約2,000名のBacklogユーザー移行を完了!クラシックプランから新プランへの移行プロセスを聞く

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両備システムズさま Backlog新プランへの移行事例

2023年8月、株式会社ヌーラボは「Backlogクラシックプランの提供終了のお知らせとプラン移行のお願い」を発表し、対象のお客様には移行のお手続きをお願いしております。

株式会社両備システムズでは同年10月に準備を開始し、4か月後の2024年2月にはクラシックプランから新プランへの移行をほぼ完了しました。Backlogユーザーが2,700名を超える同社では、どのような移行プロセスで移行を進めていったのでしょうか。プラン移行の舵取りをされたビジネス戦略本部 技術戦略室 先端技術研究グループの板野氏に詳しくお話を伺いました。

目的

・2018年の全社導入以来、Backlog活用が社内に定着。約2,700名のユーザー数を抱えてプラン移行を実施

課題

・ユーザー一人ひとりにヌーラボアカウントを作成してもらう必要がある
・Backlog APIを利用した一部の業務フローについて見直しが生じた

効果

・入念な下調べが奏功し、スムーズにプラン移行を完了。2,000名超のユーザーはすでにアカウント移行済み
・セキュリティ、アカウント管理、ガバナンス強化にメリット

業界 IT・通信
職種 システム開発
利用しているヌーラボサービス Backlog
Backlogユーザー数 約2,700名

ユーザー数2,700名超のBacklogを、新プランへ移行する

―― 御社の事業概要と板野さんのご担当業務について教えてください。

弊社は両備グループのICT部門の中枢を担う企業として、行政・医療・社会保障・民需分野を柱に事業を展開しております。私の所属するビジネス戦略本部 技術戦略室 先端技術研究グループでは、各部門が新技術を採用する際のサポートや、最近では生成AIの活用と環境構築にも取り組んでいます。

私は、研究開発投資の推進やルール作成、ローコード開発ツールを含む新ツールの調査と導入支援、そして全社で導入しているBacklogの運用などを担当しています。

 株式会社両備システムズ ビジネス戦略本部 技術戦略室 先端技術研究グループ リーダー 板野 友哉 氏株式会社両備システムズ
ビジネス戦略本部 技術戦略室 先端技術研究グループ リーダー
板野 友哉 氏

―― 新プランへの移行は板野さんが中心となって推進していただいたのですね。

クラシックプラン終了に伴い、今年の2月に新プランへの移行を実施しました。弊社は全社的にBacklogを導入していることもあり、ユーザー数は2,700名を超えています。新プランへの移行をスムーズに実施できるよう事前調査を行い、段階的なプロセスを踏みながら移行プロジェクトを進めました。

移行の手始め:ひと通り変更点を洗い出してみた

―― 新プランに移行するにあたり、まず何から着手されたのでしょうか。

最初に取り組んだのは、新プラン移行に伴う変更点の徹底的な確認です。移行をスムーズに進めるためにも、移行手順の確認はもちろん、移行後の運用シミュレーションは必須でした。そのためまずはヘルプセンターの移行ガイドを見て、その上で不明な点はBacklogのカスタマーサポートに何度も問い合わせをさせてもらいました。

そうして新旧プランの違いや変更点の洗い出し作業を行いながら、新プラン移行がもたらす運用の影響の範囲や対応策をまとめていった形ですね。

プラン移行の対応リストプラン移行にあたり、必要な対応を洗い出した

―― 事前調査を進める中で、具体的にどのような変更点にインパクトがありましたか?

変更点を確認していた中で大きなポイントだったものは、「ユーザーのアカウント作成」と「Backlog API」でしょうか。

新プランへの移行では、ユーザー自身が「ヌーラボアカウント」を新しく作成して、アカウント移行するプロセスが入ります。管理者が一括でユーザーアカウントを作成することはできませんので、どうしても社員一人ひとりに操作をしてもらう必要がありました。よく調べてみると、「すでにヌーラボアカウントを持っているor持っていない」や、すでにヌーラボアカウントを連携しているかどうかなど、細かな条件で手順が変わることが判明したのです。

そのため、ユーザーがログインする状況を想定し、より詳細な手順や画面イメージを記載した、社内向けの案内資料を作成することにしました。

―― Backlog APIの変更についてはいかがでしょうか。

新プランに移行するとできるようになること・できなくなることを確認したところ、ユーザーやチームの追加・更新・削除など一部のBacklog APIが使用できなくなることが判明したのです。そのため、まずは影響を受けるものを洗い出して、必要な対応を講じていきました。

―― 具体的にはどのような影響がありましたか?

たとえば新規ユーザーの追加は申請フローを構築しているのですが、移行前はBacklog APIを活用して、アカウントの登録から完了メール送付までを自動化していました。しかし、新プランになると「アカウントの登録」APIが利用不可になります。そのため、運用を見直す必要が生じました。

移行前の準備:社内への周知と資料・マニュアルの作成

―― 事前調査のあとは、どのような準備をされましたか?

疑問が整理されたあとは、「移行でこの部分がこう変わるから、運用はこう変えよう」という対応策を80%程度の状態でまとめ、スケジュール感を含めて運用チーム内の合意形成を図りました。残りの20%に関しては、より具体的な課題や細かな点だったので、議論を深め、移行プロジェクトを進行しながら解決策を練り上げていった形です。

チーム内で合意した対応策をベースに、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の担当部署に今回の変更点を共有。その後、移行スケジュールを含む移行手順を全社員に通知しました。

―― 移行準備期間はどのくらいかかりましたか?

調査から対応をまとめるまでがおよそ1か月程度、準備まで含めて4か月ほどです。管理側の準備だけではなく、移行を実施する3か月ほど前から複数回に分けて、社内ユーザーへ事前案内を行いました。また、この機会にアカウントの棚卸しも行い、ログインしていないアカウントやプロジェクトに参加していないアカウントを削除するなど、移行前の整理を完了しました。

移行当日~事後操作:移行自体はものの数分で終了

―― いよいよ移行本番ですね。当日から事後の流れを教えてください。

準備期間を経て、2024年2月に移行を実施しました。ユーザー数が多いため時間がかかるかも知れないと考えていましたが、再ログインまで10分ほどかかった程度で、スムーズに実施できました。

事前の案内と同時に、社内ポータルに新アカウント作成のマニュアルを公開しておりましたので、ユーザーにはマニュアルに従ってBacklogにログインし、ヌーラボアカウントを作成していただきました。

また、移行前と移行後ではユーザーの権限が若干変わるため、新プランでの権限方針を事前に固め、移行直後にユーザー権限の設定を実行しています。

―― すべてのユーザーが1日で移行完了できたのですか?

全員が1日で完了とは行かず、移行待ちのアカウントも残っていました。これらのユーザーに対しては定期的に「アカウントを移行してください」という通知を送信し、移行を促しています。数か月かけて複数回送信して、それでも残っているアカウントは削除対象としていくつもりです。

―― その通知はどのようにされているのでしょう。

アカウントの整理画面の「依頼メールを送信する」を活用して、アカウント移行が済んでいないメンバー全員に対して一斉送信しています。この通知を出すと、移行アクションが増加するので、効果的なアプローチだと感じています。

移行メール一斉送信の画面

苦労したことや工夫したこと

―― 移行に際して、ご苦労されたことや工夫されたことなどはございますか?

そうですね。アカウント移行に失敗したケースも、ごく少数でしたが発生しました。原因は、過去にBacklogアカウントを作成していたことを忘れて新たにヌーラボアカウントを作成してしまったり、移行直後にメールアドレスを変更したにもかかわらず、古いアドレスでアカウントを作成してしまったりなど、事前に想定しなかったイレギュラーなケースで起きてしまったものでした。

―― 大規模な移行で失敗がわずか2~3件のみとは、素晴らしい結果ですね! 成功要因はどこにあるとお考えですか?

シンプルなのですが、社内ポータルにマニュアルを公開しています。小規模であれば個別に細かな説明もできますが、規模が大きくなればなるほどそういった対応は難しく、マニュアルの一括配布という形をとらざるを得ません。そのため、社内ポータルにマニュアルを公開し、いつでも手軽にアカウントの移行手順についての情報が入手できる環境づくりに努めたのです。その結果、ほとんどのユーザーは問題なく移行できたので、ほっとしているところです。

―― 移行前のシミュレーションも大きな成功要因ですね。

業務への影響を最小限に抑えるためにも必要な作業だと思います。移行担当者としては「もし想定外の事態が発生してしまったら……」と、アカウント移行や組織設定に関する細かな質問が出てきてしまうのですが、その都度サポートセンターを利用させていただいています。いつも迅速丁寧な対応をいただいているので、本当に心強いですね。

両備システムズ 板野氏のインタビューイメージ

新プランのメリット3つ:セキュリティ・アカウント管理・ガバナンス強化

―― 新プランに移行したことでのメリットはございますか?

新プランのメリットとしては、大きく3つあると思います。1つ目は、セキュリティが強化されること。セキュリティ対策の重要性が増す中、ユーザーに対して、2段階認証の設定を必須にすることができる*のはとてもありがたいですね。社内のセキュリティレベルをもう一段厳しくしても、すぐに対応できる準備が整いました。

2つ目は、アカウントの一元化ができたことです。ヌーラボアカウントに移行したことで、もし今後さらにスペースを追加したり、CacooやNulab Passなどほかのサービスを使い始めたりしてもアカウントは一元化されているため、管理がしやすくなります。

3つ目はガバナンスの強化です。旧プランでは未申請でアカウント登録されるケースがありましたが、新プランでは、ユーザー権限が変更され、プロジェクト管理者に「メンバー招待」の権限を付与しないと招待できなくなりました。未申請でアカウント登録されるケースが減少し、より厳格なガバナンス体制を実現できると考えています。

*プレミアム・プラチナプランのみ(2024年5月時点)

これから移行を進める企業に向けて:移行成功のコツ

―― これから移行に着手する企業へ向けて、スムーズに進めるためのヒントをぜひご教示いただけたら幸いです。

繰り返しになりますが、使われる規模が大きければ大きいほど、さまざまな利用シーンや使われ方が想定されます。移行後に不具合を発生させないためにも、事前に細かく下調べをしておくことが重要です。また、ユーザーによってITリテラシーも異なりますので、アカウント作成時のPC画面をキャプチャしたマニュアルなどがあれば、ユーザーのアカウント移行もスムーズに完了するかと思います。

一般的な移行の手順はBacklogのヘルプで確認できますが、規模や業種によって個別に考慮すべき事項はどうしても出てきてしまうでしょうから、移行に関する疑問や課題はサポートセンターに相談してみるのが好手ではないでしょうか。

また、協力会社など社外のユーザーへの周知やマニュアルの共有に気を揉む移行担当者の方もいらっしゃると思います。これに関しては、Backlogの「管理者からのお知らせ」機能を活用するのも手段の1つかと思います。

移行後、さらにパワーアップするBacklogを存分に活用していきたいですね。

―― 具体的な移行プロセスに落とし込まれたアドバイスをいただき、ありがとうございます。ヌーラボとしても万全なサポート体制をさらに強化していきたいと考えております。本日は貴重なお話をいただき、誠にありがとうございました!

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