【Backlog総研/調査レポート】約75%が「メンションハラスメント」実感 — 通知ストレス解消には、受信側のコントロールが効果的

<調査結果サマリ>

  • アンケート形式の「メンションハラスメントに関する調査」を実施
  • 仕事で用いるコミュニケーションツールについて、74.5%が「通知に関するストレスを感じたことがある」と回答
  • 受信側、送信側ともにストレスを感じるが、受信側がストレスを感じる機会がより多い
  • 特に多いのは「プライベートの時間に受け取った通知」へのストレス
  • 「メール」「業務ツール」「個人SNS」のうち、特にストレスを感じるのは「業務ツール」
  • 通知ストレス解消のためには、どちらかと言えば「受信側が気を付ける」のが効果的

チームのコラボレーションを促進し、働くを楽しくするツール「Backlog(バックログ)」「Cacoo(カクー)」「Typetalk(タイプトーク)」を運営する株式会社ヌーラボ(本社:福岡県福岡市、代表取締役:橋本 正徳、以下 ヌーラボ)は、プロジェクト管理ツールの「Backlog」ユーザーを主な対象とした「メンションハラスメントに関する調査(以下、本調査)」を実施しましたので、結果を報告します。

本調査では、業務コミュニケーションツールにおける、通知に関するハラスメントを「メンションハラスメント」と定義し、受信側、送信側の両方の立場で感じる通知にまつわるストレスについて尋ねました。

その結果、仕事で用いるコミュニケーションツールについて、「通知に関するストレスを感じたことがある」と回答した割合は74.5%に及びました。具体的にストレスを感じた理由について聞いた設問では、送信側よりも受信側として通知に関するストレスを感じる傾向にあり、かつ「プライベートの時間」に受け取った通知にストレスを感じるようです。

通知に関するストレスは連絡手段によっても感じる度合いが異なり、「メール」「業務ツール」「個人SNS」のうち、特にストレスを感じるのは「業務ツール」であることも分かりました。

さらに、通知ストレス解消のためには、受信側、送信側双方が気を付ける必要があるものの、どちらかと言えば「受信側が気を付ける」ことが効果的だと考えている人が多い、という結果も出ました。

下記、調査結果をまとめておりますので、ご報告します。本件について、またはプロジェクト管理や働き方についての取材も可能です。ご要望の方は、お問い合わせ先までご連絡ください。



◼︎74.5%が「通知に関するストレスを感じたことがある」と回答。なかでもストレスを感じやすいのは「プライベートの時間」に受け取る通知

本調査では、まず、全回答者に対して「仕事で用いているコミュニケーションツールで、通知に関連するストレスを感じたことがあるか」を尋ねました。その結果、ストレスを感じたことが「ある」と回答したのは、全体の74.5%にものぼりました。

次に、「ストレスを感じたことがある」と答えた74.5%の方を対象に、具体的にどんな理由でストレスを感じたか、あてはまるものを聞きました*。その結果、下記の結果が得られました。

順位 区分 ストレスの詳細(回答の多かった順) 人数 (割合)
1. 受信側 プライベートの時間に通知が来て、仕事モードになった 347名 (56.6%)
2. 受信側 プライベートの時間に通知が来て、返信せざるを得なかった 296名 (48.3%)
3. 受信側 あまり関係のない通知に時間が取られた 284名 (46.3%)
4. 受信側 集中したいときに集中が削がれた 262名 (42.7%)
5. 受信側 通知が多すぎて大事な通知を見逃した 262名 (42.7%)
6. 送信側 相手が通知をストレスに思わないか、通知を送る前にためらった 257名 (41.9%)
7. 送信側 通知したのに返事が来なかった 255名 (41.6%)
8. 受信側 通知に気付かなかった 226名 (36.9%)
9. 送信側 誰に通知をするべきか迷った  217名 (35.4%)
10. 送信側 通知に気づいてもらえなかった  211名 (34.4%)
11. 送信側 相手がプライベートの時間に通知を送ってしまい、不快な思いをさせた  174名 (28.4%)
12.  受信側 適切でない内容に全体向けの通知(@allなど)が使われた  167名 (27.2%)
13. 受信側/送信側 通知に関するチーム内のルールが煩雑  91名 (14.8%)
14. 受信側/送信側 時差による受け取り時間の差がストレスになった  60名 (9.8%)
15. 受信側 仕事で使いたくないツールで通知が来た  50名 (8.2%)
16. 送信側 仕事で使っていいツールかどうか迷った  28名 (4.6%)
17.   その他  11名 (1.8%)

この結果から、下記のことが言えます。

  • 送信側よりも受信側として、通知に関するストレスを感じる傾向にある
  • なかでもストレスを感じやすいのは「プライベートの時間」に受け取った通知
  • 一方で、ほとんど全員がストレスを感じるような目立った回答は無い
  • 「ビジネスでどのツールを使うか」は問題でなく、通知機能の使われ方がストレスに影響する
※回答は任意で、回答数に上限のない選択式。本設問の回答件数は613 件。

◼︎「メンションハラスメント」にまつわるエピソード

続いて、「メンションハラスメント」と聞いて思い出すエピソードを任意のフリー入力形式で収集しました。

まず、寄せられたエピソードを「受信側」「送信側」「どちらも」に大別すると、送信側(9.5%)よりも受信側(70.9%)の方が圧倒的に多い結果となりました。「通知に関するストレスを感じた経験」として当てはまる項目を選択式で収集した質問ではここまで大きな差が出なかったことから、多くの「ハラスメント」同様、「メンションハラスメント」も「受けた方が色濃く覚えているもの」と定義することができると言えます。

「メンションハラスメント」に関する具体的なエピソードを抜粋します。

<プライベートの時間なのに!>

  • 土日祝日、長期休暇中も関係なくメンションや個別に連絡を取ってくる上長・同僚(マーケター・プランナー/25歳~29歳)
  • 特に緊急ではないのに休暇中にメンション通知で上司から業務依頼があった。納期を確認したら休暇明けで大丈夫だとのこと。休暇明けに口頭で指示してくれたらいいのに…(事務・総務/25歳~29歳)
  • 休暇中にメンションが届き、無視したら電話がかかってきた。とにかくムカついた。(社内システム管理者/30歳~34歳)

<通知相手(メンション先)は適切に>

  • 関係者じゃないのにメンションが飛んできたり、当事者なのに、メンションがなかったり。(システムエンジニア(プログラマーを含む)/25歳~29歳)
  • 担当者と連絡がつかない時、社員全員に通知を送り催促してくるお客様がいる。(ディレクター・マネージャー/30歳~34歳)
  • 業務中に、案件に絡む人を全てメンションに入れる人がいて、確認がツラいときがある。重要なのかそうじゃないのかわからないから。(その他エンジニア/40歳~44歳)

<返信しなくて良いと言われても>

  • 毎週日曜の14:00にメールを送ってくる上司がいた。休みだから返信しなくて良いといわれても、気になってしまった。(カスタマーサポート/40歳~44歳)
  • 時短勤務で退勤済みの社員に通知をし、文頭に「明日以降の返答で構わない」と明記したが、その場でやり取りが発生してしまった。(営業/25歳~29歳)
  • あした言えばいいのにと思う内容が夜間にDMで送られてきた時はイラっとしてしまった。自分の脳のメモリをそれに使いたくないから思いついた瞬間にDMしたんだろうなと思ったが、俺の脳のメモリ返せよと思った。(システムエンジニア(プログラマーを含む)/30歳~34歳)
  • 夜中の1時に上司からの投稿通知があり「自分が考えていることを伝えておかないと眠れなくて」と言われた。その時間に投稿通知に気づいてしまったこちらはその投稿以降眠れなくなった。(ディレクター・マネージャー/30歳~34歳)

<全員への通知の濫用>

  • 全員への通知のスルー率の高さが気になります。(システムエンジニア(プログラマーを含む)/35歳~39歳)
  • 何でも全員への通知にする人がいるので通知を切ってしまい、必要な通知を受けてもらえなくなる(ディレクター・マネージャー/45歳~49歳)
  • 業務に関することではあるが個人的に嬉しかったできごとを全員に通知されるのはリアクションしなきゃいけないのかな、と感じる。(その他エンジニア/25歳~29歳)

<受信側でコントロール派>

  • 終業後、休暇中にメッセージを送ってこないでくれと言われたが、終業後や休暇中に業務ツールを見ないでくれと思った。(システムエンジニア(プログラマーを含む)/30歳~34歳)
  • @のあとを名前にされる、@を全角にするなどして自分が休み中に通知が来ないように配慮されて、出社時に見逃した。休み中の通知のコントロールはしているので気遣いは不要。(ディレクター・マネージャー/30歳~34歳)

<通知の意味がない>

  • 通知を何度も無視された。リアクションのみでの反応しかなく気が付くのが遅れた。(システムエンジニア(プログラマーを含む)/25歳~29歳)
  • お互いオンライン状態にもかかわらず、質問した内容についてのレスポンスがない(既読スルー状態)(システムエンジニア(プログラマーを含む)/25歳~29歳)

<その他>

  • 海外支社とのやりとりだと片側が祝日なときに気づきづらく、急かしてしまう(またはその逆)が起こってしまったりするのを見る。(その他エンジニア/25歳~29歳)
  • 個人のアイコンの図柄にイラっとすることがある。(事務・総務/45歳~49歳)
  • チャットの文章を細切れで送ってこられる(1行ずつ)(その他エンジニア/25歳~29歳)
  • 会社全体のメンションで会社中にバイブレーションの音が響き渡るのが嫌いです。(システムエンジニア(プログラマーを含む)/~24歳)

◼︎連絡手段によっても異なる?特にストレスを感じるのは「業務ツール」

次に、休暇中にモバイル端末で受け取る通知について、ストレスを感じたことがあるかどうかを連絡手段ごとに尋ねました。「メール」「業務ツール」「個人SNS」に分け、それぞれについて「ストレスを感じることがよくある」「たまにある」「あまりない」「まったくない」の選択式で回答を収集しました。*

その結果、「よくある」「たまにある」の合計が最も高いのは「業務ツール」で、全体の59.2%の回答、また「メール」についても半数の50.7%の回答となりました。「よくある」「たまにある」の合計に10%程度開きがあること、また「よくある」「たまにある」それぞれについて「業務ツール」は「メール」よりも回答率が高い(「あまりない」「まったくない」それぞれについて「業務ツール」は「メール」よりも回答率が低い)ことから、「メール」よりも「業務ツール」の通知にストレスを感じやすいと言えます。

*設問中の説明に、“「業務ツール」はBacklog、Slackなどの業務で用いるツール”、“「個人SNS」はLINE、Facebookメッセンジャー、Twitter、Instagramなどの個人SNS” と表記した。なお、すべての連絡手段について回答必須。

◼︎送信側、受信側、気をつけるべきは結局どっち?

本調査では、通知に関するストレスを減らすため、受信側・送信側どちらが気をつけるのが効果的と思うかについても尋ねました。回答は必須で、下記4つの項目から選ぶ選択式です。

  • 休暇中はメンションの通知をオフモードに設定するなど、メッセージの受信側が気をつける
  • 休暇中の相手にはメンションを送らないなど、メッセージの送信側が気をつける
  • 受信側、送信側どちらも気を付ける
  • 受信側、送信側どちらも気を付けなくていい

その結果、「どちらも気を付ける」との回答が最も多く363名(44.9%)、次いで「受信側が気を付ける」との回答が258名(31.9%)、「送信側が気を付ける」との回答が140名(17.3%)、最も少なかった回答が「どちらも気を付けなくていい」で47名(5.8%)でした。

◼︎まとめ

業務ツールの通知に関するストレス=「メンションハラスメント」は、送信側よりも受信側として感じる機会が多く、だからこそ、受信側が通知をオフにするなど工夫しながらストレスを減らしていくのが効果的だと言えます。業務ツールによっては、ユーザーが指定した時間に通知を受け取らないように設定することができる機能や、通知相手が業務時間外の状態にあることを知らせる機能も用意されています。

しかしながら、エピソードとして寄せられた通り「上司やクライアントからの通知に返信せざるを得ない」「無視すると怒られる」など、通知をオフにできない状況が強いられ、苦痛を感じることもあるようです。

いつでも・どこでも・誰とでもコミュニケーションが可能になった現代だからこそ、業務ツールの便利機能だけに頼らず、「自分たちのチームはどんな方針で使うか」を定め、適宜使い方を見直しながらチームワークの改善に努めることが必要です。

◼︎調査概要

実施期間 2019年11月5日~11月15日
有効回答数 808件

◼︎ヌーラボが提供するサービスについて

ヌーラボは、チームのコラボレーションを促進し、働くを楽しくするツールを提供しています。それぞれについての詳細は、こちらのURLよりご確認ください。

・プロジェクト管理ツール「Backlog」:https://backlog.com/ja/
・ビジュアルコラボレーションツール「Cacoo」:https://cacoo.com/ja/
・ビジネスチャットツール「Typetalk」:https://www.typetalk.com/ja/

株式会社ヌーラボについて

本社
福岡県福岡市中央区大名1-8-6 HCC BLD
創業
2004年 3月
ウェブサイト
https://nulab.com/ja/(日本語)
https://nulab.com/(English)

※ 本プレスリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。

お問い合わせ先

報道関係者からのお問い合わせ先
広報担当
電話番号
092-752-5231
E-mail
pr@nulab.com

ヌーラボについて

ヌーラボは、チームのコラボレーションとコミュニケーションを促進するソフトウェアを開発している、「楽しいこと好き」なイノベーター集団です。ヌーラボは、3人の開発者により2004年に創業されました。日本の福岡に本社があり、現在は、ニューヨーク・東京・京都・アムステルダムに拠点を持っています。