「いい感じの社会をつくる」を企業理念に掲げ、発達障害者向けの事業を手掛けるGftd Japan(ギフテッドジャパン)株式会社。同社では、ITやクリエイティブに特化した仕事の創出と専門職による日常生活の相談等を提供する、日本初となる福祉事業所を運営。教育事業、ブランド事業などさまざまな事業を展開し、発達障害者が生きやすい社会の実現を目指しています。
そんな同社では、開発・教育部門でBacklogを導入。同社取締役COO・松田千恵子様、同社CHRO・幸田直樹様、関連会社のGftd Works株式会社福岡事業所・職業指導員の川口奏様に、Backlog導入に至った経緯や活用方法など詳しく話を伺いました。
導入目的 | 受注案件のプロジェクト管理のために導入 |
課題 |
・Teamsのスレッドとタスク機能で管理していたが、大規模案件になってくるとタスクが膨大になり管理しきれなくなっていた ・他拠点にまたがるスタッフの業務状況が見えなかった |
効果 |
・見えにくかったタスクが可視化され、会議時間が1時間から20分間に短縮 ・ボード機能を活用し、全員で課題の進捗を視覚的に共有できる環境が整った |
業界 | 福祉 |
職種 | 開発・教育部門 |
利用しているヌーラボサービス | Backlog |
Backlogユーザー数 | 約43名 |
目次
誰もが“生きやすい”社会を目指し、事業を展開中!
――御社の事業概要を教えていただけますか?
弊社は、「いい感じの社会をつくる」を企業理念に掲げ、発達障害を抱え、生きづらさを感じる人が“生きやすい社会”を構築するための事業を展開しています。福祉事業として、主軸である 『プログラミング』と『Well-Being支援』に特化した独自のカリキュラムと、就労機会を提供している Gftd Works株式会社。さらにサイバーセキュリティ分野のスペシャリストチームを擁し、ブロックチェーン技術に特化した研究開発事業を行う Gftd Blockchain Labo。そして小学高学年・中学生に学校教育だけではない、もっと自由な学びの場を提供するテクノロジーフリースクールDE-SCHOOL(ギフテッド ディースクール)。こちらは大人も子どもも“その人らしい幸せで満足な生活”が過ごせるよう、多様な人々が輝ける地域社会づくりを目指しています。
――今日お集まりいただいた皆様の業務内容について教えてください。
私、松田はGftd Japan 取締役COO兼Gftd Works(以下、ギフテッドワークス)代表取締役社長として、フランチャイズ含め全国7か所のGftd Woksの経営をしています。同じく Gftd Japan 取締役CHROであり、Gftd Blockchain Labo(以下、ギフテッドラボ)のスペシャリストチームを率いる幸田。そしてWebエンジニア兼職業指導員として ギフテッドワークス直営事業所の「GFTD. FUKUOKA WORKS」で業務を行っている川口は、利用者さんを現場でサポートしています。
Gftd Japanを筆頭にGftdグループに共通しているのは、「いい感じの社会をつくる」という信念があること。私たちはクリエイティブな才能をお持ちの方という意味で、弊社サービスの利用者さんを「クリエイター」とお呼びしています。クリエイターの皆さんが抱える生きづらさや孤独、といった課題を解決するために社会課題に取り組んでいます。
社会的企業の開発、教育部門でBacklogを導入!
――Backlogをご利用いただいている部署と主な業務内容について教えていただけますか?
Gftdグループの開発と教育、2部門においてBacklogを活用しています。1つ目の開発部門では受注案件のプロジェクト管理に、そして弊社職員とクリエイターさんとの情報共有にBacklogを活用しています。ギフテッドワークスでは、障害を持っている方はGftd Dojo(オンライン学習システム)の受講を経てスキルを取得、案件に入るという流れです。
弊社は、福祉サービスの事業所でもあることから、利用者さん、つまりクリエイターさん一人ひとりに対して細やかなフォローをします。その際、仕事に必要な知識や技術向上のための支援、実際に案件に入った後の体調トラブルといった各クリエイターさんにかかわる情報を把握する必要があります。その情報共有ツールとして活用しているのがBacklogです。
2つ目の教育部門では、IT教育を専門に扱う部門責任者がいるギフテッドラボを中心に動いています。そこをトップにGftdグループ全体のエンジニアに対するスタッフ教育を行う際、Backlogを活用しています。
導入の決め手はタスクの見える化と使いやすさ、そして作り手の想い
――Backlog導入のきっかけを教えていただけますか?
Backlog導入前は、課題管理をTeamsで行っていました。小規模な案件であれば、Teamsのスレッドとタスク機能で管理できていました。しかしクライアント、ベンダー、弊社とのチーム開発という大規模案件になってくると、タスク管理も膨大になります。ギフテッドワークスのクリエイターさんは早稲田、愛知、福岡の直営3拠点にいらっしゃいます。マネジメント側としても、「誰が」「何を」「どのくらい」タスクを抱えているのか、という情報をいかに迅速に把握するかが課題になっていました。
――そんな中、Backlog導入に至った決め手は何だったのでしょうか。
大きく3つあります。第1に“タスクの見える化”です。以前は作業内容や進捗を把握するため、Teamsの過去スレッドを遡っていたのですが、スタッフ間でのタスク状況が見えにくく、コミュニケーションも不足しがちでした。Backlogによってタスク情報を一元化、課題別にコミュニケーションが取れるようになったことで、コミュニケーションコストが大幅に下がりましたね。
第2に“使いやすさ”です。クリエイターさんが進捗状況をひと目で確認できる視認性の高さと、どんな人でもすぐ使えるUIは本当に素晴らしいですね。色味も柔らかく、易しい全体デザイン設計に加え、ユーザーの学習コストが低いところも魅力です。もちろんサポートする側としてもタスクの確認・管理が効率よく行えるようになりましたし、とにかく使いやすい。
実は教育部門での導入のきっかけは、開発部門の「Backlogが使いやすい」という声が後押しになったのです。もちろん他ツールも検討したのですが、Gitとの連携といった開発に必要な機能がありながら、エンジニア以外でも使いやすいツールは他には見つかりませんでした。
第3はBacklogを作った人たちが見えること。サポートやコミュニティを通じて、作り手のBacklogへの想いや人間性を感じ、「温かくていいな」と感動したのです。
Backlogに情報集約することで生まれた“共通言語”が業務を改善!
――作り手の想いを感じていただいたとのこと、大変光栄です。Backlogを導入したことで何か変化はありましたか?
まず、プロジェクト全体の進捗が把握しやすくなりました。Backlogによって今まで見えにくかったタスクが可視化され、会議時間が1時間から20分間までに短縮されました。その分、IT技術関連の質問やノウハウを学んだりする時間に当てられるようになったのはありがたいですね。
また、ボード機能を活用し、全員で課題の進捗を視覚的に共有できる環境が整ったことも大きいです。言葉だけでは認識のずれなどあったのですが、ボードでのタスク確認、案件の期限がひと目でわかるガントチャートは理解度が違う。Backlogは、視覚的に確認しながら共通認識を図れるので非常に有効でした。
――教育部門ではいかがでしょうか。
多拠点間での情報共有が容易になりました。先ほどもお話ししましたが、弊社には直営の事業所が3か所あり、しかも地域が異なるので、「今、福岡のクリエイターさんの状況を知りたい」となった場合、都度会議で「〇〇さんはどうですか?」「タスクはどんな状況ですか」という確認作業が発生していました。
そのため、リアルタイムでの情報共有が難しかったのです。導入後は、Backlogにアクセスさえすれば、全国のクリエイターさんの状態が把握できるため、案件に対してもすぐチームを組めるようになりました。タレントマネジメント的な活用に加え、Backlogを中心とした“共通言語”が生まれたことで、業務改善につながったと考えています。
――タレントマネジメント的な活用もされているのですね!
はい。今後、本格的に取り組んでいきたいと考えています。拠点が増えれば、ご利用いただくクリエイターさんも増えていきますので、Backlogによるタレントマネジメント運用を通じ、チームのパフォーマンスを向上していきたいと考えています。
Backlogの活用で「いい感じの社会」実現を目指す
――今後の展望をお聞かせください。
組織全体の情報共有やタスク管理の効率化に加え、今後はBacklogを活用し、模擬的な案件課題として案件管理の方法を模索しています。というのも、クリエイターさんがLMS(学習管理システム)で学んだ後に案件に入るとき、「この場合、どうすればいいんだろう」と座学と実践のギャップに戸惑ってしまうことがよくあるのです。そのギャップをどう埋めるか。
Backlogを LMSとして導入し「模擬案件のプロジェクト」をチームメンバーと進めていく。そこで、クリエイターさん自身がプロジェクトの進捗把握や管理のノウハウ、そしてプロジェクトを進める楽しさ、学習する意欲を養えるのではと期待しています。
今後、Backlogによる『模擬案件の試験プロジェクト』、そして業務効率化を通じ、クリエイターの皆さんが過ごしやすい「いい感じの社会」づくりに貢献できるよう、尽力していきたいと考えています。
――本日は貴重なお話をありがとうございました!