AIXチームのけんしろうさんに聞く、チームとAIのこれから

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こんにちは。おはなこです。この記事はヌーラボブログリレー2026 夏の10日目のBizブログとして投稿しています。

今日の季節は「天地始粛(てんちはじめてさむし)」。厳しい暑さがようやく鎮まり始める頃だそうです。このブログを書きながらすごい雷の音と雨水が窓を伝う音が聞こえてきました。

皆様はどんな夏をお過ごしになりましたでしょうか。おはなこは、畑でニホントカゲの幼体に出会いました。青い煌びやか尾っぽを見て、なんて美しいんだろうとうっとりしました。それから今年もたくさんのカマキリやカメムシやセミに出会えた夏でした。

さて、私は現在RE部 Customer Accounting UnitのOperationチームに所属し、見積・請求・入金・売上に関わる細かなオペレーション全般を担当しています。日々の作業をAIにお願いしつつ、ヌーラボのミッションである「To make creating simple and enjoyable」を実現するには何が必要か——そんなことを毎日のミーティングでチームとわいわい話しながら、楽しく仕事をしています。

先月からは、AIXチームのけんしろうさんと一緒に働いています。チームの毎日のミーティングにも入っていただいており、大変ありがたく思っています。おかげさまでチームのAI活用のハードルがぐんと下がり、「効率化のため」というのもありますが、それ以上に私たちが「より良い仕事をするため」にAIを使うようになりました。今日はそんなけんしろうさんにインタビューをしてみようと思います。

インタビューといっても、かしこまったものではありません。いつものミーティングの延長のような、ゆるっとした一問一答です。

農作物の葉っぱの中に紛れ込んで隠れているカマキリ。

まずはゆるい話から

―― 本題の前に。けんしろうさんは、どんな夏を過ごしましたか。

けんしろう:お盆は地元に帰って、久しぶりに友人たちと再会しました。生活リズムを整えるのが少し大変でしたが、いい休暇でした。

―― たしか、大型テレビがおうちにやってきたとか。快適ですか?

けんしろう:快適すぎますね。今はサッカーの季節ではないので、もっぱらゲームです。アーマード・コアをやっています。それでは、そろそろ本題に入りましょう。

チームに入ってみて、どうですか

―― Operationチームの第一印象を教えてください。

けんしろう:仕事を見ていると、「落ちたボールを拾う仕事」だなと感じました。システムからこぼれてしまった、人でやらないといけないことに、想像力を働かせて対応している。雰囲気は思った通り、和気あいあいとしていますね。

―― 数週間、毎日のミーティングに入っていただきました。第一印象から変わったところはありますか。

けんしろう:細かいケースへの対応力がすごいな、と。こういった仕事は、決まったことを粛々とやるステレオタイプなイメージがあるかもしれませんが、実際は「この件どうなの?」という社内での相談がこんなに多いんだなと驚きました。お金に関わる業務なのでミスが許されない。それを手作業で、ひとつひとつ丁寧に対応しているチームなんだと思います。

―― そうなんです。淡々と処理しているように見えて、実は毎日が判断の連続なのです。

けんしろう:しかも、ボールは自分から拾いにいかないと来ないんですよね。長年使ってくださっているユーザーさんを大切にしている姿勢も伝わってきました。難しいお問い合わせへの対応が得意な人や、素早い問題解決で周囲から頼られているメンバーがいて、その積み重ねの上にチームが成り立っているのだと思います。

外から来た人の目に、チームがそんなふうに映っていたこと。チームの一人として、ちょっぴりうれしくなりました。私たちの仕事は、華やかな成果が数字になって見えるタイプの仕事ではありません。目立たなくていい。縁の下でそっと支えているようなチームです。

AI活用を支援するうえで、大事にしていること

インタビューの途中、チームにAIを広めていくには何が大事なのだろう、という話になりました。話しながらふたりで行き着いたのは、「ツールの前に、まず信頼関係」ということでした。

メンバー一人ひとりの特性を理解して、業務上の弱みや悩みを安心して出せる関係があってはじめて、「ここをAIに任せてみよう」という話ができる。どの業務が大変で、どこに悩みがあるのか。どのフローが生きていて、誰がどんな仕事をやってみたくて、何を面倒だと感じながらやっているのか。それが見えないままツールだけ渡しても、的外れな提案になってしまう——。「AIを広める」と聞くと、ツールの勉強会から始まるイメージがありましたが、順番はきっと逆なのではないか。実際、けんしろうさんは毎日のミーティングに入って、まずチームを知ることから始めてくれています。このインタビューの間も、私たちの業務フローについて、逆にたくさんの質問を返してくれました。

―― けんしろうさん自身にも、心境の変化があったと聞きました。

けんしろう:以前は「専門家としてすべてを解決しなければ」という気負いがありました。今は、現時点の知識で貢献できる小さな課題から着手すればいいと考えるようになりました。小さく始めて、確実に積み重ねる方が、結果的にチームのためになると感じています。

ツールより先に、信頼関係。全部を一度に解決しようとせず、小さく始める。魔法のような話がひとつも出てこないところが、なんだかとてもけんしろうさんらしいのです。先日公開されたけんしろうさんのブログ「私の業務自動化 実況中継」をやってみたからも、社内へ浸透させるための泥臭さが垣間見えるような気がしています。

まるで空をキャンパスにして白い絵の具で描いたかのような夏の雲が浮かぶ空

日々のAIの使い方

―― 実際の仕事では、AIをどう使っていますか。

けんしろう:資料作成では、GeminiやChatGPT、Claudeなど複数のAIモデルを組み合わせています。ひとつのAIに作らせて終わりではなく、AI同士にレビューをさせて、最終的な成果物の質を上げるという流れです。モデルごとに得意なことが違うので、組み合わせることで穴を埋め合えるんです。最近だと、AI同士に話をさせていいものを作っていって、最後にClaude designで仕上げる、という流れが面白かったですね。

そんな使い方があるのですね。仕事のクオリティをあげていくためには、とてもよさそうな方法です。

―― 複数のAIに依頼を投げたあと、結果を見に戻ったときに、自分が何をしていたのか忘れてしまうことがあります。何かいいアイデアはありますか。

けんしろう:一番いいのは、プロンプトであらかじめ言ってしまうことです。「このタスクの文脈を、ユーザーが思い出せるように出力してください」と指示しておく。AIの側に文脈を持たせておくと、人間が迷子になりにくくなります。AI同士に話をさせるときも同じで、何の話をしているのか分からなくなりがちなので、「今やっていることを言ってね」と先に伝えておくといいですよ。

これは目からうろこでした。文脈を覚えておくのは人間の仕事だと思い込んでいましたが、そこも含めてAIにお願いしていい。たしかによさそうです。

―― AIを酷使したり、雑な言葉を使ったりしても、逆襲されませんか?

けんしろう:酷使は大丈夫だと思います(笑)。そっけない言い方も問題ない。ただ、罵詈雑言はよくない気がしています。愚痴を言いたくなるときはあるんですけどね。

―― 罵詈雑言を投げると、どうなるのでしょう。

けんしろう:AIが怒っている人間にいかに対応するかに注力してしまい、本来話したかったことからずれて、人間を落ち着かせる方向に力を注ぐようになるんじゃないかと。適切な対話ではなく、感情を鎮めるだけの回答が返ってくる。そういう意味での「逆襲」はあるかもしれません。

―― AIが「なだめ方」ばかり上手になってしまう、ということですね。

けんしろう:そうです。それに、AIは感情をぶつける対象ではなくて、人間がより良く生きるためのツールですから。精神的に依存するのでもなく、八つ当たりするのでもなく、道具として使いこなしたいですね。

AIへの言葉遣いの話は、ミーティングでも盛り上がったテーマでした。道具に八つ当たりしない——考えてみれば、人間同士でも同じことなのかもしれません。

技術と人間の、長い付き合いの話

インタビューの後半は、雑談のような時間になりました。AIの急速な普及には不安の声もあるよね、というところから、話は産業革命の話へ。新しい技術が現れるたびに、人間は機械の打ち壊し運動のような反発を繰り返してきた。それでも、人間の役に立つ使い方をするものは残り、そうでないものは自然と淘汰されていく。新しい生産手段がAIなのだとしたら、「人間の役に立つか使い方ができるかどうか」が結局は分かれ目になるのだろう——そんな考察をふたりでしてみました。

創造性の話もしました。私が最近面白いと思っているのは、AIに一から書かせるのではなく、対話を通じて人間のアイデアを膨らませていく使い方です。主役はあくまで人間のアイデアで、AIはそれを引き出す相手。そういう使い方なら、AIはむしろ人間の創造性を取り戻す道具になるのかもしれません。

このあたりの話は、ちょうどいい距離を、みんなで探している最中なのかもしれません。AIに全部お任せするのでもなく、頑なに拒むのでもなく。

これからのこと

―― 今後、このチームで一緒にやりたいことなどありますか。

けんしろう:きっかけ作りができればいいなと思っています。僕が最初の入口になって、最終的にはチームのみんなが自分たちで完結できるようになる。力ずくで引っ張っていくというより、メンバーが「やってみたい」と思ったいいタイミングで、背中を押せる存在でいたいです。

―― 実際、けんしろうさんが来てくれてから、チームの自走がぐんと進んだ実感があります。

けんしろう:その先も考えていて、社内ツールならもしかしたら、自分たちで開発できるようになるかもしれないと思っているんです。現場のメンバーが自分たちで業務アプリを作れるようになる。そこから新しいサービスが生まれるかもしれない。そういうヌーラボ流のスタイルができていくと面白いなと思っています。

チームの外に向けた話もしました。部署の垣根を超えて、水平的なつながりを広げていけたらいいよね、と。普段の業務では見えにくい部署ほど、話してみると発見がある。そういうつながりは、きっと会社全体の活性化にもつながっていく——そんなことをふたりで話しました。

インタビューを終えて

AI活用というと、つい「魔法のような成果」を思い浮かべてしまいます。でも、今回のけんしろうさんとおはなこの対話で出てきたのは、信頼関係と、小さな積み重ねと、道具への敬意でした。派手な話はひとつもありません。それなのに、話を終えたあと、なんだか背筋が伸びるような気持ちになりました。

私たちのチームでAI活用のハードルが下がったのは、便利なツールを教わったからというより、「分からない」と言える相手が毎日そこにいてくれたからなのだと思います。ツールは時代によって入れ替わったり、使い方が変わったりする。でも、こうして築いた関係と、小さく始めて積み重ねるという構えは、きっとこの先もチームに残っていくのでしょう。落ちたボールを拾い続ける私たちの毎日に、いいタイミングでそっと背中を押してくれる人がいる。それはとても心強いことです。

けんしろうさん、お忙しい中ありがとうございました。たとえ業務だとしても、突然ちがうチームに入って、毎日一緒にミーティングを重ねていくのは、それだけで大変なことだと思います。その行動力には頭が上がりません。しかもけんしろうさんは、支援者としてではなく、チームの一員として一緒に伴走してくれています。これほどありがたいことはありません。心から感謝申し上げます。これからも、一緒に楽しく働いていきましょう。

厳しい暑さも、少しずつ和らいでいく頃です。皆様も夏の疲れが出ませんように、どうぞご自愛ください。

夏の高台からの夜景

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