システムエンジニアリングを通じて、あらゆる企業や組織の業務改善コンサルティングを行う株式会社ジョイゾー。
2023年12月9日に開催した「Backlog World 2023」では、Backlogユーザーとして同社SIチーム 統括マネージャーの大竹 遼(通称:BB)氏にご登壇いただきました。
同社ではオンライン作図ツールのCacooも併せてご利用いただいています。そこで今回はCacooを導入した背景や具体的な活用方法、導入後の効果を詳しく伺いました!
導入目的 |
・システム構成図の作成と共有化 |
課題 |
・システム構成図の作成や共有に、手間と時間がかかっていた |
効果 |
・システム構成図の作成から共有、承認まで大幅な工数削減につながった |
業界 | IT・通信 |
職種 | システム開発 |
利用しているヌーラボサービス | Backlog, Cacoo |
Cacooユーザー数 | 20名 |
目次
従来の受託開発モデルから脱却し、新たなSI事業を展開
—— 御社の事業と、提供サービスについて教えてください。
ジョイゾーは、サイボウズ社が提供する「kintone(キントーン)」を用いてお客様の課題を解決するシステムの開発や自社サービスの提供を行う企業です。
主力サービスは、kintoneを活用した定額制対面開発「システム39」です。従来の受託開発業務は、自社に持ち帰って開発を行うケースが多く、開発状況や最終的な開発費用が不透明になりがちでした。これらの問題を解消するべく「1回2時間×3回の打ち合わせによる開発で39万円」と提供内容を明確に打ち出し、お客様の目の前で開発を進めていくというサービス形態になっています。お客様にも一緒にサービス開発の楽しさを味わっていただけるのが大きな特長です。
—— Cacooは、大竹さん率いるSIチームのエンジニアメンバーを中心に活用されていると伺いました。
2022年1月に私が入社してすぐ、システム構成図を作成するツールとしてCacooの導入を提案しました。その後すぐに導入が決定し、同年の4月以降は、チームメンバー全員でCacooを活用しています。
システム構成図の作成・保存・共有にCacooが最適だと感じた
—— ご入社後すぐに提案していただいたのですね! なぜCacooが必要だと考えたのでしょうか?
まず、入社当時にチームが抱えていた課題からお伝えします。私たちはお客様向けの業務システム開発において、システムの全体像を図で表したシステム構成図を作成しています。Cacooの導入前はPowerPointで作成していましたが、社内共有に手間がかかっていました。ファイルをダウンロードしてから確認し、修正後に再度アップロードする作業が必要だったためです。
社内で利用しているクラウドストレージを使う手もありましたが、結局、ローカル環境で作業したデータをアップロードする工数は変わりません。そのため、チーム間で構成図をスムーズに共有できるツールを探していました。
もともと社内のタスク管理にBacklogを活用していたことから、ヌーラボが提供するサービスのひとつとしてCacooの存在は知っていました。同一のアカウントを共通で使えることから利用ハードルが低く、最初はまず少人数の希望者でトライアルを利用してみて、導入に至りました。
—— 導入の決め手は何でしたか?
シンプルで見やすいUIと、誰にでも簡単に作図できる点が決め手となりました。
ほかのオンラインホワイトボードツールは、ブレストやディスカッションなどのタイミングで、「単発」で使うイメージが強く、図の保存や共有、データの蓄積には向いていないと感じていました。また、UIや機能がエンジニア向けに作られているツールも多く、文系出身のエンジニアメンバーも多い弊社には少しハードルもありました。
Cacooはまさに、私たちが実現したいことを叶えられる“ちょうどよい”ツールだったのです。
作図データのやり取りだけでなく、チーム内のコミュニケーションにも活用
—— Cacooの主な活用方法についてもお聞きしたいです。
大きく3つの用途があります。1つ目は、導入の経緯でも触れた「システム構成図の作成」です。お客様からヒアリングした内容をもとに、開発するデータベースの全体像を図に起こしていきます。ここでのポイントは、「各構成に対してどのくらい費用がかかるのか」という見積もり金額もシステム構成図上に記載することです。テキストで見積もりの内訳を説明するより、お客様にも社内にもわかりやすく伝えることができます。
お客様へ共有する際は、PDFや画像データに書き出しています。また案件によっては、社内の他チームにも情報を共有するため、Backlogの「Wiki」上にCacooで作成した図を埋め込んで閲覧できるようにしています。
各データはお客様ごとにファイル名をつけることで、後から検索して参照するのも簡単になりました。
2つ目の用途は「お客様向け補足資料の作成」です。複雑な機能の図解をあらかじめ用意しておき、打ち合わせの際、必要に応じてエンジニアメンバーに使ってもらっています。
3つ目は「チーム内でのブレインストーミングやディスカッション」に用いるパターンです。今後のサービス展開を検討するミーティングの場などで、メンバーそれぞれが「付箋(ふせん)」機能を活用して意見やアイデアを出し合い、それらを参照しながら話し合います。
伝えたい情報をシンプルに表現できる“インフラ”として浸透
—— Cacooを導入して、どのような効果がありましたか?
まず、PowerPointで構成図を作成・共有していた頃と比べて、大幅な工数削減を実現できました。
社内共有の手間を減らせただけでなく、作図の作業時間が短縮されたことも大きな要因です。PowerPointでは、内蔵されているアイコンや画像の種類が多いゆえ、ついつい見栄えやデザインに凝りたくなってしまうんですよね。
Cacooは利用頻度の高いシンプルなパターンがひと目で見やすい位置に用意されているので、アイコンの選定に悩まずに済んでいます。悩む時間が減ると、業務効率に大きなインパクトがあると実感しました。私たちは、過度に見栄えを追求するのではなく、シンプルで伝わりやすいことが重要だと考えています。サービス品質の観点からも、Cacooは理にかなったツールだと感じます。
また、見積もり承認フローの工数削減にもつながりました。メンバーがお客様向けに作成した見積もりのレビューと承認を行う際、見積もりの根拠がシステム構成図上に示されていることで、端的に改善ポイントをアドバイスできるようになりました。
—— さまざまな面で工数削減が実現したのですね! Cacooの最大の魅力はどこにあるとお考えですか?
最大の魅力は、やはり「シンプルに表現ができること」ですね。説明が難しい部分も、Cacooで図を作成することによって、最短ルートでの情報伝達が可能になります。
Cacooは、メンバー間の円滑なコミュニケーションにも寄与しています。Cacooの画面を見ながら共同編集や図の更新が簡単にできるので、業務の相談から解決までがスムーズになりました。1対1の場面だけでなく、複数人で話し合う際にも便利です。
今ではもうすっかりCacooがチームに浸透しており、当たり前のように使われています。メンバー各自が打ち合わせの場で使用するため、それぞれの業務状況もリアルタイムに見られるようになりました。Cacooは、私たちにとってまさにインフラと呼べる存在です。
外部サービス連携など、さらなる活用の可能性を形にしていきたい
—— 今後、Cacooをどのように活用していきたいと考えていますか?
システム画面のUIやデザイン案をお客様へお伝えするときにも、Cacooを活用したいです。現在はデザインツールを使用していますが、リストやポップアップの表示方法などはCacooでよりシンプルに示せるのではないかと考えています。
外部サービスとの連携も強化していきたいですね。kintoneと連携し、お客様と一緒に開発を進めていく際にCacooの作図機能を使えるようにする…など、いろいろと構想しています。
さらに考えているのは、社内でのカスタムテンプレートの活用促進です。現在、システム構成図の描き方は個人に任せているのですが、統一することで業務のさらなる標準化・効率化につながると考えています。
すでに私たちの業務に欠かせないCacooですが、活用の可能性はまだまだたくさんあるはずです。これからも、楽しみながら新たな使い方を実践していきたいと思います。
—— 貴重なお話をありがとうございました!