ITサービスを使いこなす声優「ほたかける(@cn2_kakeru)」さんはBacklogを活用して、自身の声優業務のタスク管理から、ゲーム・広告などの声優のキャスティング・スタジオ収録などの制作案件の管理をしています。多忙ながらも上手にタスクを管理するほたさんに、タスク管理のコツをお伺いしました!
導入目的 | 声優のキャスティングやスタジオ収録など、細かい調整ごとを漏れなく管理して、遅れを出さないためにBacklogを導入。 |
課題 | 声優の仕事は調整業務が多く、口頭での仕事依頼が基本なため、対応しなければならないタスクが漏れてしまいがち。 |
効果 | Backlogのモバイルアプリで移動中でもタスクの進捗確認。多忙な声優業務を漏れなく管理できるようになったことで仕事の段取りが円滑になった。 |
業種 | 声優業 |
利用者規模 | 2名 *2018年1月時点 |
利用しているヌーラボサービス | Backlog |
目次
「声優がBacklogを使ってみた」ほたかけるさんのスマートなタスク管理術
―ほたかけるさんの事業概要について教えてください。
Recoという屋号で、ほたかけるとして声優活動をしています。具体的な仕事内容は
- 声優として、ゲームのキャラクターボイスや映像などのナレーション
- ボイス収録まわりのスタッフィングとキャスティング
- TVアニメ・ゲームの宣伝プランニングと制作業務
と声優業の傍ら、ゲーム・広告に特化した音響制作とTVアニメ・ゲーム関連の広告制作・宣伝プランニングもお手伝いしています。 ちなみに、Recoという屋号は、音声収録のRecordingと記録のRecordをかけています。声優のお仕事は口頭で知見が共有されたり、新しい案件依頼があったりするので、これらの情報を記録することで、チームとしての成長や業務改善につなげていこう、という意味を込めています。
―Backlogアドベントカレンダーで「声優がBacklogを使ってみた」というブログを読みました!ほたさんは日常的にITツールを使いこなして業務を管理されていますね。
はい。先ほどお伝えしたように声優業の傍ら、Recoで制作業務も受け持っています。「声優がBacklogを使ってみた」にも詳細を書いていますが、案件数にすると常時20~30程度の案件を同時に進めています。なので、ITツールを活用した業務効率化はもはや無くてはならないスキルなんです。 主な使い分け方としては、ファイル共有はDropboxとGoogleのサービス、個人的なメモはEvernoteに残しています。声優業と制作業務のタスク管理はBacklogというようにツールをすみ分けています。
―正直なところ、声優業のようなIT色が強くない職種ではタスク管理ツールと言うと「うっ……。」と敬遠されがちなのかな、と思っていました。
そうだと思います。私は自分が進行管理を苦手としていた分、もともとプロジェクト管理やタスク管理に興味があって、大学でも「サウンド作品の進捗管理」などを研究していました。独立する前はウェブサービスの会社で、一部ディレクション業を担当していたこともあるので、ITサービスにはあまり抵抗がない方だと思います。
声優のキャスティングからスタジオ収録まで、調整が頻発するプロジェクトをBacklogで見事に管理
―Backlogを利用しようと思ったきっかけは?
もともと個人のタスク管理ツールとして利用していました。チームのプロジェクト管理としては、恋するおやすみコールというボイスドラマ配信サービスの制作業務がきっかけで導入しました。 このプロジェクトは全体の仕様は決まっていたのですが、キャスティングされた俳優さんが人気で多忙な方が多かったので、ボイスの収録日が急遽決まることが多かったんです。納期もタイトだったので、情報共有が少しでも滞ると収録スタジオや編集スタッフさんに影響が出てしまうプロジェクトでした。そこで、遅延を出さずに円滑にプロジェクトを管理するためにBacklogを導入したんです。
―導入後はどのような流れでチームに利用を促しましたか?
まず、BacklogやGoogleサービスなどの運用ルールとワークフローをBacklogのWikiにまとめました。次に、恋するおやすみコールのプロジェクトの主要メンバーは2名(外注スタッフは3~5名)だったので、チーム内で課題を割り振って、責任・権限を移譲しました。 そもそもタスク管理ツールやプロジェクト管理ツールを使い慣れていないメンバーに対しては、オンラインで週次会議を実施して、その場で進捗を一緒に確認するようにしました。 作業を分担して、お互いの進捗を見える化したことで、スタジオの手配や編集の外注スタッフさんの工数確保がスムーズになり、比較的短期間でのリリースが可能となりました。
移動や外出の多い声優のお仕事管理はBacklogのモバイルアプリが便利
―声優さんはスタジオ移動だったり、外出が多いと思うのですが、タスク管理のタイミングはどのように作っていますか?
朝と夜の計20分程度をタスク整理に当てています。それ以外だと移動中にBacklogのモバイルアプリ(iOS・Android)から課題を整理しています。仰る通り、声優さんはスタジオ移動が多く、私も音声収録や打ち合わせなどで、外出していることが多いです。なので、モバイルアプリは必須ですね。 モバイルアプリ版はデスクトップ版とは違って画面が小さいので、フィルタ機能を活用して種別で担当課題を絞って表示しています。管理している課題が20を超え始めると、「あわわわ…」となってしまうので、フィルタ機能で直近の物以外はすべて隠しています(笑)。 ほたかけるさんは外出が多いので、モバイルアプリを活用してタスクをいつでもどこからでも確認できるようにしている。
―Backlogを導入したことでどのような効果がありましたか?
私が対応しきれない、事務仕事やスタジオ調整などのタスクをアシスタントさんに割り振っているのですが、Backlogをみれば作業の進捗が一目でわかるので「あれやったかな?これやってない!」という不要なコミュニケーションが激減しました。 仕事の分担もしやすくなったので、自分がやらないといけないタスクに時間を有効活用できるようになりました。台本を読み込む、テーマとなっている作品の下調べをする、といった声優業が多いです。
「タスク管理」は業種関係なく一生使えるスキル。仕事を通じて多くの声優さんに重要性を伝えていきたい
―ほたさんはタスク管理をとても上手に取り組まれていますね。
ありがとうございます。 声優を含めエンタメ界隈はチームでのプロジェクト管理に慣れていないかと思うのですが、アシスタントのSさんのように、Backlogを通じて声優に関連するお仕事でも業務改善のフレームワークとして活用出来るようになればと思います。学んでおいて損の無い一生使えるスキルだと思うので。 あと、演劇や音楽演奏をやられている方にもBacklogを用いたタスク管理をおすすめしたいですね。お仕事以外だと学校の部活や体育祭の実行委員会などでも重宝しそうです。恒例行事はすべてテンプレートでタスクを作っておいて、迷ったら過去の先輩のタスクを見る!みたいな(笑)。
―良いですね!その発想は無かったです(笑)。
学校で使うのは絶対に良いと思うんですよね。なぜならプロジェクト管理のスキルって年齢や職種関係なく重要ですし、早いうちに習得できるに越したことはないと思うからです。学生って行事や部活動でリーダーになる機会が多いと思うので、そのときにプロジェクト管理を体系的に学びながら、経験しておくことで、社会に出てプロジェクトを任されたときに率先力になれます。
―確かに…!参考にさせていただきます。最後に今後のBacklogの活用計画、またはメッセージをお願いします!
Backlogの活用計画としては、現状だと目の前の仕事を何とかこなすだけで精一杯ですが、今後は作業を洗練させたり、引き継ぎし易いかたちで業務のパッケージ化をして、自分の仕事をお願いできるパートナーさんを増やしていきたいです。 Backlogは、タスクがいっぱいいっぱいになりがちな方やチームの方にはぜひ、オススメしたいです。属人化していた仕事が引き継ぎ易くなったり、タスクの見える化によって誰かにタスクが偏りにくくなったりするので、長期的なチーム運営で効果が高いと思います。ぜひ声優さんに関わる業種でも広まっていくと良いなぁと思います。