株式会社ベイジではWeb制作のコミュニケーションにTypetalkを利用しています。同社では、Web制作業務を140のタスクに分解した独自のワークフローと業務効率化ツールの活用で、たった14名の少数精鋭でありながら、生産性を追及した洗練されたWeb制作を実現しています。代表の枌谷さんに、Typetalkを使った効率的なコミュニケーションとWeb制作の進め方についてお伺いしました。
■プロフィール
- 枌谷 力(そぎたに・つとむ):株式会社ベイジ代表取締役
経営者でありながら、マーケティングコンサルティング、UXリサーチ、デザイン、ライティング、セールス、組織マネジメント、広報、人事に至るまで、幅広い業務を行っている。
導入目的 | ■ 情報が一目で分かるチャットツールを使いたい ■ 社内コミュニケーションを効率化したい ■ 膨大な通知を効率よく確認したい |
課題 | ■ 海外産のチャットツールだとかゆいところに手が届かない感覚があった ■ ユーザー権限など管理画面が日本語対応がされておらず使いづらさを感じていた* ■ サポートやドキュメントも物足りなかった *利用当時 |
効果 | ■ Typetalkの通知やいいね機能を活用したことで情報の確認漏れが減り、シンプルなコミュニケーションが可能になった ■ モバイルアプリの活用で移動時間を有効活用できるようになった。 ■ 日本語ドキュメントを参考にしてGoogleカレンダーなどの外部ツールと連携し、業務の効率化を促進できた |
業種 | Web制作 |
Typetalkを利用している事業部 | コンサル、ディレクター、デザイナー、エンジニア(全社利用) |
利用しているヌーラボサービス | Typetalk |
目次
14名の少数精鋭でオール内製のWeb制作を実現する「ベイジ」
――ベイジの事業概要について教えてください。
枌谷 力(そぎたに・つとむ):株式会社ベイジは、BtoBのマーケティング支援からのWebサイト制作と、業務システムやSaaSなどのUX/UIデザインを得意とするWeb制作会社です。事業の比率としては、8割はBtoBのマーケティング支援、2割は業務システムのUX/UIデザインになっています。
社員数は2019年1月時点で14名です。エンジニアが5名でデザイナーが5名、残りはコンサルとディレクターです。受注した案件はほぼすべて内部のスタッフで対応しており、翻訳や撮影などを除くと、戦略から納品、公開後の運営に至るまで、ワンストップで仕事を完結させています。
――ベイジのWeb制作プロジェクトの進め方について教えてください。
弊社は、属人的で効率性の低い仕事の進め方が蔓延しているWeb制作業界の慣習に問題を感じ、生産性が高く、効率の良い仕事の仕方を作り上げることを強く意識して取り組んでいます。具体的には、受注から納品までの一連の作業を分解し、現在は140に及ぶタスクで構成されたワークフローを整備しています。
Web制作の一連の作業のうち、定型化しやすい業務については、構成するタスク・サブタスクに分類し、それぞれに紐づくドキュメントを定義し、その雛形も用意しています。どういう職能の人物はどのタイミングでその業務を担当するのかもすべて明確になっています。
このようにワークフロー化しておくことで、プロジェクトに途中加入したメンバーであっても、一定の質を担保したままの業務遂行が可能になるんです。
無駄がないチャットツールは社員のパフォーマンスを劇的に高める
――ベイジのコミュニケーションの取り方を教えてください。
ベイジは制作会社なので、基本的には全員なんらかのクリエイターです。PCに向かって集中することが求められる仕事なので、仕事を強制的に中断させる口頭のコミュニケーションは頻度が高くなりすぎないように注意しています。
また、メールは社外/社内のコミュニケーションが乱立し、緊急度や重要度の高い/低いも掴みにくいため、特に社員同士はチャットツールTypetalkでのコミュニケーションを推奨しています。
メールにありがちな無駄なメッセージを省いてコミュニケーションが取れるチャットツールは、生産性を追求するベイジの企業カルチャーには非常にマッチしていると感じます。実際、チャットツールなしでは成り立たない仕事の仕方をしていると思います。
――社内チャットツールとしてTypetalkを導入した理由は?
同業の知人からの紹介でTypetalkを使いはじめました。実は、2年前まではSlackを使っていました。
しかし、管理画面の使いづらさや海外産であるがゆえのUIの分かりにくさに、当時は物足りなさを感じていました。そこですすめられるままにTypetalkを使ってみたところ、管理画面の分かりやすさ、機能のシンプルさ、操作性の高さに魅力を感じました。当時のSlackに感じていた物足りなさが解消する予感がして、すぐに「これだ」と思いました。
TypetalkのUIはとにかくシンプルさにこだわっているので、チャットに馴染みがない文化の企業でもすぐに慣れると思います。
経営とコンサルを兼務する枌谷氏の“効率的”なTypetalk活用
――ベイジの社内コミュニケーションでは、Typetalkをどのように活用されていますか?
ベイジの社内コミュニケーションは、全社向けとプロジェクト向けの2種類のコミュニケーションに大別されます。もちろんその両方でTypetalkを利用しています。
これらはトピックを細かく立てることで使い分けています。より具体的にいえば、全社員に向けた社内伝達系のトピックとWeb制作プロジェクト単位のトピックを作っています。社内伝達系トピックはほぼ全社員が参加しており、閲覧権限はオープンです。プロジェクト単位のトピックは、プロジェクトメンバーに限定して公開しています。
――Typetalk導入前と導入後で変化はありましたか?
Typetalkは通知機能がシンプルで分かりやすいので、メッセージの未読などが原因で起きる「情報共有の漏れ」は減りました。
私は経営者として経営に関する業務をしながら、コンサルタントとしてWeb制作プロジェクトの最初の窓口の担当をしつつ、時には自分でデザインもします。日々扱う情報がとにかく多く、情報がどんどん流れていくチャットツールはスピードと引き換えに、情報の確認漏れを起こしがちなのですが、Typetalkのデザインや機能は、こうした膨大なお知らせを、対象者に見やすく分かりやすく通知してくれるので、問題をある一定は解決してくれました。
――Typetalkはどのタイミングで使うことが多いですか?
私はお客様との打ち合わせで外出や移動が多いので、隙間時間でTypetalkのモバイルアプリをよく確認します。Typetalkのモバイルアプリはトピックの未読があるとアイコンに数がつくので便利です。「数字が出ている=未読がある」と認識できますし、必要・不要が即座にわかることで、確認時間の効率化につながっていると感じます。
他にも、Typetalkは「すぐに反応する」ということには非常に気が利いていると思います。例えば、ベル(通知欄)で自分宛ての通知をサッと確認し、ハートを送れるいいね機能で既読の意思表示を簡単にできます。
特にいいね機能は便利ですね。以前はSlackを使っていたのですが、Typetalkのような気軽さとスピードで意思表示はできなかったので。
関連記事:褒め合う文化をチームに作ろう!Typetalkの「いいね」機能の使い方
――業務の効率化にTypetalkを活用できていますか?
スケジュール管理から交通費申請まで細かい業務をTypetalkで効率化しています。
例えば、リリーススケジュール管理はGoogleカレンダーとTypetalkを連携しています。弊社はリリーススケジュールをGoogleカレンダーで管理しているので、その予定をTypetalkの特定のトピックに自動で通知するというものです。経費申請は、Typetalkボットを使って交通費申請の提出の自動化もしていますね。
TypetalkはAPIが豊富なので、外部のツールとの連携の幅がとても広いと感じます。さらに、Typetalkを使っていて感じたのは、国産のツールならではの魅力が豊富という点です。Typetalkはカスタマイズ時のドキュメントも日本語で豊富ですし、海外産のコミュニケーションツールにはない魅力が多いですね。
関連記事:Typetalk で Google カレンダーの予定を確認 〜 お手軽ボットレシピ
Web制作の働き方を“標準レベル”に変えていきたい
――Typetalkなどの業務効率化ツールを活用してWeb制作の働き方をどのように変えたいですか?
受託のWeb制作というと、毎日長時間労働で夜遅くまで残って仕事をしているイメージもありますが、ベイジではそういった業界の慣習に飲み込まれず、時短の取り組みをどんどん進めています。徹夜は皆無ですし、土日出勤も1年に1人いるかいないかです。もちろん、もしも徹夜や土日出勤が発生したとしても、きちんと代休を取る制度もあります。
このように、Web制作の働き方をごく普通の企業と同じようなものに変えるためには、Typetalkなどの業務ツールの活用もそうですが、冒頭でお話ししたように、自分たちの仕事を細かく分解したうえで、ボトルネックになりがちなタスクを見つけて、業務効率化を目指していく必要があります。なぜなら、人の感覚は案外曖昧で、そうやって細かく分解して考えないと、仕事が長引く原因を正確には掴めないことがほとんどだからです。
受託のWeb制作やデザインの現場では、働き方改革がまだまだ浸透していない部分もあります。ベイジが自らの取り組みを公開することで、それを牽引していければ良いな、と思っています。