採用戦略など考える業務にまとまった時間を充てられるようになったのは良かったポイントです。限られたリソースを優先すべき業務に充てるため、タスク管理ツールの導入は有効だと思います。
また、社内外の連携先が多岐に渡り、長期間手元に置いておくタスクが多いことで、タスク管理だけで工数を取られる職種であるとも感じます。だからこそ、業務の見える化が大事だと思っています。他部署のメンバーへの共有の際は、より分かりやすく情報共有ができるよう、ガントチャートやカンバンボードなども活用しています。
——最後に、Backlogをご検討されている方にメッセージをお願いします!
Backlogは、エンジニアの方が主導で利用されているケースが多いのではないでしょうか。ですが、私たちのような管理部門のメンバーにとっても非常に使いやすいツールです。すでに社内で導入がされていれば横展開も気軽にできますし、使い方や活用法などのナレッジが蓄積されているはずです。社内のツールを一元化する事で、部署間の連携もスムーズになると思います。
——Backlogを効果的に活用してくださる方が増えるよう、弊社でも引き続き改善を進めて参ります。本日は貴重なお話をありがとうございました!