自社にサーバーを一切持たないアピリオのコンサルタントがBacklogを標準ツールにする理由!クラウド時代のセキュリティ対策とアジャイルな業務管理

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多国籍企業としてグローバルで事業を展開するAppirio Inc.の日本法人「株式会社アピリオ」では、コンサルタント業務の標準管理ツールにBacklogを導入しており、累計300ユーザー、10社、50プロジェクト以上のお客様とBacklogを活用してきました。 同社は社内にサーバーを持たず、すべての業務をクラウド100%で管理しています。クラウドツールのプロフェッショナルであるアピリオのコンサルタント業務にBacklogを導入した結果、本来発生していたであろうコミュニケーションコストを約30%削減 *、さらに開発プロジェクトの最新状況や不具合の対応を可視化できる仕組みができたことで、プロジェクトの手戻りが激減。セキュリティ面でも「メールだと不安な機密性の高いファイルの共有もBacklogのリンクベースの共有だと安心」とBacklogを高く評価しています。 * もしBacklogがない状態でコミュニケーションを行った場合のコストを想定した削減効果 アピリオのシニアコンサルタントに、Backlogなどのクラウドツールを活用した業務管理のノウハウや改善効果についてお伺いしました。 

導入目的 ■ 自社サーバーをもたない方針のため、クラウドツールが必須。社内のコンサルタント全員が業務管理を円滑に使えて、初期セットアップがスピーディにできるBacklogを導入
課題

■ コンサルタントがシステム開発で日本語の要件確認をするときにお客様とのコミュニケーションに適切な仕組みがない

■ メールでファイルを共有すると、ファイルの暗号化が原因でお客様にメールが届かない可能性がある。さらにファイルへのアクセス管理も大変だ

■ プロジェクトの最新の状態を共有するための仕組みがないので、不具合対応などで都度コミュニケーションや手戻りが発生する

■ プロジェクト管理ツールは業務を円滑に管理するのが目的なので、初期のセットアップにできるだけ時間を費やしたくない

効果

アピリオのコンサルタントの標準管理ツールとしてBacklogを業務に活用。累計10社、50プロジェクト以上のお客様の要件定義を支援した実績ができた

■ メールだと不安な機密性の高いファイルのやり取りもBacklogのリンクベースのファイル共有なら安心。アクセス管理もできてセキュリティ面で高く評価をしている

■ 「Backlogの課題のテンプレート」を使って、開発の進捗の最新情報や不具合の対応方法を表記するようになったことでプロジェクトの手戻りが激減

Backlogは初期セットアップが不要で、操作も簡単なので社内への導入・説明コストがかからない

業種 IT・コンサルティング
Backlogを利用している職種 ITコンサルタント
利用しているヌーラボサービス Backlog

グローバルの社員60%以上がリモートワーク制度を活用「クラウドツール利用率100%」を実現するアピリオの業務管理

ー株式会社アピリオの事業概要について教えてください。

Appirio Inc.はアメリカで創業の100%クラウドテクノロジーに特化したグローバルコンサルティングファームです。クラウドを活用したソリューションのコンサル/導入により、お客様が抱える課題の解決やデジタルトランスフォーメーションの推進を得意としています。2008年には初の海外拠点として、日本法人「株式会社アピリオ」を設立しました。 私たちは企業のIT基盤をクラウドベースへ、トランスフォームさせる(生まれ変わらせる)ことをメインミッションにしています。アピリオ自身も社内にオンプレミスのサーバーをもたずに、100%クラウドを活用しているため、社内のナレッジをお客様との案件管理でも活かしています。

ーアピリオでは「リモートワーク制度」を活用して、山形県から働いている社員の方もいらっしゃるそうですね。

はい。弊社にはリモートワーク制度と在宅勤務制度があります。リモートワーク制度は、地方からでも(地理的環境を問わず)在宅勤務をベースとする働き方ができます。在宅勤務制度は、社内では「WFH(ワークフロムホーム)」と呼び、週2日は日本の全社員が在宅で勤務できる制度です。 グローバルではリモートワーク制度を60%以上の社員が活用しており、日本でも山形県の自宅勤務の社員もいます。また、8月より石川県でこの制度を利用する社員が増えました。 社内のシステムはクラウドツールを100%活用しており、インターネット環境があればどこからでも業務ができます。テレワークに対応できる土台があったので、昨今の新型コロナウイルスによる東京都のテレワーク推進週間対応も、準備期間なしに、3月1日には全社員がスムーズに移行できました。

Backlog事例取材もアピリオが活用するTeamsで実施。上左がアピリオ シニアコンサルタントの伊賀 敏樹さん、上右が同じくシニアコンサルタントの南 博之さん(※下2名ヌーラボ)

ー「物理的にオフィスに出社しなくても業務が回せる」という環境はどのように構築されているのでしょうか?

複数のクラウドツールを組み合わせて使用することで、テレワークの環境を構築しています。ただ、日本法人の場合はお客様との契約書類などで紙のやり取り指定もあるため、必要に応じて出社することもありますが、基本的には電子契約書で対応するようにしています。 他にも、社内のコミュニケーションはOffice 365をはじめとした、チャットツールやオンライン会議ツールを併用しています。社外のお客様とのコミュニケーションや業務管理には、プロジェクト管理ツールの「Backlog」を標準ツールとして活用しています。

アピリオのコンサルタント業務の標準管理ツールにBacklogを活用。累計10社、50プロジェクト以上のお客様の要件定義を支援した実績

ーアピリオ日本法人の全社員の8割を占めるコンサルタント全員がBacklogのアカウントを持っているそうですね。

はい。お客様とコミュニケーションをする必要があるコンサルタント全員に必ずBacklogのアカウントを発行しており、コンサルタント業務の標準管理ツールとして活用しています。 コンサルタントは、お客様からの指定がない限りBacklogを使用しています。お客様をアピリオのスペースに招待するかたちで利用しています。現在のアカウント規模でいうと、社内では全社員の8割ほどが利用、社外では累計10社、50プロジェクト以上のお客様と共同利用してきました。

ーアピリオのコンサルティング業務にBacklogが適していた理由はなんですか?

「システム開発時にお客様との要件確認が進めやすい」というのがBacklogをコンサルタントの標準管理ツールにした決め手でした。 弊社では、アジャイル手法でお客様のシステムをスピーディに開発するため、コンサルタントがお客様に「なにを」「どうしたい」のか明確にして要件確認をすることが求められます。要件定義を確実にすることで、プロジェクトの手戻りも最小限に抑えられますし、期日通りの進行ができます。Backlogではお客様との要件確認を課題上でスムーズにできるので、作業の生産性が高くコミュニケーションのエラーも妨げます

ーアジャイル開発をBacklogの各機能でどのように管理していますか?

マイルストーンを活用しています。 弊社のアジャイル開発のイテレーションは2週間から3週間で区切っているため、各イテレーションをマイルストーンで可視化しています。イテレーションごとのタスクはすべてBacklogの課題で管理して、新しいタスクが発生した場合は次のイテレーション(マイルストーン)に回して管理しています。

アピリオのアジャイル開発では、イテレーションごとのタスクをBacklogのマイルストーンで管理している  ※画像はイメージです

また、プロジェクトの開始と終了が高い確度で決まっているお客様には、Backlogのガントチャートを活用して、プロジェクトの全体図を共有しています。ガントチャートやBacklogの課題一覧はエクスポートできるので、適宜お客様に共有するときに活用しています。

お客様のシステム開発の全体図はBacklogのガントチャートで可視化して、適宜共有している ※画像はイメージです

決め手は「メールだと不安な機密性の高いファイルのやり取りもBacklogなら安心できる」アピリオが信頼するBacklogのファイル共有

ー数あるプロジェクト管理ツールのなかでBacklogを選んだ決め手は何ですか?

「独自にサーバーを持たなくても使える」という弊社のポリシーにあっていたのが決め手でした。オープンソースのプロジェクト管理ツールも一部検討していましたが、自前のサーバーを用意して、環境を構築しなければならないため、弊社標準ツールとしての利用には向いていないと判断しました。 他にも、デフォルトの設定のままでも使い始められるような簡単さもBacklogの魅力です。 プロジェクト管理ツールは「業務の管理を円滑にする」という目的で導入しているので、初期のセットアップは不要で、説明がなくても操作をすぐに覚えられる簡単さを重視していました。社内メンバーだけでなく、お客様もすぐに使いこなせているので、コンサルタントとお客様の円滑なコミュニケーションの実現に役立っています。

ー社外とのやり取りが多いとのことですが、セキュリティ面でBacklogをどう評価していますか?

メールと比較して、Backlogのファイル共有は格段に安心できます。メールのトラブルで一番多いのが「ファイルの添付」です。たとえば、添付ファイルの暗号化によって、メールが届かないということも起こりがちです。 Backlogを使えば、ファイルを添付した課題のリンクや、ファイル機能によるリンクの共有など、リンクベースでファイル共有ができるので、こうしたトラブルを回避できます。さらに、ファイルのアクセス権限まで管理できるので、仮にお客様が誤って外部にリンクを共有しても、セキュリティ事故につながらないので安心です。 お客様のなかでも大企業はファイル管理が厳しいのですが、Backlogのおかげで助かっています。ファイルにアクセスしなくなったメンバーは、プロジェクトメンバーから消すことで簡単に権限を剥奪できるので、セキュリティ管理という面でBacklogを高く評価しています。 

Backlog導入の効果を語る株式会社アピリオシニアコンアルタント 伊賀 敏樹さん(左)、南 博之さん(右上)

Backog導入でコミュニケーションコストを大幅削減!要件定義や不具合対応をテンプレート化したことでプロジェクトの手戻りが激減

ーお客様とのコミュニケーションでの改善効果はいかがですか?

もしお客様とのコミュニケーションをBacklogではなく、すべてメールで完結させるとした場合に1日200通前後はメールの送受信が発生すると想定しています。これだけ膨大な量の情報が毎日アップデートされるので、メールやファイルをあとから探そうとすると時間がかかります。 もしBacklogがない状態でこの業務をさばこうとしたら、きっと現状の3,4倍はタスク量が増えていたと思います。Backlogのおかげで、本来発生していたであろうコミュニケーションコストを約30%は削減できています。 

Backlog導入によってコミュニケーションコストが約30%は削減できたと効果を語る南 博之さん

ー社内の業務管理での改善効果はいかがでしょうか?

半年ほど前から、Backlogの「課題テンプレート」を活用して、コンサルタントによってバラつきがちな課題の粒度や形式を揃えています。 以前は各コンサルタントのセンスに任せて課題を起票していましたが、それだと課題詳細欄の要件定義内容にバラつきが出て、課題の品質を保てない問題がありました。最終的に必要な情報がそろう状態だったので、システム開発の途中で不具合が発生した際に「確認の方法がわからない」「再現の仕方がわからない」といった手戻りが発生していました。 しかし、課題のテンプレートを活用して「この項目は必ず記入しましょう」という認識をつくれたことで、課題の詳細欄をみれば最新の開発の進捗や対応がすぐにわかるようになりました。 ストックしておくべき情報はコメント欄から抜き出して、課題の詳細欄に都度追記するようにしています。課題の詳細欄にプロジェクトの最新情報を提示するようにした結果、作業の手戻りも減り、確認のためのコミュニケーションも減りました。

Backlogの「課題テンプレート」を活用して、コンサルタントによってバラつきがちな課題の形式や情報量を統一している ※画像はイメージです

社内の情報共有の仕方がテキストから”課題のリンクの共有”に。アピリオが提案する、Backlogをはじめとしたクラウドツールを活用した効率的なコミュニケーション

ー社内での業務の引継ぎなどに変化はありましたか?

課題の詳細欄にプロジェクトの対応内容を可視化するようになったことで、途中でプロジェクトに加入した社内メンバーや社外のお客様への情報の引継ぎなどがスムーズに進められるようになりました。 「この課題に引継ぎ情報が載っています」というかたちで課題のリンクをそのまま共有することで、スムーズな情報共有ができています。また、リンクで情報を共有することで、メールなどのテキストで機密性の高い情報が誤って漏れてしまう、ということも防げます。

ーリンクを活用した効率的なコミュニケーションはまさにクラウドツールだからこそ実現できる情報共有手段ですね。

そうですね。オンラインでスピーディなコミュニケーションが重視されると、Backlogの課題のリンクを共有して相手に情報を伝えるといった「リンクを活用した効率的なコミュニケーション」は今後ますます重宝されると思います。 世の中の流れとしても、「ニューノーマル」と言われるような、在宅勤務やテレワークなど、場所にとらわれない働き方が求められていきます。そのなかで、Backlogのようなクラウドツールを活用して、オンラインでスピーディにコミュニケーションができるスキルは重要視されるでしょう。

ークラウドツール100%活用のアピリオ様が今後実践していきたい「働き方」はありますか?

今回のコロナをきっかけに、日本社会全体において「働き方」の変革が起きています。その中で、生まれもってクラウドの遺伝子を持つアピリオが、Backlogをはじめとした「100%クラウドツール活用」という実績とノウハウを活かし、「非対面でも業務が遂行できる」「リモートだからこそ、むしろ生産性が高まる」仕組みを提案し、世の中に新しいワークスタイルを広げていければと考えています。

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